2021年3月9日火曜日

今日の新聞を読んで(444):災難に直面し「元に戻すのではなく、前に進める」大事さ

 

3.11の大震災からの復興計画の是非はメデイアで話題になるが、そんな中で朝日新聞(2021.3.9)の政治経済史が専門の経済学者猪木武徳先生へのインタビュー記事「歴史の流れ 変わったか」の記事が目に付いた。 

内容は文明史の観点から東日本大震災から10年、この大震災が社会、経済、歴史に何をもたらしたか、5回にわたって考えるその第1回だ。 

しかし、私の頭の中にはインタビュー記事のなかの「元に戻すのではなく、前に進める」言葉が独り歩きする。何事においても重要なのだ。 

特に今回は3.11の大震災後の復興の姿は経済、社会に大きな影響を与えていると思う。過疎化に向かう被災地での復興計画は海岸線に巨大な防潮堤の建設、高台への生活圏の移転、目を見張るインフラの整備が目に映る。 

政府は「被災者へ寄り添う」と巨額な復興予算の元で新しい街づくりを提案したのだが、地域住民の不満は残るし、何しろ人が戻ってこない。大震災が過疎化を後押したのだ。折角の新しい住宅地も空き地が目立つ。 

しかし記事の中で被災地の市の職員が「復興とは私たちには自立だ」という。お国にすべて依存するのではなく、自分たちの手で生活の場を取り戻すのだと。 

これは重要なことだ。寧ろ大災害が発生したときの復興を考えてあらかじめ地域の復興計画を立てておくことも大事ではないか。そうすれば無駄な巨額の復興資金を使い、不満な街づくりをしなくて住むのだ。 

でも、悪いこともある。災害は「人と人との反目(対立)、バラバラになる(分断)という。貧富の格差、計画への賛成、反対が付きまとうのだ。だからこそ一大事の前に検討しておくべきなのだ。 

先生は「世界は不確実に満ちている。その上に立って元の状態を善しとするのではなく、改めて自分の生活を問い直す機会にしたい」と訴える。 

賛成だ。私も東京に住んでいる。何時、直下型地震が発生するか分からない。しばらくは大丈夫だろうと「安心バイアス」で生活しているが、突如大地震に襲われ住む家も潰れるとどう判断できるだろうか。今から家族で考えておくべきだろう。 

しかし、今は新型コロナウィルスとの戦いだ。自分や家族で感染者が出たときにどう行動するか。相談する電話番号、かかりつけ医、保健所との連絡、自宅療養の場合、隔離施設の場合、入院の場合など選択を迫られたらどうするか。自宅療養の場合の家族との隔離、ある程度は新聞報道で知っているが、実際に自分がそういう目にあった時、冷静な判断ができるか。家族を見渡しても「気の緩み」が目立ってきた。 

高校生の孫が沖縄に修学旅行する予定があった。私は「7日の宣言延期があったら中止ではないか」と言うと親は「折角の機会だから行かしてやりたい」という。海外に行っていたのでまともな修学旅行を経験していなかったのだ。 

計画からすると今、準備をしている頃だが「中止の連絡が来た」と言う。 

中学生の孫は卒業式と高校への入学式だ。保護者の参加数を減らしての実施らしい。ポストコロナに向けての新しい生活様式の構築が必要だが、「人の移動」「人と人との接触」を制限した生活様式が新しい生活様式になるのか。それこそ「分断」の悪い例だ。 

しかし、何時までもこんな生活ではない。ワクチン接種が進めば「季節型インフルエンザ」になるのだ。後、長くて2年、辛抱だ。 

大事なことは政治の分野でもいえる。 

思い出してみよう。民主党政権時代の野田総理を。大事な政治改革が先送りする中で、「前へ進める政治」を標榜していたが、当時の民主党政権は国民の支持を失っていた。「何時解散、総選挙か」が政局になっていたのだ。 

当時の野田総理は野党総裁である安倍さんとの党首討論で、安倍さんが「何時解散 総選挙か」との問いに野田総理は「政治改革を進めてくれるのであれば明後日解散します」と答えたのだ。 

安倍さんが「進めます、解散ですね」と答えたかどうかは忘れたが、野田総理は解散した。そして選挙では「政治を前へ進めるか、後戻りするか」の選択を国民に問うたのだ。野田さんは当時民主党が勝てると思っていたふしがあるが、惨敗に終わった。民主党政権のゴタゴタに国民は閉口していたのだ。 

政権に返り咲いた安倍政権はどうだったか。当初は円安、株高で経済も順調に見えたが、一強独裁政権の姿になり民主政治の根幹を揺るがす事態になった。国会予算委員会で質問に立った野田さんは安倍総理に「約束を守っていない」と詰め寄った。安倍さんがどう答えたかは記憶に残っていない。 

民主党政権であったら「先に進む政治」を続けていたかどうかは分からないが、自民党政権では「後戻りする政治」という結果になった。 

今、自民党の支持率は30~40%台に比べ、立憲民主党の支持率は6%程度だ。 

政治の世界でも「元に戻すのではなく、前に進める」ことが重要なのだ。

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2021.3.1掲載

3.11から得た教訓:災害対sカウrと復興に必要なこと yamotojapan.blogspot.com/2021/03/blog-post.html


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