2022年11月11日金曜日

米国の民主主義って何なんだ:トランプ氏の存在が歪めているのか

朝日新聞 2022.11.11

いつも米国の選挙になると、投票が問題になる。集計に時間がかかる郵送法による投票があるらしい。先の大統領選で敗北したトランプ氏が不正があったと指摘し続けている。それが議会襲撃事件まで発展したのだ。 

全く民主主義政治の根幹を揺るがす事態であり、「何故アメリカが」と疑う。 

今回の中間選挙もトランプ氏の存在が共和党を躍進させるのではないかとメデイアも見ていたが、下院では共和が優勢として全体には民主、共和の拮抗する結果になりそうだ。

争点はインフレ、人工中絶、相変わらずラストベルトの復興、国を二分した状況をどう修正するのかだろう。 

民主党バイデン大統領の高齢で覇気に掛ける姿に対してトランプ氏の行動的仕草、「偉大なアメリカを再び」のキャッチフレーズは人気の基なのだろう。 

外交でもウクライナ侵攻に対する米国の姿勢が共和党になると変わってくるのではないか。バイデン大統領は民主主義vs一強独裁政権での民主主義を守ると言っているがロシア、中国、北に対する対応がどうだったのか。 

世界は今、「強く、安定した政権」を望んでいる。 

ウクライナに侵攻したロシアだが、プーチン大統領は国内でまだ人気がある(?)。プーチン体制は瓦解するという見方もあるが瓦解はしないだろうという見方もある。ソ連邦崩壊を経験し、不安定な政権が続いた経験からロシア国民は「安定な政権」を望んでいるのだ。 

日本の安倍政権だってそうだ。3~4年ごとの代わる政権では何も期待できない。世界からも評価されないという意見が強かった。そこで自民党は安倍長期政権を樹立したが、安倍元総理も民主政治の根幹を揺るがす政治手法を多用した。 

トランプ前大統領も自ら協力はネゴシエーターを自負し従来の多国間協議から二国間協議で米国の立場を有利に導く対応に出たが、自らの存在を強調するだけだった。国内ではラストベルト対策を訴え失業者、寂れた産業都市の復活を狙った。 

しかし選挙に負けると選挙制度の不備を突き大統領選でも敗北を認めない。民主政治の根幹を揺るがす結果になっている。強いアメリカを狙う政治家だったら2期目もトランプさんだっただろうが、国民は続投を嫌った。 

トランプ氏が次の大統領選に出馬するかどうかが世界の注目を浴びているが、今回の選挙でもトランプ氏の存在が共和党躍進の障害になったという見方が多い。 

民主党はバイデン大統領が高齢で、次期大統領選は無理なのではないか。ハリス副大統領が女性初の大統領として出てくるチャンスだが、何故か政権内で人気がないようだ。  

民主党は誰が継ぐか、共和党はトランプ氏ではなく、新聞報道ではフロリダ州知事のデサンテイス氏が期待されているようだ。トランプ氏とは最近対立関係にあるという。

トランプ人気で米国の民主主義が揺らいでは、世界の警察官(?)としての米国の立場が崩れる。

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2022.10.31掲載

安倍、トランプに見る揺らぐ日米民主政治:波乱含みの政局に yamotojapan.blogspot.com/2022/10/blog-post_31.html

 

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