野党統一へ向けての政策協定の第一歩の苦悩がありありだ。自由党の小沢代表と国民民主の平野幹事長が合流に向けた政策協議を行ったと言うが、その焦点が原発、安保、消費税増税だという。参院選に向けて野党統一で急ぐ必要があると言うのだ。
ところが野党第一党の立憲民主党の政党支持率が8%であるのに対して0~1%の自由、国民民主が合流してどうなるというのかという考えが国民には強いだろう。でも野党統一の第一歩としては意義があるかもしれない。
原発政策について野党の「2030年代までに原発ゼロ」に至る過程も色々あった。その前に「原発再稼働反対」がある。自由党は再稼働反対だが国民民主や立憲民主は支持母体に連合が有り、電機労連がメンバーで原発反対の方向付けが難しい状況にある。
自民党安倍政権は原発再稼働で電気事業者の経営は好転し、重油の輸入量は減り、電気代も安くなる。良い事づくめを主張するが、巨大地震の発生が危惧されている今般、3.11東北地方太平洋沖の悪夢は避けたいだろう。
2030年代というと後10年後、原発の状況がどう変わっているかだ。安倍総理は先頭に立って海外への売り込みに躍起だったが、海外での原発開発のプロジェクトは費用高騰で頓挫している。ドイツなどはエネルギー政策に自然エネルギー、風力発電などの割合が高い。
原発再稼働、原発更新に有権者がどう判断するかだ。放射性廃棄物の保管施設など課題が多く残っている。トータル経費で原発が有利という評価は間違っているのは確かだ。
日本の安保政策は日米安保同盟に基づいているが如何に沖縄の米軍基地偏在問題があろうともこの方針は変わらないだろう。中国の尖閣諸島領海侵犯も米国が「尖閣も安保条約の範囲内」と言えば抑止力になる。
一方逆に中国や北朝鮮は敵視しているし、北方4島返還交渉では足かせになっている。2島を先行して返還しても米軍基地建設には警戒しているのだ。
消費税増税には旧民主党政権が賛成していた。そのメンバーだった国民民主がどう判断するか。社会保障、少子高齢化政策に税収分を当てる考えに反対はないだろう。
ところが今、安倍政権は統一地方選、参院選を目指してアベノミクスの成果を主張するために何を間違ったか統計資料の不正を始めた。そうまでして成果を出したいのだろうが逆に賃金上昇率はプラスどころかマイナスだったという。
そこまでやろうとしている安倍政権だから消費税増税で景気に下振れがおき、益々景気回復の実感が遠のくと選挙にも大きく影響する。側近連中から「増税先送り」のアドバルーンが上がっている。
それでも増税への姿勢は変えていない。国民民主、立憲民主はどう判断するかだ。「景気後退は一時のこと、税収増による社会保障制度は半永久」と考えるか。
忘れてならないのは今回上がっていなかったようだが憲法改正だ。
安倍総理は今までの自民党改憲草案にある国防軍の設置を無視し、憲法9条に自衛隊明記を提案し自衛隊=憲法違反を払拭しようとしている。今までの自民党で憲法改正を推進してきた議員に変えてお友達を責任者に据えて国会審議を推進しようとしたが、その発言が顰蹙を買い裏目に出て国会での審議は進まない。
国民民主は「議論する環境作り」を提唱してきたが今は考え方を変えたようだ。立憲民主は「安倍政権のもとでは憲法改正反対」を主張している。当然の主張うだろう。
安倍総理は急ぐが、国民の民意は最下位クラスで急がない。「憲法改正は自民党の党是」と言うが「岸家の・・・」ではないか。
基本政策に統一は必要であるがそれを押し通すと自由、国民民主、立憲民主の野党合流は不可能だ。
でも自民党を見てみないか。自民党だって原発、安保、消費税、憲法改正にはいろんな意見が混在している。それでも議席多数の大所帯でもまとまっている。党内意見をどうまとめているのか。
「政権維持が第一」なのだ。だからどんなに意見が違っても最後は総裁のリーダーシップで仕方ないとまとまるのだ。
でも旧民主党はどうだったか。小沢さんの存在は権力の二重構造でまとまりの無さを証明した。労組に立脚しているので各グループが好き勝手なことを主張しまとまりがない。小沢さんを欠くと強力なまとめ役がいなくなった。
解散総選挙に打って出た結果、惨敗すると民主党員は野田総理を徹底的に批判した。最大の悪者は自分たちである事を忘れてのことだ。こんな議員達に政権交代のチャンスなど二度と来ない。
何か他に統一目標がないと野党統一、合流は難しいのではないか。「民主政治を揺るがす安倍政権打倒」になるチャンスだと思うのだが・・。
このままでは有権者は自民に投票、その結果40~50の議席を減らしても自民党政権は維持できるのだ。
国民民主と立憲民主は主導権争いをするのではなく「小異を捨て大同でまとまる」姿勢を国民に示すべきだ。安倍政権がアベノミクス、自民党政権に戻って経済は回復したと宣伝しているが、専門家には民主党政権の方が経済は好調だったと言う。決して安倍総理の言うような「悪夢の民主党政権」ではなかったのだ。
国民が枝野総理を望んでいるのか。
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