2022年に団塊世代が75歳に入るために高齢者医療の急増抑制に国が策をめぐらせている。医療費の削減と窓口負担の原則2割だ。新聞報道によると40兆円の国民医療費のうちで薬剤費が2割を占め、そのうちでも生活習慣病の薬を後発薬(ジェネリック)にすれば年間3000億円の削減になるというのだ。
読売新聞(2019.11.6)に先発薬と後発薬の薬価比較が出ている。
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先 発 薬
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後 発 薬
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高血圧
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140円
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53円
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高脂血症
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54円
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13円
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糖尿病
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44円
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30円
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予想したようにかなり差がある。特に高血圧は新しい薬が開発、市販されると薬価基準が高くなる。そして悪いことに血圧の判定基準が厳しくなるのだ。今回も血圧の基準が10mmHg下げられた。今まで要観察と言われていたのが要治療になる。週刊誌などでも批判記事が多い。
必要があるのかどうかわからないが、「お薬を出しましょう」といって処方される。投薬すれば医者は儲かると思うがそうでもなさそうだ。でも後発薬使用割合に応じて診療報酬も上乗せされているらしい。
そんなことまでしなければ医者はだめなのか。20年9月末で医薬品削減目標を80%に決めたが、現状では73%らしい。
私もゼネリック使用を言うと、医者は「問題ないでしょう」と認めるときがあるが、投薬する薬はきついのでジェネリックはだめですと言われたこともある。
面白いことがあった。
先発薬メーカーが同じ内容でゼネリックも提供しているのだ。薬剤師が今度医者に行った時は「ゼネリックと指定してください」とアドバイスされた。
以前は、ゼネリックは「効きが悪い」と聞いていた。製剤技術が遅れているのだろうと思っていたが、今は向上したのか。
年配の医者には昔ながらの弱い薬を処方する人もいてなかなか良くならない。薬局で「あの医者の処方は効果がない」と言うと薬剤師は「弱い薬を使っているから」と言う。らちが明かないので他の皮膚科に移ったら飲み薬ですぐ改善した。
生活習慣病でも基準値を超えるとすぐ処方する開業医がほとんどだが人間ドッグ学会の判断基準から言えば「要観察」の範囲だ。週刊誌にも頻繁に判断基準、飲んではいけないくすりの副作用が掲載される。情報過多の中から自分にあった開業医を探すことが大切だ。
基準値が超えただけの生活習慣病で基幹病院を受診すると紹介状がないと受診料のほかに2000円~5000円別にかかるし、開業医で紹介状をくれというと、「行ってみますか」と不審がられる。
高齢者の飲み忘れも多いようだ。自分だって飲んだかどうかわからなくなることがあった。近くに介護付き老人ホームがあるが、○○薬局と書いた車が止まっている。薬剤師がついて指導しているのだろう。金持ちは至れり尽くせりだ。
何種類かの薬を飲んでいて飲み合わせが悪くかえって体調を壊している例も多いらしい。減らしてみると体調がよくなったという例もあるらしい。
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