2019年2月11日月曜日

大京アステージ管理費横領事件を考える(4):無関心ではいられない 管理組合、理事会を活性化するために


大京アステージのマンション管理費横領事件を考え、管理組合、理事会が重要になってくるが、被害に遭った管理組合は怒っているだろうが、他のほとんどの管理組合は今でも無関心のはずだ。どうすれば活性化できるか。無償のボランテイア活動ではなく有償にしたらどうか。

それでも人によっては資質の問題があり、有償にしても能力不足で仕事を完遂することが出来ない場合はカネの無駄遣いになるだけだ。

だとすると、マンション管理の専門家、弁護士を役員として理事会に雇うことだ。そうすれば管理会社の甘い管理にプレッシャーをかけることも出来、緊張感のあるマンション管理が出来るのではないか。

私も会計監査は専門的知識がなければ十分な監査は出来ないと考えて総会で専門家による会計監査を提案したが、「大京のどこが悪いんですか」と女性が発言し総会で反対された。今になって思えば「それ見たことか」と言えるのだが・・。

又、物件に構造上の問題が見つかり指摘した。理事会で「どうして皆さんは分からなかったのですか」と質問すると、理事長、理事、管理会社の担当者、課長もダンマリになった。「自分の家のことではないか」と問うと、一人の理事が「そういう気で見ていなかった」という。

今度の事件を考えると管理会社の責任は勿論大きいが、管理組合、理事会の責任も大きい。今までのように無関心でいると、今度は自分のマンションが被害に遭うことになる。

普通のマンションでは各階から2年ごとに順番で理事を決める。その人の資質など関係ない。「何をやって良いのかも分からない」「決められた日時の理事会に出る」「特に議案提出もしないので管理会社の提案した議案に賛成し2時間で終わる」程度に思っているはずだ。

管理会社もそう思っている。だから議案も管理会社が提出、議長も担当者任せでは管理会社に牛耳られているのと同じだ。

議案は管理会社任せだから修繕とか物品の販売の話で、マンション管理に重要な「管理契約」の内容見直しなど提案されるはずがない。手間にかかり、カネが必要な改善など御法度なのだ。

検討に一番時間のかかる予算、決算そして会計監査は、ほとんどが手抜きのはずだ。時間もないし、手間もかけられないので管理会社の都合の良いやり方になる。ど素人の管理組合はそれが当然と誤解している。

だから不正など見つかるはずがない。誤魔化せばいくらでもゴマ化せられるのが管理組合だ。だってド素人だから。

会計監査だって何故、その支出が必要になったか。理事会の決定? 見積は正当?工事、作業の検収がきちんとやられているか、そして支出? 時間がなければ少なくとも金額の大きい支出に対してはしっかりやるべきだ。うがった見方をすればやってもいない工事、作業に支出したことになる場合もあるかも知れない。

そして理事会の役員はしっかり役職を果たしているのか。「会計」は何をしているのか。支出の正当性をチェックしているのか。「記録」は理事会や総会の議事録を作成しているのか。管理会社に委託しているので作成された議事録にサインしているだけではないのか。

そんな事だったら理事長と管理会社の担当者2人でやったらどうか。そう言うと担当者は「それは出来ない」という。でも理事会の実体はそうではないか。

やっぱり理事会を活性化するためには専門家、弁護士などの理事への選任を考えた方が良さそうだ。何も分からない理事達も専門家の説明を受けてYES/ NOを決めれば良いのだ。

それとも全ての理事を組合員以外の専門家で構成することも出来るのだ。その場合も「監事」は管理組合員の中から選ばなければならない。その監事の役目を管理会社も誤って伝えている。マンション引き渡し後の一番最初の理事を決める時に管理会社は「監事は何もすることがない」と言った為に「はい はい やります」と手を上げた理事がいた。

とんでもない事だ。「監事」こそ重要な仕事を担っている。会計監査などは主要な仕事だ。今回の大京アステージのマンション管理費の横領の事実を見逃した責任は大きい。

自分の財産であるマンションを管理できない人間に所有の資格などないはずだ。管理会社も「善管注意義務」でもって管理しますと「任せて下さい」の宣言はしない方がいい。


0 件のコメント: