2019年11月11日月曜日

自民党税調のかじ取り:今必要なのは、財政出動か、税制改革か、それとも財政規律か

今、必要なのは財政出動か、税制改革か、それとも財政規律か。新聞報道で今、自民党の税務調査会の会長に甘利さんが就任したことが注目されている。財政規律を重視する実力者が多い中で、安倍総理の意向を忖度し税制改革でアベノミクスを推進し設備投資を推進できるか。

甘利さんは第2次安倍内閣で経済再生担当相としてアベノミクスの経済政策を主導した。今回の内閣改造で自民党税務調査会の会長に就任したことは減税措置でアベノミクスを後押しする安倍総理の意向がうかがえる。

ところが安倍総理の経済政策は経済成長と財政再建が成長の両輪だという。口癖だが、本当にそう思っているのか。

アベノミクスの異次元の量的緩和で市場にカネを流し低金利を維持するが設備投資は増えない。大方の企業は無借金経営で良い投資先が見つかれば自己資金で投資できる。量的緩和でも貸出量が増えない。企業は内部留保で460兆円も蓄えている。

一方、税制面では法人税減税、優遇税制で大企業は恩恵をこうむり富裕層も優遇税制で格差は拡大する。法人税減税は海外からの投資を目論んでいたが成果があったのか。安倍総理は世界一働きやすい国にすると言っていたが。

むしろ逆に、税制見直しで家計への再分配をすることにより消費を伸ばすことも可能であると思うがどうだろう。

一方、財政再建には問題もある。国と地方合わせた借金は1050兆円、対GDP比200%に達し先進国一悪い財政状況とみられているが、純資産もあり実態は500~600兆円の借金という説もある。そうなれば何も問題はないのだ。

欧米では財政再建が叫ばれている。赤字財政をGDP比3%以内に抑えるのだ。日本はGDP550兆円として赤字は15,6兆円が限度だが実際には30兆円を超えている。それでも日本だからといってIMFも認めているのだ。

今、世界では「反緊縮」でポピュリズム台頭で政権が揺さぶられている。

財政出動か、税制改革かそれとも財政規律か。どれが役立つ政策なのか。自国通貨権を持つ国はインフレにならない限り財政出動しても問題にならないというMMT理論は異端の理論として正統派経済学から批判されているが、ある専門家は制度的事実から導かれた理論であると評価している。

今、どんな財政政策が制度的事実に基づき実施すべき政策なのか。




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