2019年2月13日水曜日

「悪夢のような民主党政権」、では安倍政権では「いつでも夢」か


自民党大会で安倍総理が民主党政治を批判して、「悪夢のような民主党政権に戻っていいのか」と党員に問うたことで物議をかもしている。では安倍総理に問う、安倍政権はどんな政権なのか。思いつくのはウソで固まった「欺瞞政権」でも「いつでも夢」か。

確かに民主党政権時は悪夢だった。3.11東北地方太平洋沖地震とそれに伴う巨大津波は多くのものを飲み込んで、福島第一原発では津波対策を怠って原子炉メルトダウンの大事故を起こし、近隣町村は住み慣れた土地を追いやられた。

未曽有の災害だけに当時の民主党・菅政権の対応には不手際も目立った。しかしその時、野党だった自民党は何をしたか。菅総理は自民党に谷垣さんを副総理格、震災対応で入閣を打診したが、当時の自民党は「民主党政権に手を貸すことはない」と拒否し、対応の不手際を批判するばかりだったのではないか。

この「悪夢」発言をめぐり岡田さんが予算委員会で「当時の民主党政権は自民党時代の問題をかかえ、その処置に追われていた」「発言を撤回せよ」と迫ったが、安倍総理は拒否、「ではなぜ、民主党の名をかえたのか」と逆襲する了見の狭い姿をさらけ出した。

ところが小沢さんが面白いことを言った。「自民党が下野したから悪夢だったのだろう」「また悪夢を見るぞ」と皮肉った。

確かに民主党政権はうまくいかなかった。政権を取るために「大ぶろしきを広げ」過ぎた。予算措置も考えなかったので政策の多くはとん挫したが、中には「事業仕分け」で成果は別として国民に国の予算を考えるきっかけは作ってくれた。

普天間問題で自民党政権時と差を付けようと鳩山政権は右往左往したが、結局は自民党時代と変わらなかった。

菅政権は市民運動家出身で期待もされたが、理想と現実の違いで四面楚歌になった。

続く野田政権も松下政経塾出身らしく政治感覚は良かった。「前へ進める政治」は共感したが、長続きしない。政局はすでに「いつ解散総選挙か」に動いていた。

そのとき、安倍総裁との党首討論で「いつ解散か」と問われ、「約束してくれれば明後日解散します」と宣言し、解散総選挙になったが民主党への信任はなく、自民党に政権を譲った。今でも野田さんが民主党をつぶしたと思っている議員が多いが、宿命だったのだ。

その後、野田さんと安倍総理が予算委員会でやり合ったが、野田さんは「約束したことを実行していない」と迫った。

では安倍政権は夢があるのか。

アベノミクスの第一の矢「異次元の金融政策」で市場にカネを流し円安、株高を狙った。当初は効果もあったようだが所詮は非伝統的金融政策だ。アベノミクスで物価は上がらない、賃金も上がらないので消費の伸びず国内需要は停滞だ。

財政再建と言えば社会保障費などの削減で弱い者いじめ、「若い世代にも社会保障の恩恵を」と言うが予算のばらまきで財政再建は先延ばし。安倍さんの任期中にはできない。

無理してアベノミクスの成果を出そうとしてGDP600兆円に向けて計算の見直し、厚労省は「毎月勤労統計」の不正で実質賃金はプラスどころか、マイナスだったという。この結果、政策の根源となる統計資料の不正は国民に嘘をつく政権になった。

さらに自らの不祥事を隠すために森友、加計学園疑惑は国有地の格安払い下げ、財務省の公文書改ざんなど民主政治の根幹を揺るがす結果になった。

防衛省の日報隠ぺい事件はシビリアンコントロールを疑う事態になり、憲法改正で自衛隊を明記することなど問題外ではないか。

自然災害も多発している。安倍総理は災害地視察でパフォーマンスを見せつけるが復興はおぼつかないようだ。

外交だって得意そうで国会審議をさぼってでも世界を飛び回っているが対中国、対ロシアでは国益を害する行為が目立つ。安倍さんは自分の政権時で解決したい考えが「前のめり」になって不利な外交を続けている。

拉致問題は直接のパイプがないために米朝会談でトランプ大統領に口添えを頼む度に高額な兵器の購入を約束させられ防衛費はGDP1%枠を反故にしなければならなくなった。

今後3年間を国民は安倍政権にどう耐えていくのか。

悪夢のような民主党政権を引き継ぎ安倍政権は「うそつき」「欺瞞政権」ではないか。


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