2021年3月31日水曜日

「バレなければいい」安心バイアスか:安倍・菅政権トップ、閣僚、官僚の相次ぐ不祥事

安倍前総理および昭恵夫人のかかわる不祥事、菅総理の総務省接待疑惑、そして閣僚の収賄疑惑、そして官僚の不祥事が続くが、その根底には「ばれなければいい」という「安心バイアス」が働いているのではないか。

総務省の接待疑惑は、以前に旧大蔵省の「ノーパンしゃぶしゃぶ」が世間を驚かした。力のあるトップクラスの官僚が金融機関の担当者に誘われて快楽にふけった。

「この程度のことならばれない」と思ったのか知れないが、誰かが見ているのだ。

本人はどう考えたか知らないが、その家族や子供たちは周囲から疑いの目で見られた。自宅はカーテンを閉め誰もいない状態になった。どこかに隠れていたのだろう。昼間は表を歩けないのだ。

当然省内では処分が始まった。国会では野党から質問攻めに会う。減給処分が通常であるが、ひどい場合は停職処分を受け、退職せざるを得なくなる。

総務省の接待疑惑も「大したことはないだろう」「 見つかることもないだろう」という安心バイアス、おまけに菅総理の長男も関係していると思うと大きな問題にはならないだろうと考えても仕方がないか。

追及を受けるたびに調査が進み、小出しの不祥事で減給処分になったが、さらにエスカレートし停職から退職に追いやられる。

山田内閣広報官は、これ以上追及されると何と言うかわからないと危惧した官邸が、体調不良で入院させたが、本人は退職に追いやられた。

「口封じ」だ。

新聞報道によると、「誰が漏らした」と調査したらしいが、総務省は旧郵政など3部門が合併した巨大組織だ。郵政部門が幅を利かす省内にあってよくは思っていない役人もいるのだ。そういう人間に刺されたのだ。

悪いことはできない。誰が見ているかわからないのだ。「安心バイアスは事故の元」だ。



WHO新型コロナ報告書:隠ぺい、拒否、誘導の中国支配下でその是非は

 日、米、英、韓国、カナダ、オーストラリアなど14か国がWHOの起源解明で中国寄りの報告書に「懸念表明」の共同声明を発表した。調査は大幅に遅れ、中国の隠ぺい、拒否、誘導の下ではとても調査の透明性は認められない。

専門家主導による干渉、不当な影響を受けない第2段階に調査が必要と言う。特に未知の感染症では中国の影響を受けない調査が必要なのだが、中国本土での調査は無理だろう。

2019年の12月ごろだったか、武漢の眼科医が「不思議な肺炎がはやっている」と警告を発したが中国当局により隠ぺい、実態がわからなくなった。

すぐに原因と挙げられたのが「ウィルス研究所からの漏えい」説だった。しかも人間には移らないという内容だった。

このウィルス研究所は米国も出資しフランスの技術で建設されたという。当初はいろん国が運営に関与していたが、そのうちに排斥され中国が運営することになったそうだ。新聞報道でも中国中からコウモリを集めてウィルス研究をしたというから、生物兵器の開発も疑われた。

この武漢を起源とする「ウィルス研究所漏出」説の他に「輸入冷凍食品」説、「コウモリを介入した中国以外の国」から始まった説、などが挙げられるが、習政権は武漢起源説を頑なに否定、中国を訪れたWHOのテドロス事務局長も習主席とともにバンでミックを否定、その後の世界的感染拡大の要因になった。

宿主を介しての人間に感染したことはわかっているが宿主の動物を特定すらできていない。

そして2019年12月の174例のデータ提供も拒否されている。

WHOの調査団が中国に入った時もすぐに調査活動ができず、足止めされた。その間に中国が隠ぺい工作をして取りつくったいたのだろう。許可が出た時は有力な証拠はない状態だったのだ。

米国の指摘していたウィルス研究所からの流出説も「極めて考えにくい」という。

米国は「中国寄りの調査」と批判、ブリンケン国務長官は「方法と家庭に懸念を持っている」と中国政府の意向が色濃く表れていると指摘している。

中国が対象国である以上はこれ以上に究明は難しいか。WHOをはじめ国際機関にカネと人材を派遣している中国の戦略に効果があった一例になるか。


小さな記事の大きな課題(24):公明党は人権より経済優先の政党だったのか

エッ、公明党は人権に疎い政党だったのか。米国バイデン大統領を中心に世界は、中国の新疆ウィグル自治区の人権問題、台湾、香港の民主化妨害行動で対中けん制を実施している時に公明党の山口代表が、日本は中国と貿易で圧倒的交流があるのだから 対中制裁に否定的発言をしたという。

