今日の朝日新聞(2019.7.24)の世論調査によると安倍政権に対して「政策に不安が大きい(55%)」が、「任期一杯続けてほしい」(56%)という。これでは今回の参院選の48.8%という低成長率の原因である「政治が変わらない」(43%)ことにならないか。
安倍政権の不祥事、政治手法から考えると政権交代の条件はそろってるのに何故、立憲民主が議席を伸ばしただけで与党に過半数を与えてしまったのか。
民主党政権で重要な職についていた岡田さんが、早くから野党統一が必要だと訴えていたが、立憲民主の枝野さんは立憲民主主導の路線をとりたかったのだろうが、支持率が伸びず野党共闘路線に舵きりしたが、遅すぎたのではないか。
1人区での成果を参考に立憲民主の枝野さんは野党統一に向け自分がリーダーシップをとるといっていたが、立憲民主、国民民主では立党の経緯が違いすぎる。お互いに不信感があるのではないか。旧民主党での再結集は難しいか。
野党が不甲斐ないから政権交代の機運は出てこない。だから考えられるのは自民党内での政権交代だ。
ここ6年で「自民党は変質した」と朝日新聞与党キャップの佐藤さんは言う。自民党立党精神がないがしろにされ、安倍一強政権、多数決で物事を決めて、反対意見に耳を貸さなくなった。
政治評論家の伊藤淳夫さんは、「中選挙区制に比べ小選挙区制になって議員が小粒になった」という。
確かに今、自民党内で流れを変える動きが出にくい。安倍官邸が出る杭は打つ。青木、古賀、亀井さんのような人材がいなくなった。ポスト安倍が見えてこないから動きも悪いのか。今回の選挙戦で目立った応援は安倍総理と菅官房長官か。「令和おじさん」でポスト安倍に名乗りを上げたとメデイアは見るが、本人はその気がないらしい。
安倍政権は参院選前で重要な政策も選挙対策で変質させた。
トランプ大統領が目論むホルムズ海峡の「有志連合」への参加は憲法、法律から考えてその環境にない(萩生田)という。
日米貿易交渉も日本にとっては厳しいようだが、「選挙前不利な内容がわかるとまずい」と内容は8月に公表するらしい。そのうちにトランプ大統領からツイッターで暴露されるかと思っていたがそれはなかった。
ハンセン病患者家族への賠償問題も「法的問題がある」と言いながらも控訴せず、家族に謝罪した。本来なら控訴し徹底的に戦うのが国の姿勢だった。
対韓国でも強硬な姿勢に出た。国民は皆、政権支持だろう。
余りにも酷かったのは「民主党政権への嘲笑」作戦だ。意図的にやったことはわかっている。民主党政権が「悪夢のよう」なら安倍政権は「バラ色」なのか。
この争点隠しが今後大きな問題となって安倍政権は行き詰まる可能性がある。
日米貿易交渉は農産物、自動車にどう影響するか。トランプ大統領の期待に応えているとしたら、国益を害する約束をしていることになる。
アベノミクスの異次元の金融緩和はどうなるか。アベノミクスの成果を身近に感じる対策はあるのか。米中貿易摩擦の行く方が不透明であるために景気後退の局面で、欧米の中央銀行は緩和縮小、利上げから一転「緩和」に逆戻りしそうであるが、日銀の緩和継続策に自由度があるのか。財政ファイナンスが疑われる国債の大量買入れは900兆円の発行額に対して日銀が470兆円保有する異常事態で国債市場も不安定だ。国債下落は日銀の経営を悪化させるし、通貨への信認も下落する。日本経済にとっては最悪の事態が待っているかもしれない。
白川元日銀総裁がリーマンショック後の金融政策で困惑し、懸念していたことが実際に発生するかも知れないのだ。
消費税増税は10月施行だろう。公約にも掲げたし麻生財務大臣も「選挙で認められた」という。景気でどうなるかはわからないが、消費税増税は強い政権でないと無理だ。今までも増税で退陣した政権がある。安倍総理が消費税増税を回避するとしたら安倍政権は決して強い政権ではないのだ。
安倍政権は決して「バラ色」ではない。「各課題の重要点をどこまで隠し続けられるか」が安倍政権の存続にかかわってくる。
0 件のコメント:
コメントを投稿