2019年2月22日金曜日

「その行為見られているぞ」:日常生活でのルール違反には「見ているぞ」を知らしめること


日常生活で犬の糞の放置、タバコの吸い殻、空き缶、ペットボトルのポイ捨てなどのルール違反が目立つが、「その行為は見られているぞ」という意思を伝えることがルール違反、反道徳行為の防止に役立つのだ。

朝日新聞(2019.2.23)の天声人語に注目した。町には犬の糞の放置などルール違反が目立ったがその防止にはステッカーなどを貼って注意を喚起するよりも「誰かが見ているぞ」と知らしめることが問題解決に役立つというのだ。

京都府宇治市が取り組んだのは、路上に放置された糞の周りに黄色のチョークで丸を付け、日時を記入したのだ。犬の散歩中に糞をするが、「誰も見ていないだろう」と放置してしまう。ところが誰かが気がついて丸印を付けると「見ている人がいる」という心理が抑制に働くのだという。それによって宇治市では黄色のチョークでルール違反を激減させたのだ。

これと似たことは私も経験がある。

私の住んでいる地区でゴミ出しの日ではないのにコンビニで買ったと思われるペットボトルに食べ物を包んだ包装紙の入ったレジ袋が毎日捨てられていた。あるとき誰が捨てていたのか分かった。近くに駐車した土木作業のトラックの運転手だった。

車の窓からポイ捨てしたので拾って駐車場に戻した。同じことを何回も繰り返したらついにその運転手はポイ捨てをやめた。「誰かが自分の行為を見ていること」がわかったからだ。

マンションに住み始めてエントランスに生ごみの入ったごみ袋を放置する住民がいた。エントランスホールに持って入って「廃棄した人はごみ置き場へ」と記して誰でもわかるように置き注意喚起したが、管理人が片づけることもあったので効果があったかどうかはわからない。

このやり方はカラスの撃退法にも通じるらしい。生ごみの収集日には必ずカラスが跳んできて生ごみをあさり道路に散らかす。近づいて追っ払うと跳んで行って近くの電柱に止まり、こっちを見ている。

そのときは「指さし睨みつける」ことが大事だという。「見ているぞ」と言う意思を表すことなのだ。急がしぶって「見て見ぬ振り」をすることが一番だめなのだ。これはカラスの専門家の話だ。人間の世界と同じだ。

これは会社の仕事でも同じだ。現役時代、ユーテイリテイ―供給部門にいたので仕事場は外がほとんどだ。設備の周りには砕石が敷かれているが、設備の修理らメンテで不要になった部品がさび付いたまま放置されていた。

毎日、午前、午後の巡視の時間に放置された部品などを集めて誰でもわかるように通路にまとめて置いた。担当者が片づけていた。こういうことを毎日やっていたら他のものもやるようになり職場の4Sが進んだ。

4Sを徹底していると運転中の機器の部品が外れて落ちていたのを担当者が見つけることもできた。

大きな給水管にピンホールができそこから工業用水が噴き出ていたのを朝の巡視で見つけた。担当者にわかるように通路に方向と「給水管に穴」と黄色のチョークで書いて知らせたこともある。担当者は慣れっこになってそこまで注意が行き届かなかったのだろう。

そのほかに不安全は箇所が見つかればチョークで注意書きしておいたこともある。

私の住んでいる地域では散歩中の犬の糞は飼い主が処理し水をかけているが本当に時々ではあるが放置されているのを見るだけだが、空き缶、ペットボトル、タバコの吸い殻、マスク、ティッシュペーパーなどは相変わらず目立つ。

恐らく「誰も見ていないだろう」との安心感からポイ捨てするのだろうが、必ずどこかで「誰かが見ているのだ」。

町を歩いているとタバコに火が付いたまま風に吹かれて転がっているのを見ると火事にならないかと恐ろしくなる。今のご時世は注意すると殺される場合もあるのだ。

何時ぞや、何かで「あなたは見られている」(空き巣の被害を防止するポスター?)というフレーズを見たことがある。ルール違反の抑制に心理的圧力にならないか。

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