2019年2月18日月曜日

プラごみ、マイクロプラスチックの脅威:新興国の未処理、ゴミの山から河川、海へ流出、広域海洋汚染へ

朝日新聞 2019.2.17

プラスチックごみの脅威が叫ばれ出したか。新興国での未処理のプラスチックごみが陸から河川、海へ流出、毎年800万トンが流出し50年までにプラスチックの量が世界中の魚の総量を超えるというのだ(16年ダボス会議)。

朝日新聞(2019.2.17)「地球異変 プラごみ漂う「地上の楽園」の写真には驚いた。洋上漂うプラスチック製品の破片、網状のもの、シート状のもの間を泳ぐ魚の群れ、バリ島の観光地クダビーネに打ち上げられたプラスチック製の容器などのごみ、そしてニューデリーのごみ処分場に高く積み上げられたごみの山と有価物を拾う人たちの姿。これだけの現実を見せつけられると環境保護団体は何をしているのかと思うが、一生懸命やっているのだ。

そして南カリフォリニヤ大の「プラスチック拡散シミュレーション」はごみが集まる海域「太平洋ベルト」をくっきりとあらわしている。あの3.11東北地方太平洋沖地震での巨大津波で海岸沿いは総なめされたが、ボート、漁業器具、鉄の箱などがアメリカ西海岸で見つかっている。

シミュレーションの正確さがわかる。

流出国を見てまた驚く。世界覇権をアメリカと競っている中国が353万トン/年で最大だ。「発展途上の大国」で環境問題への立ち遅れを隠しているのか。インドネシア129万トン、人口増に処理が追いつかないインド24万トン、そして日本は30番目で5.7万トン。

雨期になると流出量が増えると言うからゴミの山から河川へ、そして海へと流れ出る。高く積まれたプラスチックなどの山はブルドーザーで締め固められるだけだ。風で吹き飛ばされたりや雨で崩れ出すのだ。

笑ってばかりはいられない。東京都だってレジ袋などプラスチックゴミ類は中央防波堤の埋め立て処分場に埋められ風が吹けば吹き飛ばされ、埃は舞い上がり、ハエなどの害虫が飛び回る状状況が、つい前まではあったのだ。その後焼却処理がされ熱はエネルギー回収、焼却灰は埋め立て処分されることになった。当時はプラスチックを焼却すると高温になり炉を傷めると言われていた。

日本でもNPO法人が河川のプラスチックゴミの調査を行ったことが新聞出でていた。日本でもプラスチック類、マイクロプラスチック等が見られたが、一番多いのは河川敷のゴルフ場に敷かれたプラスチック製人工芝生だったという。雨などで河川に流出したのだ。

町に住んでいてもプラスチックゴミの飛散が見られる。夏季には自動販売機の横に置かれた回収ボックスが一杯になり溢れて道に飛び散る。近くの川を見ると段差がある箇所では流れ着いたプラスチックゴミなどが下のくぼんだ水溜まりで上下動しながら滞留している。こんな小さな河川でもそうなんだから大きい河川はモット大量に流れているのだ。

これらの環境問題を受けてストロー、レジ袋の削減が始まった。スーパーの食品売り場では12円取られる。予めレジ袋やバッグを持って行き「レジ袋は要らない」というと「ありがとうございます」と言われる。

でも不思議なことは日用品売り場、雑貨品売り場、文房具売り場では何も言わずにレジ袋を渡される。チョット中途半端な対策だ。買い物が少ないときは「テープ」を張って下さい」と言う事にしている。

コンビニや薬などの安売り店でもプラスチック袋をくれる。有料になっているかどうかは分からない。

以前、杉並区で始まったレジ袋削減、マイバッグ持参も年配の人はやっているようだ。でもレジ袋削減は28%削減(?)で頭打ちになったと聞いたことがある。

忙しい勤め人にはそんな事をやる余裕がないのだろう。

でもレジ袋が悪人のように言われているが、決してそうではない。買い物が終わると廃棄されるのであれば無駄遣いになるが今では「生ゴミ」を入れ、ゴミ出しに役立っているのだ。空き缶、空き瓶、ペットボトルなどもレジ袋に入れて出す。

レジ袋が廃止されたらゴミ出しから考えなければならなくなる。代わりに紙袋も考えられるだろうがどうだろう?

特に気になることは廃棄後紫外線などで劣化し5mm以下のマイクロプラスチックゴミになった時だ。細菌や有害物質が付着する。それを魚が食べ、その魚を人間が食べる。食物連鎖で最後は人間が犠牲になる。既に人間の体に侵入しているのだ。研究者によると排泄物にマイクロプラスチックが含まれているし、水道水にも見つかったという。切迫した環境問題だ。

こう言う便利なプラスチック製品を作って生活は楽になったが、廃棄物処理は完全に遅れている。中国などはアメリカと覇権争いをし、経済成長で世界経済を引っ張っていると言うが環境問題は後回しなのか。外部不経済で扱ってはいけない。

最近チョット違った動きがある。今までペットボトルなどを輸入し回収再生していた中国がプラスチックなどの廃棄物の輸入を禁止したのだ。理由は中国の環境汚染防止にあるようだ。困ったのは今まで高価で買ってくれていた中国がダメになったのだから衝撃は大きい。廃プラスチックや故紙の行き場がなくなったそうだ。

中国も「発展途上の大国」と妙なことを言わず先進国への仲間入りをして環境汚染防止の責任を果たすべきである。


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