2018年11月13日火曜日

重さ(質量)の定義見直し、ニュートン力学から量子力学へ?

朝日新聞 2018.11.13
「キログラム原器 130年の重み」より 

これも「ニュートン力学から量子力学へ」と言う事か、物質の質量の定義が130年ぶりに見直されることなり「国際キログラム原器」と言われた分銅がお役目御免になり、今後は「プランク定数」をもとに定めるという。

物理学では物質の量を「質量」という用語が使われているが、私たちは日常生活で物質の重さをグラム、キログラム、トンなどで表している事になれている。ところが質量は重さではないのだ。

間際らしい事この上ない。「質量」は「物質量の尺度」なのだ。

しかし考えてみれば当然だ。アポロ11号に月面着陸での事を考えてみよう。アームストロング船長は宇宙船のタラップからヒョイと月面に降り立った。月の重力は地球の6分に一だから、たとえば80kgの大人だと13kgになる。質量は変わらないのに体重が変わるのだ。

重量(重さ)は力で力は質量ではないのだ。重力と重力場が影響しているのだそうだ。

物質とは何なんだ。物質は原子で出来ている。原子は電子と原子核、原子核は陽子と中性子から出来、今ではクオーク、グルーオンから出来ている。物質の質量の99%以上は陽子と中性子で出来ており、原子核の中に閉じ込められているというのだ。

これは私たち人間、周りにある石ころ、野菜、動物皆同じなのだ。よく物理学の本で「私たちは原子で出来ている」という。

質量は、物質の量を量る究極の尺度でどれだけの物質があるかを表すものという。

ではどうやって測定するのか。勿論、秤を使う。物体が下向きに発揮する力が「重さ」で物体の質量に比例するというのだ。「質量保存の法則」では、反応開始前の物質の総重量は反応後の総重量は等しいのだ。

では「質量」の起源は何か。
ニュートン方程式 F=ma  F;力、m;質量  加速度;a 物体は質量を持っていなければならない。

m=E/ アインシュタイン第2法則 E;エネルギー c;光速 エネルギーから質量が生じる。

このようにエネルギーの概念は質量の概念より遙かに重要になってきた。物理学の基本的方程式にはエネルギーが登場してきたのだ。ただE=mcは静止状態でのみ成り立つ。

量子力学的エネルギーEは、アインシュタインのE=mc プランクのE=hν h;プランク定数で表される。プランクは1900年、量子力学の基本方程式にhを導入、絶対単位の定義づけをしようとした。プランクは「数だけを使って長さ、質量、時間がどれくらいか、伝えることが出来るだろうか」と考えたのだ。

普遍的定数として光の速度c、ニュートンの重力定数G、プランク定数hを考えた。

物差し プランク長=1.6×10-33cm、

秤 プランク質量=2.2×10-5

時計 プランク時間 5.5×10-44

数だけを使って長さ、質量、時間を伝えることが出来る。このように普遍的定数を使うと地球外で人間が住んでいる場合、我々の情報を伝え、彼らも理解することが出来ると物理学者は期待する。

新しい定義はプランク定数を元に定めると原器を使わずに測定出来るというのだ。

量子力学、素粒子物理学は難しい。物理学は社会、宇宙の動きをほとんど把握していると言うがこれだけは理解しがたい。

私たちは小さな粒子から出来ているのだ。

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