2019年10月4日金曜日

大統領選が終わるまで、トランプ大統領の外交戦術に乗ってはいけない


米大統領選が終わるまで、トランプ大統領の外交戦略に乗らないほうがいいのではないか。あらゆることが米大統領選でのトランプ支持を上げることにしか力を注がれていない。

だから今、交渉ごともトランプ大統領の勝利に持っていかれる可能性が大なのだ。万一交渉ごとを吹っかけられると解決を急がず大統領選が終わるまで様子見することだ。できなければだらだら期間を延ばすことだ。

米中貿易摩擦は出口が見えないままに、世界経済が景気下降局面になってきた。各国中央銀行は予防的処置と言って緩和策に逆戻りしている。FRBも数次にわたり利下げを表明したが、トランプ大統領は「長期的に1%」と圧力をかけ、中央銀行の独立性まで奪おうとしている。

中国との高関税かけあいはどうなったのか。一部先送りの話も出ていたが、中国は大統領選を控え様子見ではないか。

逆に日本は日米貿易交渉の早期妥結を目指し自動車の関税先送りなど課題をもったまま一応の決着をつけたように見えたが決して安倍総理が言うようにウィンウィンの結果ではなかった。中国が輸入の約束を守らないために売れ残ったトウモロコシを全量購入することを決めた。

トランプ大統領は共同会見の場にアメリカの農業団体の代表も出席させ満足のコメントを引き出していたが、安倍総理はどう感じたか。流れる映像はトランプ大統領の大統領選に一役買わされたのだ。

北朝鮮との非核化問題もトランプ大統領に任せていてはダメだ。金委員長は米朝高官協議を前にSLBMの発射実験をやってのけた。高度を上げた発射実験だったが日本のEEZ内に落下するという日本にとっては脅威の出来事だ。もし北が設定を間違えると日本国土にも届く危険がある。

グテレス事務総長は国連安保理決議違反と批判するが、トランプ大統領はコメントを発していない。短距離弾道ミサイルはアメリカにとっては「問題にしない」とトランプ大統領は言うが、閣僚は安保理決議違反という。

政権内で強硬派だったボルトンさんが政権を去ってゆるくなったのか。トランプ大統領は非核化を主張するがボルトンさんは「北は核を手放さない」と主張していた。そのとおりだろう。北は体制の維持と経済制裁解除を狙っている。とてもではないが米朝首脳会談をやる時期ではない。

トランプ大統領にとっては非核化などどうでもいいのだ。2人の良好な関係さえ維持されていればいいのだ。この2人の関係がアメリカへ北のミサイルが飛んでくることを防いでいることを国民のアピールできればいいのだ。

アメリカも民主政治のレベルの低さを見せ付けている。民主党バイデン候補のスキャンダルをウクライナに調査するよう要請したし中国にも同じ要請をしたそうだ。

米下院が弾劾調査を開始したという。ロシア疑惑はトランプ大統領は勝ったつもりでいるらしいが大統領を辞すれば訴追の可能性も残っているのだ。

今、世界で起きている不安の根源はトランプ大統領に起因する。アメリカ国民にもトランプ失政の付けが回ってくる。早く気がつき大統領選で評価を下すべきだ。トランプ大統領を失脚させるのは米国民しかいない。

他国の指導者は今あわててトランプ大統領の作戦に乗って国益を害するようなことはやってはいけない。今は支持者しかトランプ大統領の頭にはないのだ。


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