山口代表は、人権侵害を根拠を持って認定できる基礎がなければいたずらに外交問題を招きかねないというのだ。

でも誰が見たって、新聞報道でも中国政府は間違っていることぐらい判断できる。山口代表は「根拠を持って認定できる」条件を何だと考えているのか。

その背景には、中国は日本にとっては最大の貿易相手国だ。中国の機嫌を損なうと経済に大きな支障が出るというのだろう。だから今、日本企業も中国から他の東南アジアに生産拠点を移しているのだ。

こういう山口代表の考えが日本の中枢にあるから中国は日本を見下している。何をやっても日本は手を出さないと思っているから尖閣諸島の領海侵犯、日本近海での地下資源に探査、漁業資源取りつくしなどやりたい放題なのだ。

安倍政権時習主席の国賓待遇としての訪日を予定していたのは、習主席を厚遇すれば尖閣問題も緩和すると思っていたからではないか。コロナ禍で延期になったようだが、中止ではなく日程を議論する時期ではないということで濁しているのだ。

自民党も二階幹事長が筋金入りの親中派だ。選挙を控え公明党が自民党に忖度しているのではないか。

中国の人権問題、台湾、香港の民主化妨害工作には断固反対すべきだ。それが公党の責任だ。

完成遅れるリニア新幹線:問われる存在価値と静岡県民の水問題

 新聞報道によると昨年6月に着工しなければ2027年のリニア新幹線開業は遅れるという。その静岡工区、8.9km 工期7.5年の着工が遅れているのだ。この工区は南アルプストンネル工事で工事により大井川の水量が減るという。流域市町村、農業団体など利水者とJR東海の交渉が遅れているのだ。

以前から言われていたが、リニア新幹線通過県では駅の設置が予定されているが静岡県は非常口と残土置き場が増えるだけでメリットは少ない。一方、水問題は県民生活、産業に大きな影響が出てくる。

新聞報道などを見ると、川勝知事とJR東海の交渉で知事がごねているように見えるが決してそうではない。県民の死活問題をかかえているのだ。次の県知事選で自民よりの知事が出たとしてもその状況に変わりはない。

一方で、原点に立ち返って考えれば東海道新幹線が災害などで運行できなくなった時の代替交通手段になるし、東京ー名古屋ー大阪を1時間で結ぶ7000万人の世界一の都市ができるというのだ。

でも南海トラフ巨大地震などで東海道新幹線が運行できないほどの震災が発生するときはリニア新幹線だって無傷ではない。震災による停電の影響は受けるだろう。乗客の救出をどうしるのか。

予算も大きい。東京―名古屋で5.5兆円、東京―大阪で9兆円、国家的事業だが財投は3兆円で後はJR東海の負担らしい。

でもダイアモンド・オンラインによると、維持運営費3080億円、設備更新費1210億円、年間4290億円かかるらしいが、東海道新幹線のキャッシュフローは約5000億円だとすると大丈夫かと言うことになる。

しかもコロナ禍以来、人出も減り東海道新幹線の収益も落ちる。利益で工事費を賄うことができるのか。

当初計画でも少し無理と思われるが、世界に日本の技術をアピールしたいだけではないのか。

いつまでも県知事とJR東海の交渉がゴタゴタしていてはまずいだろう。最後は一気に強制工事に進む可能性はないのか。

一方私自身には注目すべき点がある。リニア新幹線は中央構造線と直行するらしい。ここには最悪の破砕帯の存在しる。以前、関西電力が黒4ダム建設で作業トンネルを掘削していた時の出水事故はひどいものがあった。当時2年ぐらい工事が遅れたと聞いている。しかし、今は土木工事も技術の進歩もあるのであまり心配はないか。

また、工事を着手したのが難工事が予想される大鹿村地域からだ。ここには中央構造線博物館があり活断層を見ることができる。周辺は地層も脆く私が行った時にはあちこちで山崩れがあった。

作業用の工事が始まった時に地域の人が「地質が脆いので工事の変更」を業者に指摘していたニュースを見た。当然だと思った。最近ネットで様子を見るとあちこちの工事で宇甘崩れが発生していた。

注目すべき工事だ。




小さな記事の大きな課題(23):「桜を見る会」夕食会、安倍氏ら不起訴

 安倍前首相の後援会の「桜を見る会」前夜の「夕食会」にかかわり領収書を保管していなかったという政治資金規正法違反疑惑での告発に対して東京地検特捜部は安倍氏と元公設第一秘書ら4人を不起訴にしたという。

