寺田寅彦博士は災害時に「正当に怖がることの難しさ」を随筆で説いたが、「正当に怖がること」が難しくなってきた。初動ミスで感染が拡大中のダイヤモンド・プリンセス、中国・武漢は間違いなくパンデミック状態だ。日ごとに、検査が増えるごとに感染者が増えている。
確かに専門家は「それほどでもないインフルエンザ」というが、狭い環境で対応を誤れば感染者数は増える。インフルエンザでも同じだ。
武漢では眼科医が早い時期に新型肺炎を警告していたが政府は否定し隠ぺいに走った。増える感染者数に判断を誤ったと習政権は関係者を処分したが、自らの責任は不問のようだ。
ダイヤモンドプリンセスも感染者が出たと言いながら、イベントは続行、大食堂での飲食は接触感染、飛沫感染を助長させた。こういう事態の対応は次にどうなるかの危険予知能力がなければ対応も難しいし、何しろ対象者が多すぎる。関係者の対応が遅れたのもそこに原因があるのでは。
それにしても感染者が増えている。
中国では感染者40171人、死者1011人、死亡率も大きい。日本ではダイヤモンドプリンセスで感染者135人(3700人中)で政府は全員検査の方針転換を発表した。恐らく検査数が増えれば感染者数は増えるはずだ。日本全体では感染者数161人に。
28か国で感染死亡率は0~1%、中国は1000人を超えた。武漢は死亡率4%と高い。
ダイヤモンドプリンセスも武漢も医療環境が悪く、免疫力も落ちているので今後も感染者数がふえるのも当然だ。定年後クルージングを楽しみにしている人も多いと思うが、今回の事案でクルージング船の生活環境が分かってきた。
今回の新型コロナウィルスであたらしい所見が発表された。上海市民政局が「エアロゾル感染」の可能性があるという。飛沫感染、接触感染に加えてエアロゾル感染は遠距離飛散の可能性があり危惧されている。
メデイアの報道によると武漢にはSARSやエボラの病原体を管理するバイオセイフティー施設があるそうだがそこから新しいウィルスが洩れたのではないかと疑われている。中国と言う情報の少ない国でこういう施設を設けることは危険だ。
「正当に怖がる」必要はないが、今回の新型コロナウィルスの肺炎は「正当に怖がる」必要がある。
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