2020年7月31日金曜日

新型コロナと洪水被害:中国では「為政者が過ちを犯せば天の懲罰が下る」、では日本では


新型コロナウィルスと長江洪水水害相次ぐ中国では「為政者が誤りを犯せば天の懲罰が下る」という伝統的な考えが背景にあり、習政権は国民の不満の高まりに警戒していると水利専門家の王氏が推測する記事(読売新聞2020.8.1) 「長江洪水損失2兆円」)が目に付いた。

今、中国は新型コロナウィルスの流行から経済復興は途上、長引く長江洪水では三峡ダムの警戒水位が続き決壊の恐れもあると指摘されている。習政権は危険打消しに必死という。

その背景に「為政者が過ちを犯せば天の懲罰が下る」という考えを国民は持っているというのだ。

日本でも昔は何かあると当時の天皇は自分の政治にまずいことがあったと反省した。後継者問題、権力闘争、疫病の発生、地震、水害みなしかりだ。八坂神社も当時はやった疫病退治のために建立されたという。

ところで今、安倍政権に対する国民の不満はどうか。

小泉政権の後を受け第一次安倍政権が誕生したが、閣僚の不祥事、年金問題、体調不良で政権を放り出したが、民主党政権に変わり始めての自民党政権で第2次安倍政権に返り咲いた。当初はアベノミクスで一時の成果が見られたが、その後はモリカケ問題に見られる民主政治の根幹を揺るがす私利私欲、恣意的政権運営に走り一強独裁の長期政権を築いたかに見えたが、新型コロナウィルス対策では初動ミス、生活、事業支援策で失敗、国民の不満は内閣支持率低下へ、更には九州豪雨をはじめ長引く水害で甚大な被害を及ぼした。

内閣支持率は30%台、しかも政党支持率も35%程度で野党の不甲斐なさも手伝って何とか維持できている。

しかし、この国難のときに国民の前に顔を出さない安倍総理を野党は臨時国会召集要求で誘い出そうとしている。

みっともない話ではないか。
安倍総理は失政と天災は関係ないと思っている。寧ろ逆に被災地を訪問し支持率回復を狙っているのだ。

でも突き詰めれば失政が影響しているのだ。一つは平成の大合併だ。行政の効率化を狙って市町村合併が横行した。応じない市町村には交付金の廃止で強要した。地域の情報を集めるのに役立った支所も統合、災害時には情報伝達が行き届かず被害情報も入らない。地域住民の安全に支障をきたした。

保健所機能も統廃合され、規模も縮小したために今回の新型コロナウィルス感染防止には大きな支障をきたしている。

公共事業費の縮小はインフラ整備の遅れ、老朽化インフラの更新も遅らせ、大河川の洪水対策としたスーパー堤防構想も道半ばだ。あちこちの河川で決壊し、地域住民を不安がらせた。

過疎化、高齢化が進む被災地の復興に巨大な資金をつぎ込み造成地には住民が帰ってこないちぐはぐさも目立つ。

国民の不満解消につぎ込む資金は巨大な借金となり財政健全化を遅らせ、国民に付けを大きくしたが、政治家は責任を負う考えはまったくない。選挙のたびにのし上がってくるしたたかさだ。

「政治家が過ちを犯せば天罰が下る」、そんな意気込みで政治をやってほしいものだ。

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