2020年2月25日火曜日

新型コロナウィルスの脅威:毎日のテレビ、新聞ニュースが不安を掻き立てないか


寺田寅彦博士の随筆に毎日の不安の原因は新聞やテレビのニュースにあるのではないか。だから毎日のニュースをやめて隔週、月刊にしたら不安は少なくなるのではないだろうかと「一つの試行実験」に書いていたように思う。

確かにそうだ。ニュースソースは何も専門の記者でなくても著名政治家のツイッターでも知ることができるし、テレビのニュースは「今、入りましたニュースです・・」と瞬時にお茶の間に伝わる。悪いニュースは瞬時に世界を駆け抜けるのだ。

そして今の最大のニュースは中国発の新型コロナウィルス肺炎だろう。新聞、テレビの情報番組はいずれもトップニュースだ。感染者数、死亡者数、誰がどこで感染したというニュースが主だが、最近は感染経路がわからない市中感染、学校など感染が広がれば大きな問題になる場所での感染が始まった。

中国は当初、情報の隠ぺいを企んで習政権の初動ミスが批判されているが、今習主席は「国の危機」、「公共衛生事件」などと言いだし、「完全に抑え込むまでは軽々しく成功を口にするな」と言いだした。

情報隠ぺいを企んでいた中国の研究者も感染拡大は「感染力」に「人災」と言いだし、12月8日、1月6日の拡散拡大は初動ミスと言いだした。

2月25日現在、日本の感染者は13人増の146人、死者1人、チャーター機帰国者の感染は14人、クルーズ船は692人で死者は4人と言う。

私達の当座の心配事は今後拡大が続くのか、縮小に向かうのかだ。

ところが一度感染し「陰性」になっても再感染のリスクがあると言い出した。中国では湖北省で72件発生している。何やら突然変異を起こしているようだ。

WHOもだらしない。世界的流行の状況ではないので、「バンでミック」とは言えないという。それでも「各国は拡大防止に努めよ」と言う。今韓国では増加しているが註後では感染者が減っているとみているらしい。当初から事務局長と習主席が情報の隠ぺい、バンでミック宣言の先送りを企んだ動きがあると批判されている。

その一方で、14日間の健康監視期間が過ぎ陰性であれば大丈夫と言う指針を出したために、ダイヤモンドプリンセス号での隔離作業、下船はこの基準に照らしているが下船者の中から「陽性」が出ているし、チャーター機で帰国した国は更に14日間の隔離を行っているが、「陽性」者が出ているようだ。

それでもパンデミック宣言を先送りしているのは、習主席が一番嫌がっている、各国の中国への渡航、中国からの入国制限、貿易、観光に支障が出てくるからだ。

それでも今までに入国制限している国は130か国になるらしい。

スポーツ、外交でイベントの中止が発表されている。中国では全人代が延期になった。習主席の国賓としての訪日も怪しくなって来たが両国ともに「粛々と準備する」という。日本政府は中国からの判断待ちらしい。

こんな時に習主席を招いて何の期待ができるのか。尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵犯は続いている。

G20財務相中央銀行総会では中国は欠席したそうだ。出席しても新型コロナウィルスの拡散防止や中国国内のみならず世界経済への影響など説明できるはずがない。

それでもIMFは中国の経済成長率を5.6%と6%を切った見方をしているし世界経済も3.2%にダウンした。

各国は政策を総動員するというが、量的緩和、マイナし金利と金融政策は手詰まり状態だ。日銀はいつも「下降局面では躊躇なく追加緩和」と言うがいつもの口癖だ。

今後の医療体制でも問題があるらしい。中国の発表では80%は軽症と言うので、日本でも軽症者は自宅で療養しろと言う。季節性インフルエンザと同じだ。新しい方向では検査に保険を適用するらしい。

それにしても日本では感染者が増え、感染経路をたどれる例もあるがたどれない市中感染が目立ってきたようだ。個人情報保護の面から公表できない場合もあるらしいが、発生源が個人の点から学校や介護施設など多数が感染する面になって来た。こうなると大変なことになる。各自に任せていてはまずい。対応基準を作成すべきだ。

ついにやってきたかの感じだ。中国人観光客の激減で老舗旅館が倒産した。いかに日本の企業が中国人の観光客による買い物に頼っているかが今後のわかってくるだろう。

「脱中国」を考えるいいチャンスかもしれない。中国は自分たちが儲かればいいという考えなのだ。習主席の一帯一路構想など見てもそれが言える。

こんなニュースが毎日飛び交っていれば安心感など出てこない。テレビを見たり、新聞を読まない日をつくってもどうなることか。職場や人の集まるところに行けば誰かが話題にする。気が付いたら自分の近くで新型コロナウィルス感染者が出て感染経路が不明と言うことになりかねない。

飛び交うニュースの中で「正しく怖がる」ことが大事だ。これも寺田寅彦博士が随筆で言っていることだ。

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