安倍総理に聞いてみないか、6年前に鳴り物入りで提言した「2年で2%物価目標」はどうなったのか。3年ぐらいで総理の座を降りていると「2%目標は未だ未達成」と言っていればよかったのだろうが、6年と言う長期政権になると達成責任が問われる。それには安倍総理の得意とする丁寧な説明がいるのではないか。
参院選での自民党の公約を見ると、「脱デフレ」「2%物価目標」の文言は見当たらない。あるのは経済再生のGDP600兆円でローカルアベノミクスの記述だけだ。
先送りに先送りで期日も2021年頃、それでも1.6%を予測しているからほとんど無理なのだ。でも目標を降ろすわけにはいかないのだろう。アベノミクスの失敗を追及されるからだ。それは安倍政権の根底を揺るがすことになる。
2%物価目標はIMFの専務理事が「2%はグローバルスタンダードだが、各国の事情で判断すべきだ」と新聞で言っていた。今でも欧米では物価目標2%は生きているらしい。
国内でも国会で民進党(?)前原さんが安倍総理に「何故2%なんだ」と質問した時、安倍総理は「2,3,4%と専門家の間では数値が上がっているが一番達成しやすい2%を選んだ」と答えていたが、前原さんは「その程度の根拠か」と今後も追及すると質問を結んだ。
そのうちに、内閣府参事でリフレ派経済学の旗振りであった浜田さんが「雇用が改善したのだからそれでいいじゃないか」と言いだした。市場にじゃぶじゃぶカネを流せば物価も上がり企業は設備投資し雇用も改善するというストーリーで物価は上がらないが、雇用は改善したのだからいいじゃないかといっているのだ。
確かに有効求人倍数は民主党政権時の0.85から安倍政権では1.55と改善、失業率も改善した。一方正規従業員数は微増だが非正規従業員数は200万人の増加だ。
有効求人倍数=働き手を求める人数/仕事を求める人数と考えると、分子は人手不足で特に医療介護分野では厳しい。外国人労働者の受け入れが必要になる。分母は人口減、少子高齢化で小さくなる。当然に有効求人倍率は良くなる。
経済指標の好転ではなく、社会問題の悪化ではないのか。
新聞報道によると3日の外国人記者クラブでの党首討論で質問に答え安倍総理は「専門家の世界だから政府が何か恣意的ことを言うべきではない」と発言したそうだが、国会でも同じことを言っている。
「安定して2%を達成するまで異次元の金融緩和を続ける」と言うのだが、「金融政策は日銀に任せている」「黒田総裁を信頼している」と繰り返す。
その一方で、「いつまで続けるのか」との質問に「私の任期中にはどうするか判断したい」とも国会審議で発言していた。
頭の片隅には「異次元の金融緩和」「アベノミクス」に対する責任は自分にあることを認識しているのだ。リフレ派経済学者の提案をどれだけ理解してアベノミクスを掲げたのか。主流派経済学者は「非伝統的金融政策」と批判していた。
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