2019年7月31日水曜日

日銀・緩和継続の判断基準:2%へ「勢いを失くす」から「その恐れがある」へ


日銀の金融緩和の判断基準が2%への「勢いが失われた場合」から「その恐れがある場合」へ予防的意味合いが強くなった。各国の中央銀行が米中経済摩擦、英のEU離脱と欧米の経済情勢から世界経済は景気下降への予防的処置として利下げや再び緩和への舵取りを考え出したことから日銀も一歩前へ踏み出したのだ。

出口戦略で緩和策に出遅れ感が強かったが、各国の中央銀行が緩和へシフトを強めたために面目を保った感じではないか。

30日の金融政策決定会合後の会見で物価は下振れのリスクへ注意が必要だが、先行きは「緩やかな回復」と見ている。2%への物価目標への勢いはあるという。

だから緩和を粘り強く続けるらしい。

従来、日銀は必ず「勢いが失われたときは躊躇なく追加緩和をとる」と日銀の強い姿勢を示し、市場に期待感をあおったが、マイナス金利幅など銀行経営の悪化を招いておりその手立ては残されていない。

考えられる緩和策としては、マイナス金利の引き下げ、0%長期金利の引き下げ、資産買い入れ拡大、資金供給量の拡大などがあるが、副作用も大きい。それでも市場は要求するのか。

FRBが利下げ、ECBが金融緩和の動きで各国中央銀行が追加緩和すると円高、ドル安に警戒だ。アメリカはいいだろうが、日本経済は好ましくない。欧米と日銀の駆け引きが続く。

日銀にとっては早く消費者や市場が日銀の期待に応えほしいところだろうが、経済は値下げトレンド、「市場の見えざる手」でコストを削ったコストダウンだ。

その一方で、FRBなどは「金融政策の枠組み見直し」を検討している。2%物価目標の是非が検証されるのか。

日銀も2020年春までは現在の低い金融政策を維持するというが、19年度は1%、20年度は1.3%の物価でも2%を目標を目指せるのか。


0 件のコメント: