2020年2月12日水曜日

水没する東京?:巨大地震と同等の被害を及ぼす水害を見直そう

中央区洪水ハザードマップ 隅田川、神田川 日本橋川版
大雨の規模は平成12年9月の東海豪雨 総雨量589mmを想定
水深は0.2~0.5、0.5~1、1~2、2~5mを色分け
2mまでは一階、5mで2階に相当する
東京都HPより

最近の異常気象、豪雨被害を見ると水害から住民を守る街づくりの大切さが分かる。豪雨、河川氾濫、地震、津波など巨大災害のリスクが高まっている。ハード面での対策も重要だが、自ら住んでいる地域のハザードマップにも眼を通し周辺地域の状況も考慮したソフト面で各自が自らの命を守る対応も重要になる。

その時、重要なのは「種種の偏見」だと河田京大名誉教授は言う。自分のところは大丈夫だという「正常バイアス」で災害の悪い情報を無視しようとすることらしい。

これは言えることだ。

局所豪雨で河川が氾濫する危険があるのに自分の田んぼを見に行き水路に巻き込まれる。津波の危険があるのに海岸に出て海水面を確認し予想外の津波に吸い込まれる。一方で、「津波警報が出たら一目散に高台へ」と教え込まれた年老いた女性がひたすら高台を目指し登っていく姿を3.11東北地方太平洋沖地震のテレビ映像で見た。

更に、東北地方太平洋沖地震での復興を見ると、高台を開発し住宅地の造成、商店街の開発をやっているが、如何にせん被災地は従来から言われている過疎化地域だ。復興計画は進むが、肝心の人が戻ってこない。

一方で海岸寄りの低地での復興はどうなのか。寺田寅彦博士も随筆で指摘していたようにそのうちに負った痛みを忘れ被災跡地を復興し、数百年後に再度痛い目にあう。その繰り返しではないかというのだ。

丁度今、読売新聞(2020.2.12)社説「水害と街づくり」と中央公論新書大賞(2020年3月)の「荒川氾濫で水没する東京」(河田京大名誉教授)の記事が目に付いた。

読売新聞・社説は、街づくりは安全第一で考えよう。ハザードマップでのレッドゾーン、イエローゾーンでの街づくり、便利さを追求することは大事だがやはり住民の安全が第一、ハザードマップで浸水想定区域が示されている。周知徹底が必要ではないかと説く。
一方、河田先生も「犠牲者数6000人、被害総額150兆円」国難級の大水害は一読の価値がある。直下地震、南海トラフなど巨大地震の被害が優先されているように見えるが先生は隅田川、荒川などの浸水被害を想定、犠牲者数6000人、経済損失150兆円はまさに首都直下地震の被害に匹敵する国難だというのだ。

「安心安全な社会」とは災害のことを常に忘れず、結果的に被災しない社会といい、災害文化に置き去りにされず、身近のハザードマップに注目しようというのだ。

同感だ。我々としては自治体が作成し公開しているハザードマップしか情報はない。外水氾濫、内水氾濫の記述は無いようだが今ある情報では一番信頼できるか。

今、都会における浸水は外水氾濫と内部氾濫で街の下水の処理能力を超えることが多い(最近では台風19号での武蔵小杉の例)。

豪雨の要因は大気中の水蒸気の量が増えていることにある。増えると雲になり、雨になる。之に前線の配置で線状降雨帯ができるとまれに見る豪雨となる。

ところが現在の河川対策は下流側の改修が優先し、上流は先送りになっているが、台風19号の事例では140箇所が破堤したが、その多くは上流側だったというのだ。

河川改修、街づくりにはいろいろ問題があるようだ。

水害が甚大化する理由として(1)雨の降り方が異常、(2)水害危険度の高い地域に多くの人が住んでいる、(3)水害対策が後手になっているという。

(1)は地球温暖化、(3)は政治の問題。だとすると(2)で一人ひとりが工夫しソフト面で対応するしかないのだ。

これから夏に向け、又水害の繰り返しになる。取りあえず、自治体が公表しているハザードマップを開いてみないか。


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