マンション管理の適正化のためには国交省は管理会社の質の向上、管理会社の登録の厳正化に努めなければならないのではないか。マンション管理は管理組合が自分たちの資産をどう管理していくかに尽きるが、多くの場合管理会社に頼る傾向にあり、管理会社の質が問題になる。
管理会社にはマンションを分譲販売する会社のデベロッパー系とそうでない独立系とがある。マンションを買うと当然にデベロッパー系の管理会社が付く。どんな内容の会社か分からないままにマンション管理を任したことになる。
入居者はほとんどが管理については素人だ。管理契約、重要事項を説明するが素人相手だから管理会社の都合のいいように「手抜き」をする。管理組合も面倒だから管理会社に任せきりにする。その結果、管理費の横領事件が発生する。
管理組合が管理契約内容のチェック、予算、決算、監査をしっかりやっていれば未然に防ぐことができたはずだ。大京アステージの横領事件も印鑑、帳簿、通帳の管理がどうなっているかをチェックしていたのか。
大方の場合、管理会社の担当者が理事会、総会の議案を作り、理事長まがいの司会をして都合のいい運営を継続するが、第2回目の大規模修繕で予算不足が発生すると管理組合と管理会社でゴタゴタが起きる。
修繕費用をどうするかだ。マンションの規模にもよるが数億円の修繕費がかかる。一時金で徴収するかどうか。このときに初めて管理会社頼りの管理が間違っていたことに気が付くのだ。「いざという時」に役に立たないのだ。すでに20数年がたっている。
これからマンションの供給は少なくなり、管理会社も厳しい経営が続くと思うが、中古マンション、タワーマンション、更には高齢者ばかりで管理組合、理事会の存在も危ぶまれるマンションなどマンション管理のあり方が問題になる。
そしてその管理を支援する管理会社の質、担当者の質が問われるのだ。「どうしてこんな管理会社を」というと「選んだのはお前たちだろう」ということになる。
国交省はマンション管理で管理組合のあり方を問題にするが、管理を委託している管理会社のあり方も問題なのだ。
管理会社を登録制にしているが、登録会社はどういう条件が必要か、きちんと審査し、この会社なら問題ないと判断しているのか。
管理会社はマンション管理についてサービスの品質向上に努めているのか。たとえばISO9000シリーズの品質管理がある。これを取得していれば一応大丈夫と判断できるが取得している管理会社があるのか。合人社計画研究所はHPで取得を詠っている。
もし、取得していなくてもISOで規定しているような手法でマンション管理の質の向上を目指していればいいのだ。P→D→C→Aが大事なのはどの業種も同じだ。
マンション管理の適正化を言うなら、まず国交省が管理会社の質の向上、登録会社の登録の厳正化をし、これから厳しくなっていくマンション管理に応じるべきではないか。やりっぱなしの行政であってはならない。
そして我々マンションの区分所有者、管理組合も「自分の資産」をどう守っていくか、真剣に考えるときだ。
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2019.2.5掲載
大京アステージの横領事件を考える(1):デベロッパー系の甘い管理、管理組合の無責任さも影響か
yamotojapan.blogspot.com/2019/02/blog-post_16.html
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