2019年10月31日木曜日

経済財政諮問会議で地域医療改革:地方自治体の批判をかわすために議員提言したのか

28日の経済財政諮問会議で民間議員が社会保障制度改革について提言したという。そのうちの地域医療構想は「病院ファースト」「患者軽視」の批判をかわすために、あらかじめ経済財政諮問会議の民間議員が提言したように見せかける安倍政権の作戦のように見える。

地方医療、患者軽視に見える改革で批判を受けることは確かな為にまず民間議員による提言で「お墨付き」を得た政策にしたかったのだろう。

最近の新聞報道を見ると、紹介状のない受診には5000円もの追加料金が必要になるが、対象を400病床から200病床に拡大し420病院から673病院が恩恵をうけるらしい。

更に公的病院の再編、統廃合も提案された。全国164万病床のうち13万病床を削減すべきだという。公的病院ばかりでなく民間病床も再編を求めている。

その目的は年々増加する社会保障費も2022年には団塊の世代が75歳入りし、2040年まで高齢者が増加するため社会保障費拡大を回避するためにもここ2~3年の間にスピード感を持って社会保障制度改革を進めようというものだ。

そして限られる財源をより賢く使用する知恵を出し合おうというのだ。

医療費を減らすために合理化に積極的な病院には積極的に財政的支援をする。

「地域医療構想」での重要政策は病院の統廃合、過剰な病床の削減、介護、在宅医療への転換、イノベ―テイブな医薬品産業への転換、診療報酬の改定、後発医薬品の使用促進、40~50代の働き盛りの生活習慣病の予防、介護現場の生産性向上などが挙げられている。

会議後の補足説明では持続可能で安心できる地域医療、介護体制の構築を実現したいので、医療が悪くなることではなく再編により改善していくと多田内閣府政策統括官は言う。

経済財政諮問会議での社会保障改革はマクロ政策の観点から骨太方針2019や改革工程に係る検討事項を進捗の確認と課題の深堀を図りつつ2015年度の財政健全化目標を目指すらしい。

そのためにも社会保障改革を従来の経済財政諮問会議、未来投資会議、社会保障審議会、労働政策審議会などばかりでなく新しい省庁横断でやるともいう。前世代型社会保障改革という大きな組織に代表者を集めて大きな方向性を議論することもやるらしい。

そこで改めて経済財政審議会の議事録要旨をHPから開いてみた。

資料1に「経済再生・財政健全化の一体的な推進強化に向けてーー社会保障制度改革ーー」があり、提言者に民間議員として竹村慶大教授、中西日立会長、新浪サントリー社長、柳川東大教授が名を連ね新浪さんが説明している。そのあと、多田内閣府政策総括官(経済財政運営担当)が通貨説明している。

新浪さんの説明資料を見ると、①地域医療構想で、病院の再編統合、医師の確保、介護サービスの充実を地域一体として総合的に取り組む、②イノベ―テイブな医薬品さん御油への転換、診療報酬の改定では医薬品さん御油の構造転換、調剤報酬の適正化、後発薬品の使用促進、③4050代の生活習慣病などの予防と重点取り組み、④保険者のインセンテイブの強化、⑤介護現場の生産性向上、などが挙げられる。

よくこんな内容を4人の民間議員が作成し提言したと感心するが、4人は名前を貸しただけで内容は内閣府の担当者が、これからやらなければならない政策を深堀する内容にし民間議員が提言する格好にしたのではないか。

内容は地域医療、患者に関することなので当然に反対意見が出ることはわかっている。そこを「民間議員が提言したのだ」と主張することにより批判の回避を狙ったのではないか。

有能な官僚で、作家だった堺屋太一さんがどこかの審議会に加わっていたが、検討事項をまとめる段階で、「官僚に任せていてはいいものはできないので自分で書くから官僚は手を出すな」と言った経験を話していた。

堺屋さんは自分でまとめる力があったからこそできたのだろうが、今回の経済財政諮問会議での資料は担当者が作成したものを名前を貸して民間議員が提言したように見せたのだ。

安倍政権はよく使う手だ。

政権のやりたい政策を○○審議会と言うYESMANを集めた諮問会議で審議し「お墨付き」を得て国会に提案するのだ。審議会で十分に検討されていないのでデータ上の問題も出てきて野党が政策を批判する羽目になる。プロセス上問題があっても結果は間違いないと抗弁することが厚生労働省で起きていた。

医療にカネがかかるのは確かだが、医療機関にも問題がないか。

開業医に行くと「総合内科」を掲げ、まず自分たちのところを受診しろと言うのだろう。基幹病院との提携も表示されている。昔「名医」とは自分の手に負えないとわかったら他の医療機関を紹介し重症化するのを回避するが、「迷医」はなかなか手を離さない。重症化して初めて他の医療機関を紹介するか、そうでなければ患者自身が判断しなければならないが5000円の追加料金がかかる。

私も基幹病院で人間ドックを受け、検査値に異常があり相当期間通ったが、有るとき、「近くの他の医院へ行ってくれ」と放り出された。確かにコレステロールの異常や尿酸値の異常だけでは大きな病院へ行く必要はない。昼飯も食わずに診療を続ける医者がかわいそうだった。

しかし、医者にも問題がある。検査値の上限を過ぎるとすく投薬治療だ。しばらく様子を見ることもしない。また人間ドック学会との検査の判断基準が違う。学会の基準では異常だが、人間ドック学会の基準では正常範囲のことがある。

尿酸値などは基準は7以上で異常だが、8に近くなったので薬を飲んでいたが、一向に痛風の気がない。そのうちに8を過ぎた。痛風になった時の尿酸値を確認しようと思っていたら、学会のニュースが新聞に出た。他の疾病を伴っていない場合は特別に投薬治療をする必要はないというのだ。

LDLコレステロールもHDLコレステロールとのバランスで考える必要があり、人間ドックで血管の動脈硬化の検査をしたらどうかと指導を受けた。

開業医でも自分の意見を聞いてくれる医者を探すことが大事なのだ。

ジェネリック医薬品の使用促進も大事だ。調剤薬局から医者にゼネリック薬品に変える提案をしたが医者は拒否したという。同じ薬品メーカーでゼネリックも作っているので同じことだから受診した時に「ゼネリックでお願いします」と言ってくれないかと頼まれたこともある。

今新聞で医者が投与する薬が市販薬と内容が同じなら「市販薬を使え」と言っている。確かに皮膚科での軟膏にそういうのがある。医者は副腎皮質ホルモンとかステロイド剤など強い薬を処方するが市販の軟膏を根気強く使用すれば効果がある場合がある。それにはいろいろ確かめる努力が必要だ。

高齢者の窓口負担もコロコロ変わる。3割から1割になったと思ったらまた3割に。1割を経験すると3割になると医者に行きずらくなる。

私達に必要なのは家庭医を言うが「総合内科」でよく話し合いできる医者を探すことだ。「かかりつけ薬局」と言うがほとんど役に立たない。アルバイトの薬剤師では技術などわからない。

もっと根本的に医療制度を見直す必要があるのではないか

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