昨年は季節型インフルエンザの患者数も減り早めに収束したというし、今年も今までの発生件数が非常に少ないという。同時多発の可能性はどうなのか。新型コロナウィルスと季節型インフルエンザのウィルスの違いがあるのか。
ウィルス株の違いなのか、感染者数、死亡率が当初は恐れられていたが今、その脅威も少しずつわかってきた。日本の感染者数も7月末から8月初めにかけてピークを過ぎ減少傾向というが収束の道筋は見えない。
一方で、政府は社会経済活動推進のために自粛緩和、GOTOキャンペーン、GOTOイート、イベント類の制限緩和に前のめりだが、政府の分科会は感染状況のステージ4はゼロだが、ステージ3には10都府県が関係するとして緩和に慎重だ。9月の様子を見ようという。
全世界が注目するワクチンの開発はどうか。各国が先陣争いにしのぎを削っているが安全性確保が第一だ。トランプ大統領は大統領選を控え躍起になっていないか。
新型コロナウィルスでも震源地は中国武漢に間違いなさそうだが、アメリカが言う研究所由来か、市場由来か。日本へは遺伝子解析で欧州経由で入ってきたという。入国制限が遅れたことも感染拡大を助長したが国内でも東京経由での拡散が疑われている。
ところがこういうウィルスが進化するとき、一部遺伝子が変異し、死滅するものもいれば次の世代に伝わるものもあるという。
思い出すのは2009年、アメリカで豚インフルエンザが流行した時、女子高生が感染し、日本に持ち込んだといわれている。豚インフルエンザが人間に移ったのだ。
その時、人間にも感染するということで各国で研究が進んだ。英国ではPlus Magazineにケンブリッジ大のJulia Gog准教授の研究が掲載されていることを「数学、それは宇宙の言葉 数学者が語る50のヴィジョン」(サム・パーク編 岩浪書店020.8)で知った。
ゲノムを構成する遺伝子のアミノ酸配列に数値を付けメカニズムの解析に貢献しているのだ。
インフルエンザの進化の過程で遺伝子変異が起きる。この変異には2種類があり、一つは抗原連続変異でゆっくり変異し過去に似た感染を記憶して人類の免疫システムのおかげで免疫が働く。今回の新型コロナウィルスで感染者数が他国に比べ少ない要因に挙げた専門家もいる。
一方、抗原不連続変異はインフルエンザの異なる2種類の株が一緒に働き免疫力が効かず非常に危険な事態になるという。免疫が効かない本質的に新しい病気になるのだ。
記事によればインフルエンザには8つの文節があり、すべて重要な遺伝子が含まれウィルスが生存する文節がそろっていることが重要らしい(これをパッケージングという)。
この時、8つの文節がランダムに集められえるか、8種類の文節がひとつづつ集まるのかが論争点になったらしい。ランダムなら悲惨な状況になるのだ。
ところが文節ごとに異なるか株の間で容易に遺伝子交換され別々に複製される遺伝子再集合が起きると抗原不連続変異となり2009年の豚インフルエンザのように何度も再集合され世界的に拡散していったのだ。
例えば1,2,3・・・8と8つの文節があると[1,2,3,4,5,6,7,8]とそろっていればいいのだが[5,5,7,4,1,6,3,8]となるとランダムなパッケージングではないのだ。そろった集合をランダムに取り出せる確率は1/400未満という。
ところが当時の実験的証拠から文節をパッケージする特別な仕組みがあるらしいことが分かったのだ。仕組みがわかれば規則的にパッケージできる。8種類の文節を他の文節と区別してくれるようなラベル・・パッケージングラベル・・がなければならない。アミノ酸の配列にパッケージングシグナルとなる可能性があるらしい。
その配列の位置にある点数を付け表示、この点数が低いほど所をピンポイントと見分け、パッケージプロ説のエラーが発生するかどうかを調べればいいのだ。ケンブリッジ大ではウィルスの働きを解明し治療法やパンデミック防御に役立てるという。
医療分野の研究に数値を付けて解析して行く手法が役立つのだ。宇宙は物理法則で動いているがその解析には数学が必要なのだ。この研究もその一例だろう。
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