トランプ大統領の政治姿勢は問題解決型か、自分の都合のいいことしかやらないデストロイヤーなのか。今回の大阪G20首脳会議、個別首脳会談そして訪韓し南北境界線を越えて金委員長と米朝会談のサプライズを演出し世界を驚かせた。
トランプ大統領登場でアメリカは「保護主義」「アメリカ第一」で国際政治の場に臨んでいるが、オバマ政権時代の国際協調路線を自分に都合のいい問題解決に向け「破壊者」の動きに他国がまどわされている。
世界の大金持ちのトランプ大統領が政権に疎外されていた人、衰退する産業及び産業城下町の人々の強い支持で共和党の泡まつ候補から大統領にのし上がってきた。
前回の大統領選での公約も「強いアメリカ」、「沈滞化した産業の活況」そのための「パリ協定」脱退、「国民の仕事を奪った難民拒否」、そして「不公平貿易の是正、バランスのある貿易」の確保だろう。まとまりかけていたTPPからの脱退、従来多国間交渉で解決の道を見つけていたが、問題点も搾れるし交渉も楽とみてか二国間交渉を重用するデイールだ。
世界の非核化に精を出そうとする。2015年の「イラン核合意」では完全に核放棄は出来ないとみてアメリカは脱退し経済制裁で緊張が高まった。北朝鮮の非核化も朝鮮半島の平和、安全の確保を主導しようとしている。
米国の貿易赤字は貿易相手国に利用され続けたと不満たらたらで中国、日本など貿易黒字国を狙い撃ちにしている。特に今回の米中貿易交渉は米中の関税掛け合い合戦で世界経済は混とん状態、経済成長も下降リスクを抱え注目を集めていたが、アメリカの課税先送り、中国の改善意志もあって一時の休戦状態に。
再開後がどうなるかは誰も読めない。関税をかければ米国民だって生活の影響は出るし、米国は中国に知的財産、国有企業への補助金、技術移転など「構造改革」を要求しているので簡単に解決する問題ではない。
日米貿易交渉も進んでいるという。農産物、自動車がどうなるか注目だが、トランプ大統領は期待する「成果」は8月発表というから安倍総理の参院選後に先送りされたと言うことは日本にとっては不利な結果なのだろう。いつも交渉ごとになると国益を害するのは日本だ。
軍事同盟への費用負担増をいいだした。NATOに対して応分の負担増をドイツに突き付けた。フランスのマクロン大統領は「欧州で自前の軍備」構想を打ち出すとトランプ大統領は反論する。
日米安保条約の「片務的」決めごとに異議を唱え、撤退はしないが見直しをにおわすが、多くの誤解がある。日本はそれ相当の負担をしているし、役に立つかどうかわからないが、高額な兵器の購入が続き防衛費はうなぎのぼりだ。「何か言うとすぐシンゾーはすぐ買ってくれる」とまで言う。
やっぱり国際舞台でのアメリカの孤立化、トランプ大統領への忖度は問題解決をおくらせる。「保護主義」はG20では19:1、G7では6:1で孤立しているが他国はアメリカの孤立化だけは回避しようと譲歩する。今回の首脳宣言も表現において異論が多かったようだ。
こんなことが続けばG20の存在意義も失う。
居心地が悪いと見たトランプ大統領は訪韓時に南北境界線近くに行くとツイッターでささやき、金委員長に会談を持ちかけた。6月30日、急きょ(?)実現しアメリカ大統領が初めて境界線を越えメデイアのトップ面を飾った。G20も形無しだ。注目は米朝会談に移った。
唐突なトランプ大統領の誘いに乗ったのか、以前から交渉されていたのか知らないがサプライズなった。
北の新聞報道では「生産的成果のための対話再開」という。非核化の進展は期待できないが、2人の友好関係を保っていれば弾道ミサイルが米国に飛んでいくことはない。だからトランプ大統領は会談再開を望むが「非核化は急がない」という。
ツイッターでささやいただけでこういう重大事態が発生するなんて信じがたいが、米朝会談がその程度の軽いものではなかろう。
トランプ大統領は国際舞台で問題解決型の政治家なのか、それともデストロイヤーなのか。今のところはデストロイヤーと思えるが。
トランプ大統領の政治姿勢を変えさせることが出来るのはアメリカ国民なのだ。
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