2019年2月15日金曜日

対立する野党「統一名簿」構想:このままでは打倒自民どころか自民を利するだけ


参院選を控え野党が結集して安倍自民党政権に立ち向かわなければならない時期に、「統一名簿」構想で野党が対立している。これでは打倒自民より自民に利することになるだけだ。そこを見て、安倍総理は自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と言ってのけた。岡田さんが「撤回しろ」と言うが安倍総理は拒否だ。

要因は、立憲民主の枝野代表の考え方だ。枝野さんは野党のリーダーは自分だと考えている。安倍保守政治に飽きた国民は保守/リベラル(?)の立憲民主を支持し政党支持率が8%だが、保守系にあって親しみやすさは玉木さん率いる国民民主なのだが政党支持率はたったの1%、これでは統一名簿を作れば立憲民主への支持が減り、リーダー的立場に危機感を抱いているのではないか。

民主政治を踏みにじる安倍政権打倒を目指すなら野党第一党、第二党が選挙で議席数を増やす必要があることは分かっているが、その野党がいがみ合っていては国民の期待に応じることは出来ない。

考えてみよう、ちょっと前までは旧民主党→旧民進党で一緒に活動してきた政権も取った経験のある政党でありながら民進党の人気は上がらず、生き残りをかけた議員が上げ潮の小池新党になびいた。中には細野さんのように新党結成に関わった。設立された「希望の党」だったが、前原さんの言うように全員参加ではなく、小池さんの「選別します」発言で旧民進党議員は二手に分かれた。

振るいにかけられた議員を救うために受け皿として枝野さんが立憲民主党を設立し救済したのは確かだが、「希望の党」も希望が持てず旧民進党議員を中心に国民民主が立ち上がった。混乱の末に設立した経緯から国民の支持率も低いままだ。

枝野さんは「数あわせ」の烏合の衆を嫌う。だから主要政策での一致を重視するのは当然だろう。そこを考えると憲法改正、原発再稼働で旗印しは違う。何かあったときにこの違いが政党の政局運営に大きな影響を与え混乱する要因になる事は誰だって分かる。

でも、「数あわせ」「烏合の衆」を嫌っていては、政権交代の出来る選挙は戦えない。野党が合流し「数あわせ」で議席を獲得し非自民政権を作ったのではないか。民主党だって保守vsリベラルの構図はあった。でも政権奪取で一致団結していたのだ。そこに小沢さんという辣腕政治家がいたのも確かだ。

国民民主はどちらかと言えば保守系、憲法改正も「話し合う環境作り」が重要と言えば自民よりか。融通のある政党に見える。一方の立憲民主は保守リベラル(?)と見られ支持率を上げている。

自民党大会に引退した谷垣さんが登壇し「安定した政治」を望むスピーチをしたのも、安倍一強、右翼政治(?)で国民の批判をかわすための手段だったのではないか。

どういう政治体制が必要かは国民が選らぶ事で政党が選ばせることではない。だから統一名簿が出来なければ各党バラバラで闘えば良いのではないか。

たとえば、定数1に5人が立候補。自民、立憲民主、国民民主、共産、その他が考えられる時に、立憲民主、国民民主はどうするか。相手方自民候補に対峙できる立憲民主か国民民主に統一する方法もあるが、各党でそれぞれ出せば良いのではないか。選ぶのは有権者なのだ。

自民党が良ければ自民候補を選べば良いし、自民ではダメでも保守系がいいと思えば国民民主、やっぱりリベラルと思えば立憲民主になるか。一貫して政治姿勢の揺るがない共産党も可能性がある。

前の衆院選を見ても自民の獲得票数と野党の獲得票数を比べると確か51vs49だったと記憶している。野党が統一出来れば対等に戦えることも出来るのだが主導権(?)、意地もあって出来ないのだろう。それが自民有利の状況を作っている。

枝野さんがいる限り野党統一は無理と言った自由党の小沢さんの見方は正しい。

総論では野党が統一名簿を作れば五分五分で戦えると思うが、各論では自民が強い。選挙区ではその土地で根強い活動を繰り返している自民党候補者が強いし、落下傘候補でも自民党公認では重さも違う。比例区はその時のポピュリズムだと思う。

でも許されないのは、選挙区で落とされた候補者が比例区で復活する選挙制度だ。選挙区で落とされているのにどういうわけで比例区で当選するのか。比例区並記の慣れあいは禁止したらどうか。


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