2019年2月27日水曜日

デフレは「がまん」「節約」の結果、「脱デフレ」は思い切った政策転換で


なかなか脱出できないデフレだが、原因は日本人の特有の「我慢」「節約」の結果ではないか。デフレマインドを払しょくし「脱デフレ」を狙うのであれば思い切った政策転換をし、国民が今度は本気だと期待感を高める必要があるのではないか。

日銀の異次元の金融政策も国民の期待感に訴えるものだったが、象牙の塔の政策にも市場、消費者は答えてくれない。2%物価目標が達成できなければ、いつまで低金利が続くのか。

安売り、値下げの価格破壊も暮らしにはよくても経済の悪循環になる。物価は上がらず、売り上げは伸びず当然に賃金は上がらず消費は低迷、「デフレの罠」に陥る。技術革新から導かれたものではないので経済の好循環には貢献しない。

雇用が改善しているというが内容は非正規従業員の増加であって賃金、給与は伸びない。消費者は「我慢」「節約」で低金利の預金は増えるが消費は増えない。

企業もM&Aや輸出で儲けるが家計への再分配は期待できず内部留保は500兆円に迫る。吐き出させるために課税しようとすると2重課税だと経済界は猛反対だ。

社会保障の個人負担は増加し、年金支給額は減らされる。個人消費に占める高齢者の割合が減ってくる。

アベノミクスの金融政策で短期、長期の金利をゼロ近くに保っているため銀行金利は安く預金しても利息は微々たるものだ。財布の口は開かない。

デフレと表現しながらの経済政策は間違っている。国民のデフレマインドが強いので何をしても解決できない。

成果の出ない政策を如何に統計不正までやって継続しようとするのか。今までの政策で成果が上がらなかったら思い切って政策転換をやり本気度を国民に示すべきだ。そのためにはダラダラ旧来の政策を続けてはいけない。突然のサプライズで国民、市場の期待感を膨らませるのだ。

デフレ脱却はその手しかない。

思い出してほしい。長い期間の株安、円高で日本経済が疲弊していたが、安倍政権の異次元の金融政策で一気に株高、円安で日本経済は息を吹き返したように見えた。

非伝統的金融政策と批判され期待ができないといわれていた。今はその通りになってきたが、当時は欧州の経済の動きと相まって安倍総理のアベノミクスは成功した感があった。民主党政権と政権交代のチャンスが出てきた時の衆院選では自民党の若手候補者まで「市場にカネを流せば物価は上がる。こんなことがわからないのか」と有権者に訴えたほどだ。

安倍自民党上げての説得に国民は大きく期待し多くの自民党議員を国会に送った。

しかし今は、企業は儲かるが家計への再分配の賃上げがうまく進まず消費、物価が伸び悩む事態になった。非伝統的金融政策でトリクルダウンなど期待できないと海外の経済学者は首をひねったものだ。

政府は財政出動で経済の好循環を狙っているが税収も増えず赤字財政は続く。赤字財政を覚悟で政策転換を図ったらどうか。

年金を下げて高齢者を苦しめるのではなく支給額を上げ高齢者、シニアの消費を伸ばすこと銀行の金利も上げる事が出来れば良いが、日銀の低金利政策が問題だ。預金金利を上げるのはそれ以上の金利で銀行が貸し付けしなければならないが、その可能性があるか。

賃上げも大事だ。政府は3%を経済界に要求したが経済界にも考えがある。将来への負担増に抵抗しているのだ。しかし内部留保としてため込んでいる。これを家計への再分配に使う事だ。中小企業で賃上げの難しいところは工賃値上げで還元したらどうか。

法人税、富裕層向け優遇税制を見直すべきだ。これが一番の家計への再分配のシステムだ。日本を代表する大企業が微々タル納税で済ませていること自体がおかしくないか。日本社会の維持は企業の社会的責任だ。

法人税、富裕層優遇税制見直しで浮いた財源は雇用、少子化、子育て支援に充当すれば良い。雇用も非正規従業員を希望により正規従業員にする政策をとれば若者も結婚が出来、子育ても出来るようになる。若者に希望を持たせることが少子化対策だ。

銀行の預金金利を上げるのは金融政策もあって難しいだろうが、思い切った政策のサプライズで国民の期待感を上げてみてはどうか。

同じ赤字財政なら従来とは違った手を打ってみたらどうか。国民の「我慢」「節約」の意識を払拭させてみてはどうか。



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