クリーンな政治家として有名だった自民党の三木武夫元首相の秘書のメモが刊行されたという。三木さんと言えば自民党内では弱小派閥で反主流派として執行部を批判する発言が多かったと思うが、田中角栄氏の「ロッキード、ピーナッツ事件」で「政治とカネ」に批判が集まり自民党は国民の信頼を落とす結果になった。
再生に向け、ダーテイーさから脱却しクリーンさを訴えるために自民党の長老だった椎名氏が次期総裁、総理に「三木さん」を指名する椎名裁定があり、三木政権が立ち上がった。
調べると1974年のことだ。三木さんはロッキード事件の解明に力を入れたが、それをよろしく思わない議員も多かったのだ。検察の要求が田中さんに不利な内容だったが三木さんは承認したことから「三木おろし」が始まった。
1976年に三木さんは力尽きた。やっぱり自民党は金権政治から脱却できないのだ。
その頃三木さんが何を考えていたかが、今回のメモの刊行で見えてきたのだ。
「政治資金が集まらなくなった」=政治家としての力がなくなって来た
「カネのことを考えると夜も眠れない」
「クリーンではカネも集まらない」
昔も今も言われていることだ。議員数が多く、力のある政治集団(派閥」にはカネが集まる。選挙資金として仲間にカネをばらまく。さらに議員が集まってくる。大派閥になると総理候補もいるし、政権に閣僚を送り込むこともできる。
しかし、国会議員は政治資金集めに奔走してばかりではダメだ。「カネのことを気にしないで政治に全力を尽くせ」と言うことで政党助成金制度が始まった、税金の中から国民一人当たり250円を拠出しているのだ。確か、自社さ連立政権である村山内閣に決まった。
共産党は「憲法違反」の疑いがあるとして政党助成金を申請していない。最大の議員数を誇る自民党だって7~8割を政党助成金に頼っているという。政党助成金なしでは政治活動ができないのか。
それとも政党助成金の中から違う目的で支出しているのか。「政治とカネ」の問題が出てくると必ず問題になる。「ざる法」なのだ。
2021年の政党助成金申請状況は次の通りだ。
自民党170.2億円、立憲民主68.9億円、国民民主24億円、公明30.5億円、維新の会18.1億円、社民3.3億円と言う。総計317.7億円だ。
このほかに支持団体からの献金もある。だから政党の政策が経済界、労働団体、企業業種の訴えに支配される。野党のエネルギー政策で原発ゼロがあるが、電気労連から推薦されている議員のいる政党では原発再稼働だ。重要な政策が政治献金のために左右されるのだ。
「政治とカネ」の問題は今後も尽きない。
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