2020年7月26日日曜日

再燃する首都機能移転論:前回は首都直下地震対策、今回は新型コロナウィルス対策か


新型コロナウィルス感染拡大で首都機能移転論が再燃している。前回は首都直下地震対策だったと思う。東京一極集中がいろんな意味で首都機能を維持することが難しくなってきている。以前は首都直下地震対策の一環としてだったと思うが、候補地が名乗りを上げたがそのうちに下火になった。

その後、文化庁が京都へ、消費者庁が本庁機能を東京に残し、他の部門を徳島に残す思考を行ったというがその後どうなったか。中央官庁は東京から地方へ移るのに反対で何だかんだと難癖をつけ時間切れで下火になるのを狙っているのか。

以前、立川断層のことが知りたくて立川市を訪れたことがある。防災基地を目指しているのか、広大な土地が空き地で確保されていたし、政府の移転先も確保されていた。市役所で街中を断層がどう走っているのか知りたくて資料をもらいに行ったことがある。市の担当者は「そんな活断層は、いまだ確認されていない」ということだった。

企業も本社機能が集中する東京で直下地震が発生しても事業が継続できるよう検討していたと思う。大阪に本社機能を移したり、首都圏近くで工場を持っている企業は工場に移すという意見が多かったと思う。

首都機能を地方に移転するとなると、海外からのアクセスも考え新幹線は航空便が良くなくてはならない。そうすると候補地は限られてくる。

更には、官庁機能をうつすのだから広大な土地が必要になる。人も増えるしインフラの整備もカネがかかる。場所によっては師弟の教育のことを考え家は東京で通勤ということになる。

税収は増えないのにインフラ整備でカネがかかれば、当然に破滅だ。群馬県などは適所と思ったが、この点で問題があったらしい。名乗りを上げなかった。

東京一極集中回避で増田レポートがある。内容は十分知らないが「高齢者は地方へ行け」だけが頭に残った。確かに今、福祉施設、介護施設などを考えると東京では狭いマンションの一角に施設がある。地方ではもっと広い場所が確保される。老後にはよさそうだ。

その増田さんが都知事選に立候補したことがあり、「東京をどうするつもりか」を思っていたが落選したので聞くことは出来なかった。

そして今、東京一極集中の効率の悪さ、スリムでも稼げる東京作りを目指して自民党が全国分散議連を立ち上げたというし、若手が勉強会を開いたという(読売新聞2020.7.25)。

どの程度本気なのか。前回は東京からの地方移転を石原元都知事が反対したのだ。

新型コロナウィルス感染拡大防止で外出自粛、不要不急の都外への移動自粛などが頻繁に発せられるようになると人の動きにも支障を来たし首都機能など停止することは確かだ。

テレワークンなどを整備すれば、何も東京に事務所を確保する必要などないとも言う。でもテレワークできる職種は決まっている、すべてが出来るわけではない。

どうだろう、まず国会機能を地方へ移転したらどうか。国会が東京にあるから議員や秘書連中も東京で働くに必要な議員宿舎などを用意しなければならない。職員も相当いる。東京にあるから「政治とかね」の問題も出てくる。何なら東京に集計機能を残し、テレワークで議員は全員地方で議員活動したらどうか。給料の何倍にもなる手当などが節約できる。一石二鳥ではないか。

まず、首都機能移転とテーマを広げず、国会機能の移転、テレワーク化を検討したらどうか。


[後記]
憲法で国会議員は「全国民の代表」と定めているので議員が議場に現に出席する高尾tによってはじめて主権者たる全国民をその場に改めて現出させることが出来る。出席無き代表はあり得ないという意見がある(朝日新聞2020.7.26「コロナ対策罰則と自由と」での長谷部早稲田大学教授談)




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