また、代金を値引きしてもらったことはホテル側の寄付行為に当たり政治資金収支報告書に記載していなかった告発に対しても大半が嫌疑不十分、嫌疑なしと判断された。

当時の新聞報道によると、夕食会開催は安倍氏事務所は関与せず、ホテル側と後援会員が個別に契約、支払ったという考えにくい言い訳を安倍氏は国会でも言い訳していた。事務所は領収書も保管していないし、カネも受け取っていないと説明していた。

また、通常の費用に比べて格安だったことはわかるが、ホテル側がどう考えていたかだ。ホテル側が寄付とは言わないだろうからどうしようもない。

国会審議で、野党議員から「こんなやり方を皆がやったらどうなるか」と聞かれた安倍氏は「この安倍方式では問題ない」と応じた厚顔無恥さには驚いたものだ。

証拠は何もない、関係者は違法性を認めないでは何もできないか。

検察審査会がどう判断するかだが、政治家の政治資金規正法違反疑惑は責任追及が難しい。ザル法だから仕方ないが。


2021年3月30日火曜日

新感染者数増加で第4波:メッセージのちぐはぐ、ルール破り、「気の緩み」で5月に再ピークか

テレビ朝日2021.3.29 Jチャンネル「早くも第4波? 不安が」より
   ワクチン接種がなかった場合、5月中旬に1650人、第4波を予想

緊急事態宣言解除期限を待てずに解除要請した大阪が感染者数増加、ステージ3以上になり、蔓延防止を要請、吉村知事は第4波に入った、時短を4月まで延長するという。

急いで解除したことが裏目に出たか。

ところが新聞報道では日本全国が厳しい状況に置かれている。34都道府県で感染者増、東京もステージ3、宮城、沖縄はステージ4、山形はステージ3、地方で増加が目立つのだ。 仙台での増加は受験などで人出が増えたためとも言われている。

リバウンド拡大の危機感もあらわに、愛知、兵庫、愛媛、沖縄、東京もワクチンが無い状況下でリバウンド傾向だ。手の施しようがないのではないか。

感染者数増加の要因は、自粛疲れ→気の緩み→人出の増加だ。やっと外に出くことが出来たと喜ぶ顔がテレビに映る。

また、情報、メセージの統一のなさも要因に挙げられる。政府と知事の見解の違い、感染が拡大しているにもかかわらず聖火リレーのスタート、掟破りも目立つ。国会議員や官僚の時短を超えかつ大人数での飲食、昼間のカラオケ、時短の闇営業に人出が集まった。

此れじゃ増加するしかない。5月には緊急事態か。

今日の新聞を読んで(453):野党不信任案提出? 二階さん「直ちに解散」を進言?

 

吹き始めた解散かぜ? いつか?、野党、自民どちらが有利? コロナ対策、総務省接待問題、河井大型買収事件、閣僚収賄事件など不祥事が続く菅政権にあって野党が内閣不信任案提出をにおわすと、自民・二階幹事長は「そういう時は直ちに解散を進言する」と言い出した。 

自民党幹部は菅総理の訪米後の成果(?)を掲げて解散総選挙に打って出る案が自民党内で物議をかもしていたが、立憲の安住国対委員長が「4月でも5月でも出すことはありえる」といえば、二階さんが「そうした場合は直ちに解散で立ち向かうことを進言したい」と発言した。 

今までの安倍政権での解散総選挙は、ほとんどが大義名分のない国民にとっては理解しにくい選挙だったが、その割には自民党の圧勝だった。 

国会審議で政府と野党の考えの食い違いが大きいときに解散して国民の信を問う選挙だ。 

野党と政府の政策の食い違いを明確に示し、「だから解散で信を問う」と国民に示すべきだ。 

政府は甘い汁で有権者を誘惑する手もあるが、コロナ対策、生活困窮者対策、総務省接待疑惑、尖閣諸島問題、北方4島返還問題、原発再稼動など現政権に頼らざるを得ない政策が多いが、政権交代の可能性があれば政策変更も可能なのだ。 

国民は立憲民主をはじめ野党の議席数確保に力をいれるべきだ。二階さんは菅総理を支持するつもりらしい。 

菅政権にNOを突きつければ、野党への政権交代はなくても自民党内での政権交代は期待できる。石破、岸田さんらで政権交代ができないか。

どこまで激化するか米中関係:同盟国を巻き込んだ民主主義vs専制主義

 

トランプ政権で対中戦略は経済中心だったがポンペオ国務長官だったと思うが、「中国は陸海空で米国の優位を侵害している」とあらゆる分野で対立を激化させている。 

バイデン政権になり中国はしばらく様子見だったが、バイデン大統領の就任後初の記者会見から人権問題を主に政治体制、民主主義国家と専制主義国家の有用性をめぐる国家理念の対立になってきたことが分かった。 

