2022年11月15日火曜日

小さな記事の大きな問題(82):一時の円高? 黒田曰く「大変結構なこと」と他人事

 円安、物価高で国民生活は苦しんでいるときでも、「欧州と日本は実情が違う」と言い「景気を支えるために量的緩和継続」しか対策を示せない日銀黒田総裁だが、今の138円台の円高を「大変結構なこと」と記者会見で発言したそうだ。

行き過ぎる円安、物価高に政府は数度の為替介入を実施、140円台に為替を維持していたが、米国の消費者物価指数が市場予想を下回り、利上げペースが下回る状況になって138円まで円高になった。

黒田日銀は円安、物価高にこれと言った政策は打ち出せず、一番変化のない量的緩和の継続一辺倒だった。だから今、米国の事情で円高になってもコメントは他人ごとのようだ。

しかし、最近の元日銀理事たちの新聞紙上での発言を見ると、アベニミクスは間違いだった。物価上昇2%は不可能な目標だった。目標見直しができなかった理由に安倍長期政権があり、アベニミクスの見直しは安倍さんの存在が影響していたなど批判内容が目立った。

日銀の政策決定会合でも活発な議論は控えたようだ。政策委員にリフレ派が多く、YESMANだけの会合になったらしい。確かに政策委員が地方に出て講演するにもリフレ派が多く、量的緩和継続ないしは強化の発言が多かった。

今、円高傾向は何か金利差を縮小するような事態が市場では認められているからではないか。この傾向が続くか、またインフレが進み利上げのスピードを米国が上げていくか。

日銀にとっての変化は政策委員にリフレ派に代わる経済人が送り込まれていること、そして黒田さんの任期が迫っていることだ。市場はそういった動きも考慮し、量的緩和縮小をすでに考慮しているのではないか。

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2022.10.18掲載

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