2020年2月20日木曜日

ダイヤモンドプリンセス号からの下船の根拠:疫学的調査結果か、政治的判断か


やっと日本における新型コロナウィルスの主たる発生源であるダイヤモンドプリンセス号からの陰性乗客の下船が始まった。今日(20日)は500人を予定しているという。

その一方でダイヤモンドプリンセス号の2人の感染者で入院していた男女が死亡したという。「何故だ」と思ったが2月5日からは完全に隔離していたのでそれ以前に感染した2人だという。5日以降は隔離し14日間の隔離期間後の検査でも陰性だったので乗客を下船させるというのだ。

5日から監視期間の14日後と言うと19日になる。

TBSテレビの情報番組で、下船者に2種類の書類が渡されたという。一枚目は14日の監視期間後の検査で陰性だった証明になる「下船許可書」、2枚目はどういうわけか下船後の注意事項となる「不要不急以外は外出しない」と言う内容らしい。

どういうことか。下船して通常の生活をしてもいいが、「一応注意よ」とでもいうのか。

だとすると疫学的調査結果で下船OKと言うよりも政治的判断でOKと言うことか。そういえば新聞報道で2月5日の未明に菅官房長官、加藤厚労相と国土交通相が3者会談して決めたようだ。だとすると政治的判断が大きい。19日と言う日が「下船は今でしかない」ということか。

検査結果が陰性で下船した人から症状が出て、検査した結果陽性となった人が出たらどうするのか。そうでなくとも安倍政権の対応が後手後手と批判されていることから考えて、安倍政権の存続を脅かす結果になる。

今回の下船の許可根拠は、1~3便で武漢からの帰国者540人の健康監視期間で陰性だったこと、2月5日以降チャーター便で帰国したひとと同様の感染防止対策を取っていた。感染者はそれ以前に感染したのだという。

これに関しては情報番組に出演していたコメンテーターからも疑問が出されていた。

また、神戸大の教授が船内を見た結果、安全地域と危険地域は分離されていたようだが多くの問題点があり隔離も不完全だったと公表したが、いつの間にかその映像が消えた。反対に政府側の感染研究所所長の「隔離は完全だった」という発言が強調されていた。

こういう場合は、政府側の発言より反対者の発言の方が正しい場合が過去には多い。特に緊急事態への対応はどの政権でも苦手なのだ。早く終息させようと安直な対応を取りやすいのだ。 


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