つい先日といっても数か月前か、米国が国際紛争に巻き込まれそうになると「安全資産」と言われ、買われていた円が、今150円まで下落すると、「弱い円」と言われだした。円安が進みドル換算すると利益が目減りしているい言う。
テレビの情報番組を見ていると、外国人労働者の日本離れが進もうとしている。さらに海外投資家も日本株売りが優勢になってきた。
ここ20年間の実効為替レートも人民元、ドルは上昇しているが、日本円は46%下落、あのアルゼンチンよりも大きい下落だという。
その大きな要因は今、金利差が言われる。各国は金融引き締めで利上げだが、日本は未だ低金利政策だ。黒田総裁は物価上昇率2%を安定的に維持できるまで継続するというが、2.8%、3.0%と上昇している。
日本は金利を引き上げない限り円安は続くか。各国の利上げによる金利差で今後も円安傾向が続くが、決して「一時」の状況ではないのではないか。コロナ禍、ウクライナ侵攻による原材料、エネルギーの高騰は国民生活に影響する。
急速な円安傾向に鈴木財務相は為替介入も含めて市場に警告を発するが、日本離れの傾向がみられる市場への警告もそう簡単に効くものではない。
長い間デフレに悩まされ、円高、株安の日本が打って出た手が円安誘導だった。市場にカネをばらまけば円安になるというアベノミクスだった。株価は上がったが、賃上げはできず、消費も伸びず好循環の物価上昇は望めなかった。
新聞では、モノづくり中心の日本の産業構造から抜け出せなかったといわれている。欧米ではグーグルやアマゾンのような巨大IT企業が生まれ世界を股にかけて儲けまくっているが、日本はあらゆる産業に競争力を落としたという。
しかし、グーグルやアマゾンだってものを販売して設けているのであって、モノ作りがなければどんなサービスがあるのか。
円安と日本での賃金は伸びず、中国でも日本での製造を目指す企業が増えているというし、海外から日本回帰も始まっているという。少子高齢化で労働人口も減ってくるし、いい技術を持っている中小企業も後継者不足で廃業になっている例もあるらしい。
輸出に頼っていれば円安も問題になるし、海外から批判も出てくるが、今後は内需拡大が重要になるのではないか。
「安全資産」の円は、内需に立脚した日本経済の構造であってほしいと思うが。
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