金利差が円安、物価高になっている今の日本経済でも日銀は金融緩和策を継続と言う。物価の安定が日銀の主要な制sカウと思うが、国民が円安、物価高で生活苦を訴えているのに日銀は何を考えているのか。
国民の日銀に対するする不満が高じている状況が東京新聞(2022.11.4)の広報記録への情報公開請求報道で分かった。6月の黒田総裁の「賃上げ容認」発言で日銀への不満が一気に730件と増加したのだ。通常は40~100件程度だからその高さがわかる。
この国民容認論はその後、批判が続出し栗生田総裁は謝罪撤回したが、日銀内では議論されていることだという。
黒田総裁がよく言っていることに「国民の経済を支援するのは政府の財政政策で、日銀は、マクロ政策で回復途上にある日本経済を支える政策をとる」と言うのだ。日銀の政策が時間稼ぎで財政政策に期待するというのだ。
安倍政権発足、黒田総裁登場時は異次元の金融政策で「物価上昇率2%を2年で達成」と言うものだった。しかし8年過ぎても2%は達成できなかったが、今ロシアのウクライナ侵攻、インフレに直面した欧米が量的緩和縮小から「利上げ」に踏み切ったために円安、物価高の局面になった。
物価上昇2.8%は、上記の条件が大きく影響しているが、賃上げを伴わず日銀は一時の傾向と見る。安定的に2%の達成が必要なのだ。その安定的とは2~3年の期間らしい。
黒田総裁が「物価上昇は今年度で頭打ちになり来年度以降は下落する」と発言したが、先の見通しを持ってのことか。自らの任期があと半年なのだ。「無責任な発言」と批判も出ていたが、米国の利上げも落ち着き、ロシアのウクライナ侵攻もある程度の状況がわかれば市場も落ち着くとみているのか。
東京新聞(2022.11.6)「こちら特報部」で元日銀理事が、安定的に2%とは、2~3年の期間だという。まだ達成できていないので政策は変えないというのだ。しかし、もともと、現実的は目標ではないのでこの先も達成は難しいだろうというのだ。
確かに当初は専門家の間でも難しいとみていた。2%を達成できた時期は遙かに昔なのだ。
2%を達成しようと思えばさらに高い目標を掲げる必要があると言われていたのだ。元理事も無理筋な2%目標だったというのだ。
思い出そう。安倍政権発足時の日銀総裁は白川さんだった。
白川さんは「緩慢な緩和策を取り、まず1%を達成し、そのあとでさらに高い目標を目指す」と言っていたはずだが、デフレ、円高、株安からの脱却を目指しアベノミクスを導入、高い目標を掲げて黒田さんに首を挿げ替えた。
日銀法では日銀の独立性を謳っているが、政府は金融政策実行のために政策委員にリフレ派を送り込み、任期途中で白川さんは辞任した。今、9人の政策委員がいるが、政府方針の量的緩和策推進のために活発な議論は少なくなったらしい。
それでも金融緩和の副作用には注意しているらしい。資産運用、為替変動には気を使っているために緩和縮小、「利上げ」への道が開きにくいのか。円安、ゼロ金利政策が気御油の構造改革を遅らせ、賃上げが思うように進まない結果をもたらしているとも思えるのだ。
しかし、変化へのチャンスはある。栗田総裁の任期が迫っているのだ。公認人事で岸田総理がどういう対応するか。誰が鳴ってもいばらの道だ。しかし、出口戦略は必要なのだ。「いつだ」、林修流に言うと「今でしょ」と言うことになるのだが。
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