バイデン大統領は、「習主席は専制主義が将来主流となり民主主義は機能せず」と考えているようだが、「自分が監視している限りそれは起きることはない」と強調する。 

「米国が成長し拡大を続けるからだ」とバイデン大統領は言う。中国の覇権主義におされ気味の様相を示していたが、これを跳ね除ける発言だった。 

中国がもっとも裕福で強力な国になる目標を持っていたのだ。確かに中国はアメリカについで第2位の1200兆円のGDPだ。新興国を中心に港湾建設などインフラ整備の経済支援している。国内裕福層も習政権に反対する国民は少なくなったのだろうが、中国の経済の本当の姿はどうなんだ。 

リーマンショック後の世界経済を中国は高い成長率で引っ張ってきたが、コロナ禍でも6%と言う成長率を掲げている。 

バイデン大統領は「対決は望んでいないが、非常に厳しい競争になる」と言い、中国との競争で科学技術分野への投資拡大、日米豪印、欧州、EC,NATOなど同盟国、友好国との関係強化、人権弾圧への注意喚起で対抗するつもりらしい。 

確かに香港、台湾、新疆ウィグル族、中国国内の人権問題は同盟国、友好国の賛同を得やすい。 

後は、安保と経済、「経済安保問題」だが、ここに来ると同盟国、友好国間でも思惑の違いが出てくる。 

特に日本は、中国の尖閣諸島への不法領海侵入対策をアメリカに頼ろうとしている。来月米国での菅―バイデン首脳会談では「尖閣に安保適用」を確認し、共同声明に明記することを日本側は求めている。 

バイデン大統領も電話会談では「尖閣は安保提要範囲」と言う意味の言及している。

でも、大事なことはアメリカは南シナ海、東シナ海での中国の覇権に対して日米豪印が共同歩調を取ること、特に日本の役割強化の要望が背後にあるのだ。南シナ海での共同行動、参加する同盟国艦船の日本寄港、集団的自衛権行使の問題も出てくるだろう。 

一方で、日本は経済問題では中国に頼らざるを得ない関係にあり、切って捨てるわけには行かない。日本の経済界も苦しいところだ。

それが分かっているのか、先の外交防衛2プラス2会談の前に、アメリカは日本の経済界と会談したらしい。 

人権問題でも日本政府の発言は物足りないだろう。「内政干渉」と脅かされれば日本は躊躇せざるを得ないのだ。 

バイデン政権は同盟国、友好国との絆の再構築に進めている。トランプ政権では多国間交渉より二国間交渉を重用し、各国とギクシャクな関係にあった。 

新聞報道でその関係を拾ってみた。 

「開かれたインド太平洋地域」では、日米豪印、これに欧州の同盟国、英、独、仏も加わり米国は対中けん制網を構築しているが、特に懸念はインドだ。 

インドは中国と国境を抱えた紛争もあるが、経済なども考え利益の最大化を狙っている国だ。ロシア製の地対空ミサイルも導入した。米国はインドと情報共有、後方支援で連携を強化、パートナーとしての志を同じくする国との強力が不可欠としている。 

しかし、最初に日本で防衛外交の2プラス2トップ会談を実施した意味は大きい。

NATOでは外相理事会でブリンケン国務大臣は同盟国再構築を訴えた。トランプ政権時は軍事費の増額、出来なければ撤退を臭わせ、フランスのマクロン大統領は「独自の軍隊を作れば言い」と発言していた。 

2030年までに新戦略策定する予定と言う。EU,英国、NATO外相理事会で対中制裁を決めた。 

EU連合とは、英国、カナダを含め、人権問題で中国に制裁を課すことを決め、バイデン外交の成果と評されている。 

中国の強圧的行動が集団的安全保障と繁栄を脅かす。国際ルールや同盟国が共有する価値観を弱体化していると批判している。 

一方、中国も黙ってはいない。ロシアと欧米の人権批判に反発、内政干渉と反論する。中国、王外相とセルゲイ・ラブロフ外相会談を実施した。 

イラン、サウジとも人権問題で反米、中国は新興国への経済対策で関係強化を企てる。 

中国は一帯一路構想を拡大し、新興国への浸透を図ろうとしている。 

一方、米国もそれに対抗し、新たに新興国への対応を迫られている。中国の一帯一路による新興国の債務超過問題に対応しようとしているのだ。 

今後、米中対立はどうなるのか。アジア、アフリカの発展途上国、新興国の取り合い合戦か。

もうしばらくすると、世界は米の同盟国、友好国vs中国の同盟国、友好国の色分けが出来るのか。一帯一路での新興国の債務超過でインフラ整備地区を中国が所有できれば世界中に中国の飛び地が出来る。

