2020年7月17日金曜日

GOTOトラベル東京除外:背景に官邸vs小池知事、そして組する専門家の存在か


本当にわが国での新型コロナウィルス対策をリードしているのは誰か。GO TO トラベルキャンペーンの急転直下の「東京外しで実施」の経緯を見ると安倍官邸vs小池都知事、そしてそれに組する専門家の構図が見えてくる。

新型コロナウィルスで地方の経済、観光地は疲弊、「このままではもう持たない」という声がテレビの情報番組で聞こえていた。経済団体からの要望も強く、経済再開の一環として政府は「GO TO トラベル」キャンペーンを計画、8月に実施と伝えていたが、22日に前倒しの情報が伝わった。

ところが今、東京はじめ各地で感染者数の増加傾向が見え、「前倒し実施」に危機感が高まってきた。ところが政府は「予定変更はない」とメンツをかけての強行の姿勢だ。

東京が連日200人越えの新感染者数を出している時点でも菅官房長官は「圧倒的に東京の問題」と東京を突き放す。

国土交通省、政府は全国一律の実施を前提としていたが、16日、急遽「東京発着の旅行除外」でのキャンペーン強行となった。

国土交通相は「東京を目的とする旅行」「都民が都外に出る旅行」を除外するという。ただ「東京経由」はいいらしい。

これには期待していた旅行業者、観光地も驚き、すでにあてにして旅行を計画していた国民も戸惑った。「来てほしいが新型コロナウィルスは怖い」「もっとコロナが安定してからと思っていたが」「東京住民であることを確認する必要が出てきた」「東京外しは差別では」など新聞、メデイアはいろんな声を伝える。

「東京外し」に小池知事は「整合性を国としてどうとっていくのか」「国として都民国民に対して説明が求められるのではないか」「国がよーくご判断されたことなんだろう」と政府を皮肉る発言が新聞で見られる。

どうも官邸と小池知事とはうまくいっていないようだ。

当然だろう、新型コロナウィルス対策では、その政府の対策の遅さを際立たせるために頻繁に官邸を訪ずれていたし、ロックダウン、オーバーシュートという用語を発して国民、都民の危機感をあおった。

緊急事態宣言の発出を遅らせた理由の一つに小池知事の発言で国民を混乱させたくなかったらしい。新聞が後日談を載せていた。小池さんは知事選を控え「「やってる姿」を見せたかったのだろう。「キャスター経験者は用語の使い方がうまい」と評された(?)。

今回のGO TOキャンペーンでの「東京外し」の決定的要因は、新感染者数が286人、「感染状況」のレベルを2から最悪のレベル1に上げたことだろう。官邸は実施するのであれば「東京を除外するしかない」と判断したのだろう。

それに拍車をかけたのが専門家の発言だ。

尾身さんは当初「旅行自体が問題ではない」と言っていたが、「やる時期ではない」と発言を変えている。今の東京を考えると「東京除外」でいいという。3蜜を避けてマスクを着用する旅行ならいいという。

それが専門家の「お墨付き」になった。安倍総理は最初困ったようだが、苦しい決定をしたことになる。菅官房長官に押されたのか。

官邸での主導権争い、権力闘争、対小池知事そしてそれを支える専門家の構図が見えてきた。

野党は一貫性がないと批判する。国土交通相は安全対策を徹底するよう業界に要請した。

12時前の情報番組で小池知事は今日の感染者数も昨日の280台になるだろうという。検査数も4000件に上がっているらしい。


0 件のコメント: