2019年2月26日火曜日

第2回米朝会談序章(1):トランプ大統領の思わせ発言、金委員長のハノイ行軍


第2回米朝会談の成果がどうなるかわからないが、その序章は華々しい。金委員長の大名行列のようなハノイへの行軍、トランプ大統領の思わせぶりな発言が続く。私は期待する成果は得られないと見ているが2人の行動、言動を見ていると大きな期待ができそうは雰囲気に戸惑う。

一部始終を伝える金委員長の行動にどういう意味があるのか。

世界に金委員長の存在をアピールしているようだが、特に北に向かっては「トランプ大統領を会談に引っ張り出した」「これから交渉に行くってくるぞ」「非核化(?)とともに経済制裁を縮小し国内経済再建をやるぞ」とでも言っているようだ。

また、金委員長がしばらく国を空けても政権はびくともしないことを世界に見せつけているのか。

でもなぜ、中国やベトナムが北朝鮮の金委員長を厚遇するのか。ゆっくりとしか走らない特別列車の通過時間に合わせての交通規制、ホテルの営業中止、要所票所での歓迎セレモニーには驚く。

輸出で儲けるような国ではない。中国はアメリカに対して後ろ盾の存在をアピールしている。ベトナムは社会主義国としての経済発展の参考になるし今後の北朝鮮でのアドバイサーの可能性もある。

北朝鮮がベトナムのような経済開発に成功するのは政治体制も問題だが、優秀な人材が迫害を受けている現状で人材の活用ができるのか。

トランプ大統領だって世界を注目させるためかどうかわからないが、思わせぶりな発言が目立つ。

「とてつもないことが起こるるだろう」と言い放ってハノイに出発した。「非核化に向けた賢い選択をするだろう」と金委員長の譲歩を期待する。「非核化すれば経済発展が待っている」と言うのだ。

でも一方で、非核化は急いでいない。核やミサイルの実験がない限り我々は幸せなのだと言ったこともある。

トランプ大統領は非核化が十分でなくても制裁解除を考えているのではないかとの憶測も流れるがポンぺオ国務長官は「非核化が実現するまで制裁を解除しない」という。

国連安保理も「国連安保理の経済制裁が今回の会談をつくりあげた」と自画自賛だが、内心は制裁が骨抜きになることを恐れている。

米朝会談で日本の立場はどうなるのか。安倍総理は電話で拉致問題解決に向けて口添えをトランプ大統領に頼んだようだ。

でも経済制裁の行方によっては日本は厳しい立場に置かれるだろうことは想像がつく。トランプ大統領の前では金委員長も頭を縦に振るだろうが、帰国後、ラジオで「拉致問題はすでに解決済み」を繰り返すのではないか。日本の存在が認められるのは制裁解除後の経済開発でカネをせびるときだけだろう。その時が日本のチャンスと言う見方もできる。

セレモニーや思わせぶり発言で右往左往する時ではない。主張のすれ違いは当然として、金委員長とトランプ大統領が会うことができる環境が大事だと思っているのではないか。

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2019.2.7掲載
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