2021年7月11日日曜日

何故、物価目標2%:ECB,FRBは「2%超え」も容認、日銀は遠く及ばず

 

何時も目指す物価目標は2%だが、各国中央銀行の様子は異なる。ECB, FRBは「2%」を目指すが、一時2%超えも容認すると言うが、わが国日銀はとてもじゃないが遠く及ばない、2022年の予測はプラス0.5~0.9だ。 

何時まで経っても達成できない2%目標に日銀は何故、拘るのか。達成できない目標を掲げることは黒田日銀の信用にかかわる問題ではないのか。

ほとんどの期間ゼロ%程度なのだから、引き下げるべきではないかと思うのだが、日銀は金融政策見直しでも「従来の金融政策の継続」を確認するだけだ。 

新聞報道では、目標の引き下げは、通貨価値が高まることを容認していると市場が受け止めれば円高になりかねないという。円高になれば輸出などで不利になる。大きな変化を回避するためには従来どおりが日銀にとっては無難なのだ。 

思い出すのはイオンの岡田会長が記者会見で「脱デフレは大いなるイリュージョン」と言ったことだ(日本経済新聞2017.4.12)。岡田会長は今後はディスカウント店などの注力し消費者を支える。傘下のスーパーでは食品、日用品の値下げを実施すると言うのだ。 

大歓迎だ。多くの年金生活者にとっては支給額は減らされ一方、医療費の窓口負担は増やされる。助かるのだ。

このときの日銀の展望は、海外経済へ支えられ穏やかな成長が続く。個人消費は底堅く推移し、物価は拡大基調で2%物価目標達成は18年度中と発表していた。

象牙の塔の日銀より、日々消費者と対面し消費動向を把握しているイオン岡田会長の方がずっと我々の生活実感をつかんでいる。

今の日銀の展望(2021年4月)では、感染症や携帯電話料金の値下げで小幅なマイナスで推移しているが、そのうちにプラス成長に転じ上昇傾向になる。需要の減少はコロナへの警戒、コロナ対策での供給制約、コスト増などから企業の値下げによる需要喚起を図る行動は広範囲化しない。中長期予想物価は横ばい圏内で推移と見ている。 

金融政策も2%「物価安定目標」実現に向け2%を超えるまで拡大方針と言う。黒田総裁の任期も切れるのではないか。 

2020年 ~0.4%

2021年 0~0.2%

2022年 0.5~0.9%

2023年 0.7~1.0% 

ECBは2%弱から2%へ引き上げた。金融緩和に取り組む姿勢を示し、一時的に超えても容認だ。EU は1.9%から22年度は1.4%に下がると見ている。FRBも一時2%を超えることは容認姿勢だ。 

欧米と日本の大きな違いは何なんだ。

関連記事

2017.4.29

よく言ったイオン岡田会長:「脱デフレ」は大いなるイリュージョンと

yamotojapan.blogspot.com/2017/04/blog-post_80.html

0 件のコメント: