2020年7月23日木曜日

新型コロナウィルス対策(8):「安全バイアス」で感染拡大、第2波、第3波の危険が迫るか


23日午後2時、テレビ画面に「東京の新感染者数360人台」を告げる。感染者数が500人ぐらいにはなるだろうと思っていたので、特に驚きはないが増加する感染者数を前にテレビ映像で見る外出者のコメントに「安全バイアス」を感じる。

リスクは覚悟で「自分は安全なのだ」「自分はかからない」という気の緩みが第2波(すでに来ているかもしれない)、第3波への危険をはらんでいないか。

新感染者数の集計も2種類あるらしい。報告日で集計すると「感染拡大」になるが、発症日を基準にすると「緩やかな増加」になるらしい。政府も専門家も都合のいい数値を使い分けているのか。

その根拠に政府が主張する「社会経済活動再開」と「感染予防」の両輪政策がある。両輪は所詮無理で感染拡大防止のめどがついてからの社会経済活動再開となるのが普通ではないか。専門家も両輪政策があるからコメントも複雑になる。

米国では経済再開を急いだ州で感染が再拡大しているのに安倍政権は両輪政策を「日本モデル」と考えているのか。

専門家は「爆発的感染拡大」にはいたっていないが「感染拡大の危機」だという。発症日を基準とした感染者数で判断しているのだ。一方で医療は逼迫しており間違っているとも言う。

政治が進める政策にも整合性に疑問がある。

感染拡大は人の移動を伴う。観光地や観光業者の疲弊を改善するためにGOTOトラべルのキャンペーンを狙ったのはいいが、8月実施を前倒しし22日に持ってきたが、基本設計も不十分で支援するつもりが混乱を巻き起こした。

専門家は政府寄りの発言として「3蜜回避、マスク、手洗い」すれば旅行も問題ないという。

外国人の再入国も緩和するようだ。ビジネスをてこ入れしようとしているが、空港での検疫、検査に支障が出るらしい。人的詰めが出来ていないのだ。背後には1年後に迫ったオリンピックにも関連するらしい。

東京では震源地潰しが始まった。歌舞伎町周辺でのホストクラブ、キャバレーなどの夜の接待飲食を伴う業者への指導、ガイドラインの遵守、場合によっては風俗営業法の適用も考えているようだが、水商売協会は反対する。

危機感を持った小池知事は4連休を前に都民に不要不急の外出を控えるよう要請し「感染しない、感染させない」のキャッチフレーズを主張した。

新聞報道によると、お驚いたことにこういうご時勢に安倍総理は山梨の別荘に行き予定を立てていたようだ。なんというノー天気な責任者なのか。批判を浴びることを恐れて中止したという。

毎日、小池知事は感染者数の発表し、危機感をにじませる西村担当相、「そういう事態ではない」という菅官房長官は記者を前にペーパーの棒読み、安倍総理も存在感が薄い。政治家は自分の言葉で国民に説明できない。

23日の感染者数は366人、過去最多になった。若者は当然だが、40,50,60代と感染が広がっている。高齢者になるほど重症化しやすく、ベッドの確保など医療体制の整備が逼迫してきたのだ。

医師会の会長まで4連休は外出自粛を要請した。政府が考えているよりはるかに医療関係は重大な事態に直面しているのだ。

2週間前というと、3日連続で200人台の感染者、新宿、池袋で感染拡大、東京近辺にも、埼玉県では休業要請も出ていた。劇場クラスターも発生、医師会はホストクラブ周辺から市中へと感染が広がっていると発表した。保育園や学校などで感染者が見つかった。

それ以降何ら対策はとっていないので、感染者は増えるのが当たり前だ。

毎日のテレビで繁華街で遊ぶ都民(?)のコメントが映るが、今日の感染者数を聞くと「恐いけど以前からの約束があったから」、リスクを覚悟での外出か、「自分は大丈夫」という安心感からか、新型コロナウィルスと共存する「新しい日常様式」に向け、試行錯誤しているのか。

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2020.5.20掲載
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