2022年11月18日金曜日

大規模修繕工事で考えた:外壁タイル浮き、剥離、落下による第3者への危害の有無判断

ベランダ内のタイルの下地調査 指摘箇所が多い
打診すると音は違うがタイルはしいっかりくっついている
トカラを入れてたたくが浮いたり剥離することはない。
修繕の必要はないと指摘。マンション完成時の不具合で検収不足
ではないのか
2022.10.1私の区分で

マンションの大規模修繕工事で一番重要なのは外壁タイルの下地、「浮き」「剥離」そして「脱落」し「第3者への危害」を及ぼす可能性があるかどうかの判断だ。危険があった修理するとなると大きな工事費がかかるが、「問題な今のところなし」と判断して先送りすると工事費は安く済む。そこが重要な判断の分かれ目だ。

工事業者は工事をして金儲けしたいだろうが、管理組合としては工事費を節約できるかどうかだ。管理組合に負担を掛けさせたくないと考える良心的業者は先送りするだろう。

私の住んでいるマンションは築13年、65の区分所有者で一部7階建て、平均的な規模だ。

それが、13年目に大規模修繕工事をやることになった。大規模修繕工事の平均間隔は15年だから延ばしてもいいのではないかと指摘したが、管理会社は実績を出したいために急ぐらしい。

契約は管理組合と工事会社の契約だから、管理組合でしっかりした管理体制を構築して進めたらどうかとも提案したが「なし」のつぶてだった。理事会は管理会社に頼った方が楽と考えたのだろう。

仕方ないので、区分所有者の1人の権利としての自分で工期、工事経過、正式ではないが検収をやることにして工事会社とコミュニケーションを保っている。

そんな時、外壁のタイルの下地調査、浮き、剥離、落下した時の第3者に危害を及ぼすかどうかの判断が重要になることがわかった。

工事会社がベランダ内の下地調査の結果が出たが、余りにも箇所が多く、タイルを叩いてみても浮いたり剥離などせずしっかりくっついている。しかも万一落ちたとしてもベランダ内のことで第3者に危害を加える心配は全くなさそうだったので工事会社に「修繕をやる必要はない」と指摘した。工事会社は「住民に危害が加わる」という。

判断基準があいまいだったので、赤外線調査をしたらどうかと提案した。音だけでほかの異常は認められないので判断に困る。

その後、マンション外周部のタイルの下地調査も終わったので再度確認した。

ベランダ内に比べ、外周部は異常個所が少ない。工事会社も「珍しくよくできている」と評価した。

下地調査も赤外線調査でなく、引っ張り試験を現場でやってみた。

正常なタイルと異常なタイルの引っ張り試験
能力は正常値の半分ほどだったが、こんなに力を入れて
はがすような事態は通常では起きない
工事会社の現場所長、工事責任者の立ち合いで実施した
2022.11.1

その結果、測定値は正常なタイルで0.55N/mm2、異常なタイルで0.21N/mm2で半分の能力しかなかった。正常値が0.4N/mm2と言うことで確かに低い値だが、こんな力をかけて引っ張るような事態は地震などの災害以外は考えられない。

「修繕の必要はないのではないか」と言うと「保証の問題もある」ので修理したいという。

もし修理してチェックしても異常がなくならなかったらどうなるのかと聞くと、再修繕するという。

タイル下地調査のマニュアルはタイル協会からも詳しく出ているが、実際に現場では徹底されていないようだ。

マンションの修繕には費用が掛かる。ブダな工事は控えるべきだ。





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