国連は世界が緊急事態でありながら機能せず。 

中国の経済破綻はいつか。 

中国が世界のリーダーになるには、今の政治体制を見なおす必要がある。中国はアメリカに民主主義があるように中国にも民主主義がある。民主主義は一つではないと主張したことがある。人権問題を抱えての民主主義があるのか。

 

2021年3月26日金曜日

河井・大規模買収事件:元法相辞職意向、カネは集票に効果があったのか

 自らの公職選挙法違反の公判で河井元法相が被告人質問で議員辞職を表明した。全面無罪から一転買収の意図を認めたという。参院選広島選挙区での妻の案里さんの票の取りまとめで100人、に2900万円を提供したという。

妻との共謀やスタッフとの買収は否定した。

当時の参院選広島選挙区の選挙報道は新聞の注目だった。2人定員に現職の岸田派の溝手さんに新顔の河井案里さんが立候補、無理と言われていた2人当選を狙ったのだ。

普通に考えると自民党本部は2人当選で勢力拡大を狙ったと思われたが、実際はそうではなかった。

新聞でも報じられていたが、溝手さんは安倍総理(当時)を批判していたのだ。だから安倍さんは溝手さんを良くは思っていなかった。そこに県会議員だった河井案里さんが立候補したいと言い出し、安倍さんが溝手潰しにかかったのだ。

選挙戦では安倍さん、菅総理(当時官房長官)が応援に入った。当選すれば二階派に入る約束もできていた。

自民党はどこから出たのかわからないが、1.5億円の資金が河井陣営に流れた。溝手側には1500万円だ。

自民党は党勢拡大費と主張しているが分からない。

恐らく自民党か、官邸の機密費だろうと素人でも想像がつく。1.5億円なんて彼らにとってははした金だろう。しかし大規模買収の公職選挙法違反となると大きな金額だ。

カネをばらまいたために当選できたとしたら広島は政治的には遅れている笑いものだ。でもカネをもらって買収工作をしなかったら集票結果に数字となって表れるから不正行為と思ってもやるしかないのか。

なんでもそうだが、この事件で一番得をしたのはだれかを考えれば黒幕が分かる。

批判されて溝手さんを嫌っていた安倍さんであり、当選後は2階派入りが約束されていた二階さんだ。メデイアによると週刊誌がその辺のことをすっぱ抜いた記事を掲載しているという。

河井案里議員の辞職で補選が行われるらしい。岸田さんは名誉挽回するだろうが、公明党からも斎藤さんが出馬するらしい。注目だ。

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2021.2.3掲載

河井案里議員辞職:「やっと辞職」、でも本当に悪党は別にいるのでは yamotojapan.blogspot.com/2021/02/blog-post_41.html


米、財政出動で法人税引き上げ:日本も法人税、優遇税制の見直しを、政権交代しかないか

 米が200兆円の追加経済対策で新型コロナ対策をする財政出動を議会が認めたという。さらにその財源として法人税の引き上げを検討しているという。今、世界は法人税引き上げの風潮にある。イギリスでは2023年までに19%から25%に引き上げるという。

我が国も安倍政権時、海外からの企業を誘致するために世界で一番経済活動がしやすい国として実効税率を30%台から20%台に下げ、今は23.2%ぐらいか。その政策のために海外からどのくらいの企業が日本に来たのか。検証されているのか。

自民党への政治献金の大きい企業のために法人税下げや優遇税制で自民党は応じる。しかし、その一方で財政赤字で国と地方の借金を合わせるとGDP比200%を超える先進国一悪いのだ。

2021年度の予算案は106兆6000億円で、税収は9.5%減の57兆4400億円、赤字国債は43兆6000億円になる。安倍政権時でも赤字は積み増しなのだ。

一方で、自民党の財政再建推進本部は「骨太の方針」でポストコロナでの財政健全化をどうするか検討しているらしい。近い将来増税の必要性も上がるが選挙を控えて、今は財政出動だ。増税など禁句だ。

安倍さんが何かの会合で、今は財政出動の時と強調していたと新聞は報道する。どこまで借金を積み上げればいいのか。政権を離れれば無責任な発言になるか。

何に投資するのか。今は需要不足なのだ。金利はゼロでも投資先が見えないのだ。

日本も税収増(赤字国債減)に向け税制の見直しが必要だ。以前から必要性はあげられているが手を付けた証拠はない。国民に不人気なことは自民党はやりたくないのだ。

特に企業はトヨタやソフトバンクのような巨大企業の税金はどうなっているのか。売上高が好調でも税はゼロか微々たるものなのだ。

その理由に大企業には各種の優遇税制がある。赤字が出れば5年間繰り越しが出来る「赤字繰り越し制度」、95%課税対象から外すことが出来る「外国子会社からの受取配当の益金不算入」、税制特別措置としての「研究開発費の税制控除」、富裕層への優遇税制などがあげられるのだ。

