2019年11月25日月曜日

ローマ教皇核廃絶を訴え:それでもな何故、核開発なのか


来日したローマ教皇は予想通り「核廃絶」を強く訴えたが、トランプ大統領登場以来世界は逆行している。何故、核開発に進むのか。

2425日の私の注目したニュースはローマ教皇来日と香港の民主化運動下での区議会議員選挙だ。トランプ大統領の「アメリカ第一」により核拡散などに関する動きは大きく後退する中で、ローマ教皇がどんなメッセージを発するか。

また、香港の犯人本国移送問題から端を発し香港民主化に大きなうねりとなる区議会議員選挙が始まり、報道では過半数は勿論90%を民主派がしめる勢いだという。

注目のローマ教皇がどんなメッセージを発したか、25日の新聞によると、「核の威嚇に頼り平和提言ができるのか」と核の使用は勿論のこと持つことも倫理に反すると核兵器から開放されたときに平和が維持できるという。

貴重な資源の無駄遣いをやめ、人類全体の発展と自然環境保全に力を入れるべきだと当然のことを繰り返し主張する。

ところが米国を中心とした動きはトランプ大統領登場で大きく変わってきた。米ロ中距離核戦力(INF)全廃条約は失効、新戦略兵器削減条約(新START)は存続の危機といわれ、核不拡散条約(NPT)再検討会議は核保有国と非保有国の溝が深まるばかりだという。

ローマ教皇は、政治指導者だけの課題ではなく、すべての人にかかわるこれからの世代に対する責務だという。原爆、核実験、扮装の犠牲者の名の下で「戦略戦争や兵器はもう要らない」と叫ぶのだ。

イランからの核合意を離脱し経済制裁に走るアメリカ、米朝首脳会談で主導権を握ろうと核開発を進める北朝鮮、更には中国、インドが国威発揚のために核開発、宇宙開発に突きすすんでいる。将来は核を装備した衛星による核戦争も危惧されている。

オバマ前大統領は核拡散防止、削減に努めるとしてノーベル平和賞を受賞したが、その裏では「使える核兵器の開発」をやって、ロシア、中国がそれに対応しようとしている。

世界の指導者は国威発揚、外交交渉で主導権を握るために核開発に余念がないのだ。特に新興国には欠かせない手段となるのだろう。

今、改めて原爆開発のいきさつを調べてみた。

1905年アインシュタインがE=mcという有名な式を発表した。質量とエネルギーは等価という意味だそうだが、当時は誰もその重要な意味を理解できなかったそうだ。ところが1909年にマイトナーという学者が質量が消失してエネルギーに代わる。陽子の質量の1/5は丁度200MeVのエネルギーに相当する。ウラニウムの原子の中心にある原子核を分裂させてエネルギーを爆発させることができる。そして1939年に原子爆弾の開発になった(E=mc2  デイヴィっド・ボダニス著 早川書房 2009.7)。

原子爆弾の開発はドイツが極秘で研究、それを知ったアインシュタインがアメリカ大統領ルーズベルトに核開発を急げと進言した。それ以降アメリカの核開発が進みビキニ環礁実験、第五福竜丸事件につながり、研究者らによる原爆禁止運動に発展するのだ。

日本は唯一の被爆国でありながら核拡散防止に署名していないことが批判されている。安倍総理とローマ教皇との会談で安倍総理はどう感じるだろうか。

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