そうだったのか。安倍総理は人事に介入してまで自分の政策を実行する手法を取った。集団的自衛権行使の閣議決定の前に当時の山本法制局長官に変えて駐仏大使だった小松さんを長官に任命した。さらに異次元の量的緩和を実行するにあたり当時の白川総裁に変えて黒田総裁を任命、政策委員もリフレ派委員を日銀に送り込んだのだ。
集団的自衛権行使を可能にするための閣議決定前に「法の番人」である法制局長官を交代させる人事をやったことはいまだ記憶しているが、その時の経緯が朝日新聞(2020.9.30)オピニオン&フォーラム「法の番人退任を語る」で当時の山本法制局長官がインタビューに答えていた記事が目に留まった。
集団的自衛権を行使するために憲法9条解釈を変更することは「従来通りできない」と踏襲する山本さんに変えて安倍総理は駐仏大使だった小松さんを法制局長官に任命し閣議決定に至ったのだ。
山本さんに言わせると、安倍総理のやり方は部下たる官僚に検討を指示し議論をさせ、まとめて最終的結論に持っていくのではなく、直接指示するのではなくまわりまわってそういう方向に話を持っていき最終的に実現させる政治的手法を取ったというのだ。
小松さんは外交官で国際法には通じていただろうが、国内法はいろんな法律がある。外務省から法制局長官に着くのは大変だっただろう。
山本さんが小松さんに「憲法と国際法ではどちらが優先か」と問うた時、小松さんは返答に困ったようだったという。
憲法と国際法はよく問題にされる課題である。
安倍政権のように人事を介してまで政策を実行するとどうなるか。忖度が始まるのだ。国民の利益、国益を害することにもなるが、見方によっては集団的自衛権行使は安保関連で安倍さんのレガシーと評価する向きもあるが、閣議決定は憲法に違反することは明らかだ。
安倍政権では官邸に居座る官僚により政策が決定実行され民意が届かなくなる。新型コロナウィルスでの緊急事態対応、生活支援事業の失敗が目立ち支持率を落とし安倍総理が2度目の政権放棄した。
安倍総理は最後に「官邸に民意が届いていない」と言ったそうだが、自業自得ではないか。
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