2020年6月21日日曜日

今日の新聞を読んで(367):なんだって「緊急事態宣言、休業要請も効果がなかった」と

読売新聞 2020.6.21

阪大・中野教授のK値の推移が新型コロナウィルス感染のピークと収束を予測する上で効果があることを以前、テレビの情報番組で見たことがあるが、11日に大阪であった対策本部専門家会議で今回の新型コロナウィルス感染拡大対策として採られた緊急事態宣言、営業の自粛も効果が無かったという。

18日で県境跨いだ移動の自粛も解除、此れで新型コロナウィルス対策はすべて解除になったが、週末の人出を見るとコロナ以前とはいかないが第2波の感染拡大が危惧されていることが良く分かる。

テレビニュースで人出を見る限り必ず第2波が来る。特に経済再開を目指している地域、国では再感染だ。アメリカでは高速道沿い、ビーチ沿いで人の移動によるらしい。

日本でも人の移動で感染例が見つかっている。

東京でも一時感染者数が20台に落ちたと思ったが40人台へ。原因は「夜の街」関係者、20~30台の若者、そしてクラスターに多いと小池知事は説明、経済再開にむけて突っ走るが此れも選挙対策か。

口先では「第2波に向け備えを」というがいつものことだ。

K値という感染症専門家で無く、核物理学者が流行予測モデルで感染者の推移、収束を予測している。北大の西浦先生は有名であるが専門外の専門家がどういう予測をしているか、新聞報道で拾ってみた。

4月7日の緊急事態宣言で人との接触8割削減のための外出自粛、休業要請は理論疫学の西浦先生の流行予測モデルからドイツの実効再生者数2.5人を採用し6割削減で拡大は抑制できるが、「夜の街」での感染もあり2割上乗せしたという。

放置すれば85万人の感染者、41万人の死者が出ると予測、8割削減なら一ヶ月で感染者の発生が抑えられるというのだ。安倍総理は7~8割の接触削減を訴えた。

それまでは日本の死者はインフルエンザの死者の4分の一といわれていたので正直驚いた。

読売新聞(2020.6.21)の「新型コロナ研究最前線」の推定感染日で見た新規感染者数と実効再生産者数を見ると3月末には感染者数はピークを超え、4月3日には実効再生産者数も1未満、4月7日に緊急事態宣言が出され社会的にも経済的にも大きな影響が出たが、K値理論からすると第1波の対策はコストに見合わない過剰な対応だという。

中野先生のK値とは、直近1週間の感染者数を感染者の累計数で割った値だ。毎日の数値の変化をグラフで見たときに、傾きが急であるほど収束が近づくというのだ。

先生によると、第1波は効率よく、3月初旬に収束させていたが、欧米からの第2波の感染拡大が始まったが、3月28日をピークに減少に転じた。3連休の記のゆるみではないという(Imaga.jp2020.6.14)

東京におけるK値の推移について、「大阪大学 中野教授による論文など(K値について)」を見ると、ニュースでは東京の新規感染者数の変化やそう感染者数の増加が毎日大きなニュースになっているが、K値の推移からすると全国平均と変わらず予想通り推移しているというのだ。
 
大阪大学 中野教授による論文など(K値について) 
5月2日以降のK値の連続した上昇は、複数の病院のクラスター感染で起こったことが原因で、感染者と濃厚接触者の同定と隔離は経路不明者の感染より用意で、この上昇分の収束は早いだろうという。もし感染不明の感染である場合は感染再拡大につながる深刻な状況が発生するという(同上)。

西村担当相も17日、参考にしたいという。4月14日は全国で0.55、5月16日は0.035、東京は5月16日0.042で目安となる0.05をクリアーしている。

東大・順准教授(集団ゲノム学)実効再生産者数が2.5の場合、10万人の集団に1人が入ると何もしなければピーク時は15000人/日の新感染者がでるが、6割削減でピーク拡大は止められ、5割では1400人が出、5.5割で400人になるという(朝日新聞2020.4.10)

横浜市立大・佐藤教授(データサイエンス)人と人との接触を何%まで減らすと感染拡大を押さえ込み新たな感染者が出てこないか目標値を計算、4月7日時点で千葉県5%、問うこゆと2%、京都府2%、大阪府4%、福岡県1.2%という。2%とは以前の行動を50分の一にすること。100人にあっていた人は2人にすること(同上)。

筑波大・中村教授(触媒科学)は感染拡大を抑えるには7~8割の接触減が必要なことを独自に予測した(読売新聞2020.5.1)。

政策研究大学の土谷教授は数理モデルによる予測で「今月中に再び感染が急増する可能性がある。今後もある程度繰り返す」と指摘した(読売新聞2020.6.5)。

流行予測モデルは一人のモデルに頼らずいろんな分野の専門家が柔軟に対応する必要がある。

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