2018年12月6日木曜日

憲法とは何か:審議は進まず、主権者たる国民を置き去りでは


安倍総理が前のめりの憲法改正だが国会での審議が進まず、主権者たる国民置き去り状態だが、一体「憲法とはなにか」と本質的なところで与野党が対決している。

改正を急ぐ安倍総理は「国の新しいかたち」を造ると言えば反対する野党は「国家権力から国民を守る」と憲法論を訴える(読売新聞2018.12.6「憲法の役割とは」)。

政府、権力者も野党も主権者たる国民が選んだ代表なので、どちらが正しく、どちらが間違っているとは言いがたいが、憲法学者でも「権力者から国民を守る」「権力者を制限するルール」「国家権力を縛る」目的がある事を主張するのは古い憲法観だと指摘する(同上)。

立憲主義が叫ばれているが権力を制限する役割があると同時に根底から権力を作り出す、機能することも大事で、そのためには権力が十分に機能するように憲法が支えることなのだ(同上)。

でも権力には色々ある。安倍政権はどうか。集団的自衛権行使を国会で十分に審議せず、閣議決定する暴挙に出たし、野党の勢力を削ぐために大義名分のない解散までやってしまう。

野党は「安倍政権下では憲法改正の審議はしない」と言うし、世論調査では「急ぐ必要なし」と優先課題の最下位だ。おまけに公明党は慎重姿勢だ。

それでも安倍総理は急ぐ余り、自民党憲法改正推進本部の人事を側近で固めたが、下村さんが「野党の審議拒否は職場放棄」と発言したために野党が態度を硬化し憲法審査会の開催がもたついているがやっと野党不在のまま幹事を選任して終わった。

そんな事だから今国会での自民党草案の提出を断念したらしい。調整が進んでいた国民投票法改正案も足止めになった。

安倍総理は「新しい国のかたち」というが自民党草案の内容はどうなのか。改憲4項目と言われているが私達は国会に提示されてはじめて分かるのだ。

その改憲4項目をネットで検索してみた。

1つ目は憲法912項を維持、自衛隊を明記するという。一方、2項を削除し自衛隊の目的、役割を明確化する案も自民党にはあった。シビリアンコントロールも問題になる。憲法9条の戦争放棄は、終戦間もない時の憲法改正作業だ。当時の幣原首相は世界に訴える日本の立場は「戦争放棄」しかないとマッカーサーに直談判したそうだ。マッカーサーもそこまでは考えていなかったので驚いたと言う。

幣原総理はそう考えた。ところで安倍総理は世界へ日本の立場をどう訴えるのか。12項を維持したまま自衛隊を明記する事により本当に自衛隊違憲論を葬り去る事が出来ると思っているのか。

2つ目に緊急事態条項だ。いざと言うときに国会議員の任期延長、選挙期日の特例を挙げているが参議院の緊急集会で対応出来るのではないかと言う。更に政権への権限集中、私権の制限が謳われている。緊急時に政権が対応を容易にする事を目的としているのだろう。

大事な事は、政権が国民の信頼を受けていることだ。安倍政権では無理だろう。

3つ目は合区解消、都道府県単位がどれだけ重要かが問われている。一票の格差問題で最高裁も選挙制度の変更を求めているが参議院のあり方、小選挙区比例代表制の是非も検討課題だろう。

4つ目は、教育の充実だ。これは維新の党を仲間に引き入れるために維新の政策を入れたのだ。

自衛隊明記、緊急事態対応、選挙制度は安倍総理の言うように「新しい国のかたち」を築くことになるのだろう。だとしたらしっかり審議すべきで「まずスケジュールありき」の政策課題ではない。簡単に考えているのであれば安倍総理の資質が悪いことになる。

立憲民主も枝野さんが言うように「安倍総理はモット憲法を勉強しろ」と言う事になる。

国を二分するほどの事になりかねない。与党で押し切れるわけがない。万機公論に決すべしだ。


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