トランプ大統領の「アメリカ第一」、同盟国への「防衛費負担の増額」要求でフランス、ドイツでNATOを巡りみぞが深まっている。ミュンヘン安全保障会議でポンぺオ国務長官が「中国やロシアの脅威に結束を」と言うが英、仏、独は応じない。
新聞報道によると、欧州は中国とはデジタル戦略で遅れを取っているし、ロシアは欧州にとっては隣人なのだ。「アメリカ第一」のトランプ外交とは立場が違うのだ。
NATOの軍事費を加盟国に負担増を要求している。「アメリカが守ってやっているのだ」と言う考えらしい。24年度までに対GDP比2%負担を約束しているが29か国中で目標を達成したのはアメリカ、ギリシャ、エストニア、ラトビアの5か国だけらしい。
ドイツは1.4%、フランス1.8%、スペイン0.9%、イタリア1.2%どまりらしい。だからアメリカは約束を守れという。
財政赤字、貿易赤字を解消するために大統領選に向けトランプ大統領も成果を求めて必死なのだがなかなか進まない。
フランス・マクロン大統領は「より強い欧州の独自の防衛力構想」を打ち出しトランプ大統領の怒りを買った。NATO軍のほかに独自の防衛力を構築するというのだ。
ドイツも国際社会としての概念をトランプ大統領は拒絶、ロシア、中国とともに国際情勢を不安定化させているとアメリカを批判する。
トランプ・アメリカが「アメリカ第一外交」を続ける限り先進国をはじめ同盟国の協調を崩し、そこへ中国、ロシアがくさびを打ち込み中国が拡張路線を展開し、米国の「陸海空の優位」を脅かしている。
韓国、日本も例外ではない。アメリカは日本に80億ドルの防衛費の増額を要求しているという。今まで2000億円の思いやり予算で対応してきたが、それが9000億円になるらしい。
アメリカは一方的に「日本を守っている」と言う考えらしいが、大間違いだ。むしろアメリカの世界戦略のために日本は基地を提供し思いやり予算まで認めたのだ。沖縄の海兵隊などは米軍の海兵隊組織を維持するためには沖縄に駐留することが一番コストのかからないシステムであることは米国でも認めていること。
米国はGDP2400兆円とすると、今防衛費は6846億ドル、約75兆3000億円になる。対GDP比で防衛費は3.1%だがドイツ1.4%、フランス1.8%と目標の2%に未達なのだ。
また、アメリカの財政も厳しいようだ。2020年の財政赤字は111兆円対GDP比4.6%、2030年のは5.4%になるとみられ、オバマ政権時の2.4%をはるかに超えている。欧米で財政赤字を対GDP比3%以内に抑制する目標維持が無理なのだ。
日本だって財政赤字を対GDP比3%とすると赤字国債は18兆円に抑えなければならないが難しい状況だ。
トランプ大統領は大統領選に向け貿易赤字、財政赤字、軍事費の削減なで成果を上げようとしているが、難しい。
オバマ政権時に「世界の警察官をやめた」と言うが、アメリカの覇権を守るには軍事費の削減は難しい。中国、ロシアに付け込まれないようにするには同盟国の絆を大切にする必要があるがトランプ大統領にわかっているのか。
同盟国は今、次の大統領選待ちと言うことか。
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