2019年2月23日土曜日

自民党の「魔の三回生問題」:議員の質が悪いのか、政治システムが悪いのか


またまた自民党国会議員が破廉恥な不祥事を起こした。「魔の3回生」問題と言われているが議員の質が悪いのか、国会の政治システムが悪いのか。おまけに二階派で当該議員の処分次第では主導権争いで内紛になるという。自民党にとっては二階幹事長と岸田政調会長、麻生財務相が関係しているのだから安倍長期政権もここまでか。

魔の3回生問題とは衆院選で119人もの大量の新人が当選し自民党が圧倒的多数の議席を確保し安倍一強独裁政権を築くきっかけになった。ところがその若手議員の間で不倫、政治資金で問題が多発し国会内でしっかり政治をやっているものと思っていたら国会外で大奮闘をしているのだ。

そんなに国会議員って暇なのか。予算委員会では頑張っている(?)姿が見られるがほかの議員はどうしているのか。

野党各党は所属議員が少ないために数種の委員会を掛け持ちすることになり忙しいというが、多数を占める自民党はやりたい政策の委員会にもなれずはみ出ている議員はいるらしい。そういった議員は何をしているのか。

おまけに比例区では選挙区に比べて有権者の顔が見えない。自民党では団体の推薦になるので尚更だ。どこに選挙活動すべきかわからない。

結局は国会議員としての仕事は投票マシーンだ。自分の政治信条とは関係なく政党の方針で投票する。反対すると次の選挙で公認されない。余程の地盤がなければ党には勝てない。郵政民営化の時は多くの事例を見てきた。

又、何の苦労もなく比例で当選すると有頂天になる。議員の特権は大きいのだ。誰かが言っていた。「3日やったら止められない」と。

最初の記者会見で「早く料亭に行ってみたい」「BMWに乗ってみたい」と言った為に幹事長から怒られた新人議員もいた。それだけ政局になると総理をはじめ政界の面々が国会近くの料亭で会合を持つ。その出入りをメデイアが追っかけるのが印象深いのだ。何でそのような会合があるのを知っているのかと疑問に思ったことがあるが、出席者の誰かが漏らしたり、自民党本部の記者クラブのある階の通路に掲示板が有り、情報が流されているのだ。

国会議員の中で一番人気のある予算委員会、誰だって希望すれば入れる委員会ではないだけあって質問に立つと選挙区向けになる。フリップまで用意して何を質問しているか分かるようになっている。

しかしこの委員会だって「やらせ」なのだ。

自分が質問したい閣僚に出席してもらう。質問は予め決められた時間内に閣僚に提出する。それに基づいて役所の担当者が答弁書を作成し大臣にレクチャーする。大臣は質問されると該当するページをめくりながら答弁する。フリップがないのでどう答弁しているのかはテレビを見ていても分からない。更に早口で答弁されると尚更だ。

予め事前通告がなかった質問には総理大臣だって答えにくい。「事前通告がなかったので」と答弁を拒否する大臣もいる。

悪いことに答弁書を持っているのに満足な答弁が出来ず、後ろから官僚が耳打ちしたり答弁書のページをめくったりするシーンが多い。野党はここぞとばかり集中攻撃する。委員長が「大丈夫ですか」と聞くこともあった。

曖昧な答弁、答えになっていなければ野党の理事が委員長席にかけよって何か打ちあわせする。すると大臣が再答弁する。

質問事項も答弁もペーパーに出来ているので全てがやらせなのだ。それを一堂に集まって読み上げているだけなのだ。

丁々発止の議論なら分かるが「やらせ」の議論は聞いていて真剣さがなく、これで真相究明、将来を見据えた政策の検討が出来るとは思えない。

疑惑解明に参考人、証人喚問が行われているが質問事項は事前に渡されているが証言する側は「刑事訴追の恐れがある」と拒否する。「知らぬ存ぜぬ」は逃げ口上だ。

「役人は地位はあるが中身がない」とは物理学者ではじめて原子核の構造模型を発表したラザフォードの言葉だが、今の日本の官僚にぴったりの状況だ。

そんな時、読売新聞(2019.2.23)「自民党研究 「弱い党内議論 国会改革を」での佐々木東大名誉教授の提言は価値がある。

それによると①政党が審議権を掌握すること。②党内議論をしっかりすることだ。

今、自民党は岸田政調会長が言うように官高党低で全て官邸が決め自民党は後追いだ。国会対策委員長がいるが政局運営は官邸の支持だ。

更に党内でしっかり議論することが大事だ。そうすると自民党議員は各委員会に属し政策を議論することが出来る。地方に帰れば地方の民意を汲み上げることが出来る。「憲法改正」より「経済成長」「雇用」「賃上げ」「社会保障」が上げられる。安倍政権の恣意的政策運営より党でしっかり議論された政策運営が必要ではないか。

佐々木先生は欧州のような政治システムが必要ではないかと言う。国会議員も国会閉会になると外国に視察に出かけていくが、本来はこう言う政治システムをしっかり勉強すべきではないか。

国会改革は喫緊の課題だが遅遅として進まない。進むのは政治活動にはカネが必要で金集めに奔走し政治をやる時間がないと言うのでカネのことは考えずに政治に邁進して欲しいと政党交付金制度を導入したが、一向に政治資金規正法違反が減らない。国民の税金からの拠出だが使っている目的が余りにも恥ずかしくないか。

世襲議員の増加も考え物だ。選挙地盤が強いことでえ新人の発掘が難しくなっている。

ある人に立候補を依頼したら、あらぬ事をほじくり出されるので家族に迷惑がかかると辞退する人もいるようだ。公人になるとその危険はある。一方で、有名人を候補者にし獲得票数を高め議席数を増やすやり方が目立つ。有名人=政治家か。自民党は特に団体を支持母体にし応援するから候補者も安心なのだ。

国会改革も国会議員がやるものだろうが、最終的には有権者のやる仕事ではないか。今の総理や側近連中はじめ国会議員のレベルは今の有権者のレベルなのだ。


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