2019年7月2日火曜日

今日の新聞を読んで(271):国際政治は混沌、経済は頻繁な上下動で定まらず


安倍総理が意気込んでいた大阪G20首脳会議も首脳宣言は発表されたが内容には各国の思惑があり不満なものだったようだ。体裁は保たれたがその存在意義は不明確なものになった。

保護主義で四面楚歌の様子だったトランプ大統領は居心地の悪いG20から訪韓し金委員長との会談を企て南北境界線を行ったり来たりの政治ショーを繰り広げ2人の仲を世界にアピールした。

G20が終わり新聞で世界情勢を見ると世界政治は混沌とし、経済は上下動で定まらずと言った状況か。

日本は安倍総理が「安定した政治」と言うが、内容は選挙ごとの野党潰し、自民党内ではポスト安倍潰しで強権政治をやっているようなものだ。アベノミクスの成果も国民は感じてないし、勝てると思ってW選を回避し参院選にもっていこうとした矢先、年金問題、2000万円生活費問題、社会保障制度など予期せぬ問題が明るみになり参院選では大幅議席減が現実になってきた。

得意とする外交もG20では米中首脳会談にお株を奪われ、北方4島返還問題、中国の尖閣諸島領海侵犯問題でも解決の見通しは立っていない。

8月には注目の日米貿易交渉の内容が公表される。トランプ大統領が「期待している成果」というからには日本が譲歩しているのではないか。

アメリカでは来年の大統領選に向け、トランプ大統領が「公約」の実現に向け保護主義で国際政治、経済をかき乱している。温暖化対策での「パリ協定」離脱、2015年のイラン核合意からの離脱、一向に進まない北の「非核化」も停滞していた米朝交渉を再開するために自己演出の政治ショーまでやってのけた。

注目の米中貿易交渉は関税問題ではアメリカが先送りし、中国も改善をにおわすが知的財産、国有企業への補助金、技術移転問題は「構造改革」を伴うもので中国としても譲歩できないだろう。共産主義経済が批判されているのだ。

ドイツのメルケル首相も移民受け入れ問題で主導権を失い引退の羽目になった。自由貿易の推進のために力を発揮する機会は減るだろう。

イギリスのメイ首相も離脱条件整備で失敗で首相の座を降りる。前外相のジョンソンさんが後継と見られているが議会制民主主義のイギリスの混乱を世界はどう見ているのか。

反EU派が勢力を増してきたとみられるEUは欧州委員長が決まらない。第2会派のイメルマンEU副委員長が候補に挙がっているが、最大会派「欧州人民党」のウェイバーさんの名前も上がっているがイタリア、ドイツ、フランスが反対しているという。

イギリスの離脱が暗礁に乗り上げているが、28か国がどう結束を固められるかが今後の課題だ。

中国・習主席も試練に直面している。GDP第2位の中国が覇権の拡大を狙った政策がアメリカと対立し、米中貿易摩擦でトランプ大統領が高関税をかけ中国に譲歩を迫っている。国内では長老グループの批判を受けたり、人権問題、一帯一路構想の見直しが続けば習主席の求心力は落ちる。

ロシアのプーチン大統領もクリミア半島問題で世界の経済制裁を受け、ロシアの経済は停滞、極東開発では海外の資本に頼るしかない状況だ。北方4島問題も返還など考えてはいない。重要なのは経済開発への参加だけだ。そのプーチン大統領が「自由主義は時代遅れ」と言っている。

フランスのマクロン大統領もG20ではいち早く来日に安倍総理との会談で「パリ協定」に言及したがかなえられなかった。国内で起きた富裕層優遇に伴う大規模デモはどうなったか。EU改革の推進派だがどう力量が発揮できるか。

世界を見渡せば先進国と言われている国々は国内問題を抱え、世界政治どころではないのだ。これでは経済の安定など期待できない。

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