2019年11月3日日曜日

トランプ大統領の「米国第一」は何だったのか:同盟国を蔑ろにするトランプに再選があるのか

ここ3年間のトランプ大統領の「米国第一」は何だったのか、同盟国を蔑ろにし、その間隙を中国の拡大路線を許す。今回の「更なる米国第一」を掲げ大統領選に挑戦し再選の可能性も出てきたらしい。選挙権のない私たちも米国の大統領選の結果には大きく影響される。他人事ではないのだ。

新聞報道ではトランプ大統領支持4割、不支持5割でも米国の大統領選の特異性、対立候補の民主党が「多様性」を理由に候補者を一本化できず混乱状態だ。大統領選は長い選挙戦だ。その過程で政策、人物が分かってくる利点の多いが、トランプ大統領が支持拡大を狙って何を起こすか予測がつかない。

今回のイスラム国最高指導者バグダテイへの急襲作戦で死亡させた特殊部隊の作戦も背景には支持率上げを狙ったことは明らかだ。これで下院でウクライナ疑惑で弾劾調査が予定されているが帳消しにしても余りある成果とみるか。

グローバル化の見直しで多国間協議から二国間協議を重用、軍事力、巨大な市場を背景にけん制し、アメリカ優位の外交を展開する。相手国の譲歩を引き出すのだ。

そのもっとたるものが米中貿易摩擦だ。中国が約束を守らないとみると次々に高関税をかけ今や第4弾、米中協議もなされないままに世界経済は景気下降リスクを迎え、各国中央銀行は自国の経済を守るために「利下げ」「量的緩和の再開」を打ち出す。FRBもとトランプ大統領の強要(?)ではないというが、「利下げ」を決め、「量的緩和の再開」もにおわす。

各国銀行の金融正常化へ向けた工程も先送りだ。

アメリカ外交も大変そうだ。二国間交渉で実務者、閣僚級協議で合意しても最後はトランプ大統領のツイッターできょひされることもたびたびだ。閣僚の更迭も簡単にやってしまう。

いままでアメリカが築いてきた先進国との関係がぎくしゃくしてきている。米軍駐留費の負担増、「世界に警察官」否定、紛争国からの米軍撤退と同盟国の信頼は落ちるばかりだ。ホルムズ海峡安全確保の「有志連合」構想も参加国はたったの4か国、日本は別行動で参加という。

こんなことだから共和党の知日派とみられるアーミテージさんは「いつまでもトランプ大統領が続くわけではない。政策も変わる可能性もある」と警告するし、ペンス副大統領は中国の拡大路線を「陸海空でアメリカの優位を脅かす」と警告した。

今まで政策から疎外されていた失業者、衰退する産業、さびれた城下町のアメリカ国民
に寄り添う姿にポピュリズムの台頭を見た。再びポピュリズムで再選されるか。注目だ。



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