2020年7月14日火曜日

九州豪雨を考える(1):情報は活かされたのか、不運が重なり相変わらず多い高齢者犠牲

今回の九州豪雨はかなりしつこい気候だ。南の太平洋の高気圧、北からの偏西風、梅雨前線に南から水蒸気を多量に含んが空気が流れ込み九州から西日本、東日本に豪雨をもたらしている。

先日までの死者65人、行方不明12人、2935人が避難所に避難、90%が65歳以上の高齢者だという。そして特徴として8割に当たる50人が溺死、うち6割が室内ということは急激な浸水になったようだ。通報も遅れるだろう。

新聞報道では自治体に限らず、住民側も「早期に高齢者の避難を支援する行動が大切」というがいつの災害が起きると犠牲になるのは高齢者だ。しかし、危険の情報がどう伝わったかも重要なのだ。

気象庁は5日間に3度「身を守る行動を」と大雨特別警報を出したというが、何しろ午前4時50分ごろ、ほとんどの人がまだ寝ている時間だ。こんなことになるのなら前日に記者会見でもして警戒を呼び掛けたほうが良かったと思うのだが、気象庁も土壌雨量指数がこんなレベルになるとは当時考えていなかったようだ。

新聞では、「今回は特別警報の目的を果たすことができなかったが、明るいうちに予告があれば早期の避難指示もできたのではないか」という。

でも、情報伝達にも問題があったようだ。屋外に設置の災害放送は雨の音で聞こえなかったというし、有線放送の停電でダメ、そのうちに浸水で流出したらしい。

災害による被害が大きくなったのは、いつも「いくつかの不運が重なった」ためなのだ。

そんな中でもテレビニュースでは日田市の例で、無線ラジオが活躍し、人的被害を回避できたという。

集中豪雨の60%は線条降雨帯だという。

山間部の状況はひどかったようだ。新聞報道で京大・竹林教授の研究では土石流崩壊場所から190m先の住宅地まではたったの15秒、傾斜25度を時速45㎞で流れ下ったのだ。逃げきれない。早期の避難しかないのだ。

その結果が、8割に当たる50人が溺死、そのうちの6割が室内なのだ。おそらく周りの人も避難協力ができなかったのだ。災害時によく言われているのが「周りを気にせずまず安全な場所へ避難を」という。地震津波災害では「津波が来るぞ! 高台へ逃げろ」と叫びながら周りを気にせず逃げることらしい。

でも高齢者、一人暮らしの高齢者、介護施設などはどうすればいいのか。

マンションなど集合住宅でも問題になっている。今、個人情報保護が厳しく言われ隣の人、どんな人が住んでいるのかわからない。だから自分さえよければいいのだが、高齢者が増えている現状では助け合いが必要になる。

管理組合は建物に対する維持管理、住民のコミュニケーションは自治会を設置して対応しているマンションが多いようだ。住民間の情報を共有し助け合うのだ。

山間部の地域での情報共有と助け合いは都会のマンションでも必要になってくるのだ。

九州豪雨も今は河川の濁流、それによる被害がテレビで映し出されているが、これだけの土砂の流出だ、山間部の山崩れの様子はわかっていないが想像を絶するものだろう。






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