この効果は大きい。1億円以上の企業が優遇される一方、未満の中小企業はまじめに納税している。

今の日本を背負っているのは個人と中小企業だ。大企業は500兆円もの内部留保を抱えながら景気が悪化するとリストラで固定費の削減を図る。異次元の量的緩和で市場に流されるカネは投資でなくバブルに動く。

日本の企業である以上は、日本の社会経済に負うところが大きい。企業の存続を考えれば納税し義務を果たすべきではないか。

自民党でできなければ政権交代だ。



役に立っているのか、「今日の東京の新感染者数」速報と小池知事のコメント

 午後3時過ぎになると、テレビは「今日の東京の感染者数○○○人、○日ぶりの○○○人超え」の速報が流れ、夕方には小池東京都知事が評価するコメントが流れえる。

25日は東京の新感染者数394人、1日あたりの感染者数が6日連続で前週同曜日を上回ったという。小池知事のコメントは「リバウンド防止期間、日中も含め不要不急の外出禁止、営業時間短縮、イベントの開催制限」など当たり前の注意を繰り返す。リバウンドを防止しなければならない必要性はわかる。

でも、テレビを見るたびに「もうやめてくれ」と言いたい画面が2つある。一つは速報で東京の感染者数を報道することが役に立っているのか。実家に帰ろうとすると、「東京は大変ね」と暗に帰省をけん制される。

2つ目は、小池知事の右に少し頭を傾け右斜め上を見てコメントするお決まりのポーズだ。コメント内容も何回も聞く内容だ。最近は「県民、都民の皆さん」と言い出した。一都3県での知事の行動の統一を図ろうとしたが黒岩知事に内情を暴露され、小池知事が「普通のやり方」と言うのが「ウソをついていた」やり方だったことから一気に信用を失った格好だ。

しきりに政府の尻をたたき、「やってる姿」を見せつけていることはわかっていたが、政府の政策に支障をきたすようなやり方はまずい。安倍政権時、小池都知事がロックダウンなどの話を持ち出したために国民の動揺を抑えるために緊急事態宣言発出がおくれたと新聞が報道していた。

もう1都3県をまとめる力はないが、驚いたことに島根県知事が小池都知事は新型コロナを議論する全国知事会にも出ていないという。自分が目立たないことはやらないのだ。その代わり、東京都の感染防止関連のCMに自ら出演している。都庁の話では自らの出演を前提にCM提供を許可したという。

いたるところで顔を出すので存在感、出てきた時のインパクトが薄れているのだ。

東京の感染者数○○○人の速報、小池都知事のコメントの効果があるのか、役立っているのか。「慣れ」「気の緩み」の要因になっていないか。



2021年3月25日木曜日

やっぱり聖火リレースタート:これでオリンピックは「開催」になるのか

 

読売新聞 2021.3.23

25日、聖火リレーが予定(?)どうりスタートした。走者10000人、約860市町村を121日かけて通過するという。福島の復興を世界にアピールするために出発点は福島第一原発事故の対応拠点のJウィレッジという。

新型コロナウィルス感染防止のために密を避けるために無観客と言うがテレビの映像を見ているとそうでもなさそうだ。

残念なのはトーチの火が2回消えたという。係員が再点火し事なきを得たというが、何か将来が思いやられっる事故だ。先に強風で消えたこともある。

今回の聖火リレーは問題が多い。通過する35の県で新型コロナの感染者数が増加している。ランナーも著名人の辞退が増えている。辞退する人も入れば代わりに出る人もいる。それぞれ複雑な心境なのだろう。

安倍前総理が主張していた「完全な形」での開催は無理だ。それでも開催する意味があるのか。

今の今まで開催が危ぶまれているが、政府、組織委員会、アスリートはオリンピック開催に前のめりだが、日本を含め世界の人たちは70%以上が中止の要望だ。

そういう民意をどう考えているのか。

政府関係者は「これでオリンピックは開催しかない」と言ったそうだが、橋本会長が言う「希望、元気、力を届ける」ことになるのか。

聖火だけが日本を巡回し、東京の国立競技場に当直する。それだけで我慢することも考えるべきではないか。


北朝鮮、連日のミサイル発射:前回は「違反でない」、そして今度は挑発行為に怒り

 バイデン政権に代わりしばらく様子見していたのか、北朝鮮が21日短距離巡航ミサイル2発を黄海に向け発射、米韓合同軍事演習に抗議しての行動だという。これに対して米大統領は「違反していない」とコメントしたが、この発言にエスカレートし25日、弾道ミサイル2発を日本海に向けEEZの外に落下したという。

