日本ばかりでなく、フランスでもゴーン被告の悪事が明らかになっているが、あの「推定無罪」「長期拘留批判」はどうなったのか。ルノー本体でもゴーン被告による私物化、フランス政府も30億円という退職金の高額さに目をつぶることが出来なくなった。
特にオランダに設立したルノー日産BVでの悪事は目に余る。ルノーの女性役員に報酬が支払われていたことからもルノーにもゴーン被告の私物化事案があるのだろう。販売促進のために中東の知人が経営する企業に資金が拠出されていた。
最近出て来たベルサイユ宮殿でのルノー日産の提携15周年記念行事費7500万円にも自らの結婚披露宴600万円が含まれていたらしい。公私混同も甚だしい。
東京地検特捜部がゴーン被告を逮捕した時の容疑は高額報酬を隠すための有価証券虚偽報告であり、形式犯でどうして身柄を拘束するのかと専門家の間からも批判がわき起こり地検特捜部の立場も危うかった。
その後、海外での住宅、ヨット購入、サウジアラビアの友人企業への巨額の支出は自らの投資の損失を日産に一時肩代わりさせ、後取り戻した疑惑との関連が問題になり日産の私物化が明らかになり業務上横領の疑いも出て来た。
日産のカネを自分のために使うために組織や人事をまで手を付けていたのだ。
常識で考えてもゴーン被告には不利な状況が続くが、ゴーン被告には闘う用意があるらしい。
まず、肩代わりさせるような行為はしたが、日産に実害は発生していないこと。それぞれの事案で弁護士に相談して合法的との報告を受けていると言う。しかし相談した弁護士は外国人弁護士であり「グレーゾーン」も合法と判断したのか。
他人は私物化と言うが自分は日産にためにやったことだ。海外での日産車の販売促進、海外活動を円滑にするための資金の拠出だ。
権力を集中させたことがこんな結果になったと言うが、ルノー、日産、三菱の三者連合のためであり今回の日産の動きは追いだしのためのクーデターだというのだ。
恐らく公判になってもこの点を主張して闘うつもりだろう。当初は日産、東京地検に不利とみられていたが、今はルノーでも疑惑が出て、CEO等を解任されたことで日産、東京地検は優位になってきたか。
ゴーン被告側は保釈請求を続けたがどうなったか。こんなにまで悪事を働いて「保釈しろ」はないだろう。身柄の長期拘留が問題視されていたが日本の法に従って勾留が続くのではないか。
日産がピンチになった時のルノーの6800億円は貴重な資金だっただろう。助かったと喜ぶ従業員もいただろう。あの時は日本側でも支援の動きがあったと記憶しているが、どうしてルノーになったのか。
日産は業績回復で今ではルノーが日産に助けられている。今までで8600億円を日産から受け取ったことになると言う。だからルノーは日産に逃げられると経営危機に陥るのだ。
フランスのマクロン政権は富裕層対策で国民の大反対運動を受けている。今、ゴーン被告に退職金を払うと31億円にもなり、政府が大株主である以上は認めるわけにはいかないのだろう。
日産も高額報酬の未支払い分91億円を臨時株主総会で有価証券報告書に掲げるらしいが支払いは拒否するという。
何かしら出てくる数字は巨額だ。これがもらえないとするとゴーン被告は損害賠償をやってくるだろう。日産、ルノーは何と相殺し減額できるか。
喫緊の課題として日産はゴーン被告を取締役から解任することだが、問題の会長職にルノーからではなく、三菱の益子さんを会長に据える人事を考えているようだ。
ルノーはバックにフランス政府が付いているので、日産は三菱グループが背後にいることを強調するつもりなのか。でも三菱が経営不振だったときに三菱グループは支援を諦めたのではなかったか。
ゴーン被告は外堀も埋まり窮地に立っているが、それでも公判で名誉を回復することを楽しみにしているという。「負け惜しみ」にも聞こえるが、これでカリスマ経営者の箔は剥がされ、ただの貪欲経営者、コストカットだけの経営者と言う事になるのか。
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