産業革新投資機構が発足3か月で高い理念が高額報酬問題でつまずいた。高い報酬が指摘され、さらに経産省と投資手法でも行き違いがあり、このままでは信頼関係の毀損が生じたと民間出身取締役9人が辞任するという。
当初新聞で1億円を超す報酬が高額と批判を受け、経産省が当初案を撤回したことで民間取締役が怒ったのかと思ったら投資の手法にも行き違いがあるらしい。
旧産業革新機構はルネサスエレクトロニクス問題で救済色が強く「ゾンビ企業」の救済と評判が悪かった。そこで高度な金融知識を持ち優秀な人材を民間から集め、資金は国が出す新しい機構として期待されたが早々ととん挫した。
官民ファンドも今まで14ファンドあるが9ファンドが赤字らしい。だから新機構はリスク管理に重点を置き、リターンの最大化、金融投資による運用が必要としたが、経産省は新産業の育成を重点にしている。国の資金を使うのだから一定の関与はありという考えだ。
経済産業大臣も「国の資金で運用する法人だから経済産業相が許可しないことは法律上想定される」と国の関与を最小限にしようとする新機構を考えが違う。
さらに民間資金を呼び込むために認可制の子ファンドの下に認可不要の孫ファンドを置くと新機構が提案すると経産省は「やりたい放題になる」と批判すれば新機構は「手足を縛るな」と異議を唱える。
何のことはない。高額報酬を糸口に新機構の運用の仕方も経産省と十分な話し合いができていなかったのだ。これでは高額報酬で優秀な民間人材を集めても早晩挫折する運命だったのだ。
発足直後に運用法でちぐはぐさが見つかってよかったのではないか。
こんなことになって優秀な人材は集まらないのではないかと新機構の将来を不安視する見方が出てきている。安倍内閣も力を入れている政策だ。民間活力より政治色の強い新機構になるかもしれない。
田中社長が辞任記者会見で「共感していた目的達成のためには1円でもやる」と言っていたがしっかりした目的、手法を確立すれば役員のなり手はいるはずだ。
資金も国がほとんどを出資するのではなく、経済界も半分はもつべきだ。このままでは経済界はいいとこどりになるし、官僚OBの人材を集めてはならない。民間も金を出し口を出すべきだ。
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