北朝鮮のこれらの行為に対して各国で思惑が違う。

北朝鮮は、「これでもか」「これでもか」とアメリカの反応を見ているのか。どこまでやればアメリカが行動を起こすか。

アメリカは、「今度はその程度か」の反応か。アメリカ本土には影響がないとの判断か。それでも挑発行為に怒り。

中国は、インド太平洋、NATOで西側諸国が中国包囲網を構築している。北朝鮮に「ここらで一発やってみろ」ということか。

日本は、今回はEEZ外に落下したが、何時本土に飛んでくるかわからない。強く抗議した。

対米で中国、ロシア、北朝鮮が組んで行動しているのか。


憲法53条、内閣の国会召集:司法では判断できず、最後は選挙で国民の審判を

 憲法53条に衆参両院で4分の一以上の要求があれば内閣は国会を召集しなければならないという。安倍政権で臨時国会の召集を要求されたが、安倍総理は100日間も開催せず、衆院を開いたかと思うとすぐ解散し、野党の国会での総理にかかわる森友、加計疑惑の審議を妨害したことで国会議員が「違憲である」と係争中だ。

日本は三権分立だ。司法(裁判所)が行政(内閣)にかかわる違憲判断などできるはずがない。最高裁判所に「法令審査権」がうたわれているが、法律、命令、規則、処分に限られ憲法は含まれていない。

那覇地裁も安倍政権の対応に判断を示さなかったし、今回の東京地裁も「国の機関同士の争いは法律の定めがない限り提訴できない」と違憲の判断を避けた。正論だと思う。

裁判では国会議員の国会を召集を要求する権利、質問する権利を侵害されたと主張するが、裁判で救済される権利ではないという。立法府の中での議員の権利だ。国会で解決すべきである?

安倍政権下で、森友、加計疑惑は国会審議ではうやむやのされ、今でも世論調査では「納得しない」が多い。

誰が見ても、安倍総理が自分や妻がかかわる疑惑追及を嫌がったのは明らかだ。衆院を開いたかと思うと冒頭で解散の手に出た。安倍政権が批判されているにもかかわらず、選挙では多数の議席を確保、「どうなっているんだ」と政治不信が強まる。

安倍政権に続き、菅政権でも総務省の接待疑惑など不祥事が明るみになっている。

裁判や国会審議では政権の姿勢を正すことは無理だ。最後は選挙で有権者が審判を下すしかないのだ。補選、都議会選、衆議員選と有権者が審判を下すチャンスは多い。

メデイアも野党の不甲斐なさを指摘するのではなく、野党を支援する姿勢も大事ではないか。メデイアにも大きな責任がある。





2021年3月24日水曜日

政府提出法案ミス相次ぐ:国会軽視か職員の緊張感の欠如か

 

政府提出の法案にミスが目立つ。野党は国会軽視で出直せというが、安倍、菅と長期自民党政権による官僚の緊張感の欠如か、担当部署の寄り合い世帯でのコミュニケーション不足か。 

菅政権の肝であるデジタル改革関連法案に続き産業競争力強化法改正案でミスが発覚したのだ。 

デジタル改革関連法案は64本の「束ね法案」、要綱、参照条文で誤字、表記ミスが45箇所、産業競争力強化ではあってはならない条文に3箇所を含め総計21箇所、2度目の発覚だとすると「何おかいわんや」だ。 

法案は条文、理由、要綱、新旧対照表、参照条文などからなり、条文は間違いを指摘するアプリも採用されているようだが、「地縁」を「地緑」に間違ったり「認定事業再編事業者」を「認定事業事業再編者」に間違うなんて考えられないのではないか。ワードでも「○○事業事業○○」と打つと用語が連なっているので赤線で注意を喚起されるはずだ。 

人間の手で見なおす場合もあるのでミスはつき物だ。 

私も一度必要があって法令集をチェックしたことがあるが、法の条文、新旧比較、参考資料を読んでいると相当面倒だ。 

しかし、それを若い役人がやるのだから大変だと想像する。同じ用語がしょっちゅう出てくるのでいやになるし、読み間違えると逆の意味になる。 

過去に記述が間違って逆に解釈された事例があったような記憶がある。もちろん修正されたが。 

野党は政府を批判し、閣議決定のやり直しを要求するのは当然だが、法案が多く、国会開会期間も短ければ法案の成立が心配になる。 

閣議決定→国会提出→委員会負託→本会議提出のプロセスを踏むのであるから委員会の時点で修正すればいいではないかと思うが、どうなのか。 

政府も無理なことを推し進める。「束ね法案」だ。デジタル関連では64本を一括審議か。しかも急遽設置されたIT準備室は関係省庁からの寄せ集め部門だ。コミュニケーションも不足しているのだろう。 

