2022年10月22日土曜日

日本経済の是非:32年ぶりの円高150円台、31年ぶりの物価上昇率3%

 

メデイアは、円150円台へ、32年ぶり、物価上昇率3%は31年ぶりと見出しをつけるが、本当に日本経済はどうなんだ。「失われた30年」と言うからには悪いんだが、その時その時で経済指標の好転によっては評価もされた。 

30年前の頃の日本経済はどうだったのか。 

30年前と言うと1990年代、その頃私も現役だったが「日本式経営」が姿を消していった。GDP4000兆円、円も150円だ。

アメリカ式の経営が尊ばれた。アメリカで経営学を学んだ人材が尊ばれた。人件費を削減するために正規従業員から非正規従業員へ、派遣業が勢いを増してきた。人件費はコストと見られ首切りも流行った。 

竹中平蔵氏らが旗振りをしたが、その後パソナの会長を兼務し田が、最近突然会長を辞職した。何かあったのかと思っていたら旧統一教会との関与が疑われたのだ。

間接部門は人を削減し、製造部門も外注化が進んだ。社員教育もおろそかになり人材開発が遅れる結果になった。 

M&Aも盛んで、企業は余剰資金を海外でM&Aにつぎ込んだ。製造業の構造改革も遅れる。 

外需に頼る日本に対して海外から内需主導の経済に切り替えろと要求され、中曽根政権で前川レポート、福田政権で21世紀版前川レポートを発表したが失敗した。 

人件費の高騰を防ぐために55歳でラインから降ろされ、60歳まで給料は増えず、定年を迎える。優秀な人材は再雇用となった。 

当時私が感じたことは「よき日本式経営はどうしたのか」ということだった。 

確かに1989年には株価も史上最高で38915円台だったが、1990年に入りバブルは崩壊した。

住専問題、不良債権問題、超円高、阪神淡路大震災、アジア通貨危機と問題は多発、銀行や金融機関の不祥事は大きな経済危機となった。儲けられるときにプライドを捨てた運営は銀行倒産の危機にいたったが、「銀行は潰さない」という政府方針は銀行の経営を生ぬるいものにした。

2000年に入って郵政民営化では米国の強い要求にこたえる結果だ。以前からくすぶっていた年金問題は余りにもひどい運営状況で国民の社会保障への信頼を落とす結果になった。社会保障制度を維持することに時の政権は四苦八苦している。 

完全雇用下での大幅なPBの赤字、各政権がPBの黒字化を目指す。25年の黒字化も岸田政権は機嫌の表示をやめた。企業の貯蓄超過も進む。儲けを投資や賃上げに回さず、貯蓄へ。借り入れで投資する姿勢はなくなった。 

その要因には、個人消費が伸びず日本経済の成長期待が見込めないのだ。 

賃金は伸びず、少子高齢化、労働人口の縮小で日本経済をどう展開するのか。 

グローバリゼーションも見直しの時期だ。「よき日本式経営」の復活で経済再興が出来ないか。GDPは世界3位だが、近いうちにドイツに抜かれて4位?、経済指標は新興国並み、先進国から脱落だ。

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