2019年11月9日土曜日

大学共通テスト改革:受験生をどうしようとしているのか、混乱を招くだけの改革か

英語、数学、国語の大学共通テスト改革は本当に受験生のためなのか。安倍政権のやる民間の力を利用した改革はどうしても利権がらみになる。民間議員を多用した○○○審議会でやりたい政策を民間議員が提案したように見せて「お墨付き」を得て、改革を進める。

そのうちに本来の目的が違ってくる。今回の受験改革も知識に偏らず受験生の能力を評価する。マークシートに加えて英語では「読む、書く、話す、聞く」、数学では数式を問い、国語では80~120時で文章を書くテストを目指す。

導入の経過も2013年教育再生実行会議を経て2014年文科省の中央教育審議会で今回の方式が決まったようだが、記述式の難しさ、採点の制度、受験生との自己採点の差は問題として付きまとっていたようだ。

萩生田文科相も「課題があることは知っている」「採点がしやすい制度に作り上げる」と言っていることから考えて「まず2020年の開始ありき」だったのだろう。

英語は「読む、書く、話す、聞く」がテーマになるがここは民間の英語テストを採用することから始めようとしたが、受験料の高さ、受験地が都市に集中するということで受験生に格差が生じ公平さを害することから反対意見が噴出、折から2人の閣僚辞任など安倍政権にとっては不利な状況下で政治解決として「先送り」が決定した。

小中高と英語教育の改革が進む中で大学教育だけ遅れることに「先送り」に反対する専門家もいるがそこははどうだろう。

国際の場で通用する英語力を持った人材を育成するのであれば、なにも無理して大学受験ではなく、大学に入ってからのカリキュラムでやっていけばいいだけの話ではないのか。

一方、国語、数学は問題が多いようだ。

約50万人の記述問題を約1万人の採点者で評価する。学生アルバイトを採用するのだという。採点者の質をどうやって確保するのか。数式が書かれているかを例示すればいいだろうが、80~120文字以内の文章を評価するのは大変だ。考え方が多様化している。正確に文章を評価できるのか。

なんでもそうだが、確かに考える過程が重要だ。数学は使用する数式があっていなければ答えは違ってくる。自然法則を見つける物理では数式が違っていると出てくる結果が現象と違うので間違っていることがわかる。考えるプロセスがあっていれば答えも正しいのだ。

おまけに採点はベネッセの子会社がするという。新聞によると下村元文科相がベネッセと関係があるらしい。政治と業者の癒着ではないのか。

そしてベネッセの事業である進研ゼミをやっていれば有利とでも言うのか。

改革は必要だが、安倍政権での改革は本来の目的が間違って実施される危険がある。安倍政権の後でしっかり改革を進めていくべきではないか。

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