2018年11月30日金曜日

今日の新聞を読んで(201):今一番大事なことは「チョット待てよ」と疑う姿勢か


今、あらゆる局面で大事なことは「チョッと待てよ」と疑う姿勢ではないか。数学者で著述家のガードナーの言った言葉らしいが、今、偉大な仕事を達成させたノーベル賞受賞者が「教科書に書いてあること、人の言うことを疑え」というが一番大事なことではないか。

今年ノーベル生理医学賞を受賞した京大名誉教授の本庶先生も同じことを言っていたし、以前受賞した利根川進先生も「教科書に書いてあること、権威者の言うことを疑え」いった。

読売新聞(2018.11.30)の編集手帳で科学懐疑主義を論じていることが目に留まった。中国の研究者が「ゲノム編集技術」を使って双子を誕生させた」ことを、科学信奉の隙間をつきエセ科学者が次々に現れても不思議ではないというのだ。

中国の研究者が遺伝子を効率に改変できる「ゲノム編集」技術を使って受精卵を操作し双子を誕生させたというニュースはセンセーショナルなものだった。私にとっては、理研の当時の若い女性研究者がSTAP細胞の研究を発表した時と同じ衝撃だった。

しかし、研究手続き、倫理、透明性などの欠如が指摘され「無責任で国際規範に反する」と批判され、国際会議の組織委員会が「第三者が独立した検証を行うこと」を提案した。中国人だったらやりかねないでは済まされない。

専門家の間でも疑いを持っている者も多い。だが、素人が「すごい」と感心してばかりはいられないのだ。大きな出来事には「チョッと待てよ」という姿勢が必要なのだ。

確かに今までもSTAP細胞のほかにも超電導でも突き詰めれば似非科学だったことがわかる例もある。

国内外を駆け巡るニュースも「チョッと待てよ」という姿勢で見直すと本質がわかってくるのだ。

特に政治の分野では安倍政権、与党自民党の言うことより野党の言うことの方が正しいことがある。野党の質問にも耳を傾けるべきなのだ。

外国人労働者の受け入れ(出入国管理難民認定法改正案)は今国会での目玉政策であったが内容は十分に煮詰まっているわけではなく、スカスカの「ざる法」と批判された。法務大臣の答弁も「検討中」が多かったらしい。外国人労働者を受け入れなければ日本がやっていけない人手不足が到来しているのだ。経済界からの強い要望があってのことだろうが、外国人労働者を多く受け入れることにより発生する社会問題、行政問題をクリアーしていないのだ。

10日までに成立させるというが、参院での与野党質疑を真剣に比較してみようではないか。

憲法改正では9条に自衛隊を明記することにより「自衛隊違憲論」を排除できるというがそんなに簡単に行くものか。むしろ逆に激しい違憲論が出てくるのではないか。自衛隊違憲論があるがために海外での自衛隊の活動がコントロールされているのではないか。為政者の思うが儘の国際貢献をやることができるし、米軍と一体となった行動もできやすくならないか。

「モリカケ」問題での安倍総理夫妻の憲政史上まれに見る疑惑事件は引責辞任に値するが責任を取ろうとしない。なぜなのか。

北方4島返還、拉致問題はあわよくばプーチン大統領の罠にはまったかもしれないし、拉致問題は「解決済み」の一点張りだ。安倍総理の発言に信頼性があるのか。

辺野古移設問題は安保条約との関連で地方自治体がどうこうできる問題ではないと思うが、在日米軍の問題は大きな政治問題で沖縄に大きな負担をかけ続けることはできない。2月に県民投票も実施される予定だが全国民が注目すべきだ。

秋篠宮の大嘗祭での問題提起は17億円と言う無駄遣いをやめようという提案でもある。政治的発言と批判されているようだが、無駄が多い。伊勢志摩サミットではプレスセンターを新たに作ったが会議が終わると解体してしまった事例もある。

リニア―新幹線建設は投資額、コスト、難工事と課題が多い計画である。いつ起きるかわからない関東大震災などでの代替交通路と考えられているようだが、どうだろうか。

消費税増税も賛否両論だが軽減税率では批判もある。安倍総理は「やる」と言っているが専門家の間では景気後退の恐れもあり反対するものも多い。財務省がよく言うことに国、地方合わせた謝金が1000兆円を超え、今1090兆円になっている。対GDP比245%ともいわれている。

これに対しては負債ばかりでなく純資産もあり考慮するといわれているほど大変なことではないという。国会でしっかり審議してほしいと思うが財務省の考えは変わっていない。

政治と言うものはあいまいなままで実施されるものなのか。曖昧だからこそ何かあったときにノラリクラリと責任回避できるのか。

政治問題だけではない。今は、教養番組、クイズ番組でも今までの教科書の記述が間違っているようだ。私たちが習った歴史とはずいぶん違っている。「教科書を信用するな」が理解できる。

テレビの「やらせ」も社会問題になり、社長が謝罪する始末だが、「事実」と見ている人間が多いのか。テレビの内容こそ「チョッと待てよ」の姿勢が必要ではないか。

疑ってばかりいるのもよくないが、「何の疑いも持たず信じている」こともよくない。

物事の本質を知るためには反対意見に耳を傾けるべきだ。「疑ってチョッと調べてみよう」と言う姿勢が大事ではないか。



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