重要法案を「束ね法案」で一括審議を野党は否定し「分離せよ」と要求することがある。ドサクサにまみれての法案審議はやめたほうがいい。

 

NHKリップル「もし小惑星が衝突したら?」:増加する災害、「想定外のことを想定する」重要性を説く

 

NHK リップル 2021.3.23
「小惑星が衝突したら?」 巨大な日の玉となり地球に接近する小惑星

23日のNHKリップル「もし小惑星が衝突したら?」は、増加する災害に当たって「想定外のことを想定する」ことの重要性を「思考実験」で指摘した。歴史学者の磯田さんも過去の災害事例の研究から災害について「想定外のことを想定する」ことが重要と言う。

そして、「思考実験」と言うとすぐ寺田寅彦博士の随筆「一つの思考実験」を思いだす。私も「思考実験」でブログの考えを掲載した。

「新聞休刊に思う:良いことと思うが何故、テレビ電波休刊がないのか」(2019.3.4掲載 yamotojapan.blogspot.com/2019/03/blog-post_4.html )

「テレだ寅彦博士の「一つの思考実験」に思う:やってみないか株式市場の週一回開催」(2020.3.13掲載 yamotojapan.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html  )

「私の「一つの思考実験:「一日ラジオだけ」だと新型コロナウィルス情報はどうなる」(2021.1.21掲載yamotojapan.blogspot.com/2021/01/blog-post_60.html  )

NHKリップルはロシアで小惑に衝突した小惑星は直径17mの巨大な火の玉で秒速18kmで半径30kmの広範囲で被害が出たという。隕石灰は半径30km、衝撃波は半径50km、太陽の方向から突入したのでわからなかったと言われている。

日本でも最近、夜空に光る物体が発見され隕石も多数見つかっている。

「もし日本に来たら?」という質問に専門家は軌道検索から正確に予測することが出来ると言い、衛星を数機打ち込み軌道を変えることもできる。日本は「はやぶさ2」の技術を持っており、正確に小惑星に打ち込むことが出来るのだという。

不確実な時代だ。「たら」「れば」で考えなければならないと主張する。同感だ。

軌道からある程度正確に場所が絞られるから、避難場所の確保だ。いろんな災害があるのであらかじめ「マイ避難先」を確保しておくことだ。旅館、ホテル、コミュニテイーのオンライン化も役立つだろう。

一つの例としてJAXA関連で5都市が銀河連邦を作り応援、支援体制を構築、東北地方太平洋沖地震では稼働したという。

また、個人的には地方の空き家を確保するのも手だ。私も東京でマンションに住んでいるが地方の実家も確保し手入れをしている。空き家の意地も大変だ。

首都直下地震、南海トラフ巨大地震、日本海溝沿いの巨大地震、千島海溝沿いの巨大地震はひっ迫しているという。そして富士山噴火も300年を超えている。いつ噴火してもおかしくない。さらにアイスランドで火山噴火が頻発しているが浅間山の噴火と同時なら1783年の世界的大飢饉の要因になる。

「いざ」と言う時にどう移動するか。「命を守る」行動が起こせるか「思考実験」は重要だ。



2021年3月23日火曜日

今日の新聞を読んで(452):国外逃亡犯のゴーン被告の保釈条件はなんだったのか

 

2020年正月だったと思う。元日産会長で会社法違反で起訴されたゴーン被告が「今、レバノンにいる」とメッセージを送ってきたのには驚いたものだ。最も驚いたのは再三の保釈請求でやっと保釈した裁判所と保釈請求を繰り返し、身元引受人になった弘中弁護士ではないか。 

保釈に最後まで抵抗していた東京地検特捜部は「それ見たことか」と言う感じだろう。

当時、メデイアはどうやって誰にも気づかれづに出国できたのか。躍起になって追っかけたものだ。関空からのPJの可能性が出てくると、当日、関空から飛び立ったPJの離陸シーンが映像で紹介された。

ゴーン被告は裁判までの拘留期間の司法の取り扱いに不満タラタラで海外メデイアにも取り扱いのひどさをアピール、日本の専門家の間でも批判が上がっていた。裁判所もそんな状況が負い目になったのだろう。保釈してしまった。 

弘中弁護士も「無罪引受人」という異名を取るほどの敏腕弁護士だ。裁判所も折れたのだろう。 

しかし、ゴーン被告も「一番安全な場所」と言っていたレバノンも経済不振で債務国、富裕層には住みにくい情勢になってきたし、最近は大爆発事故で未だ日産所有で住んでいた邸宅も被害を受けた。 

日本との犯罪人引渡しの協定は結ばれていないので、レバノンが引き渡すつもりはないらしい。日本にとっては経済支援をえさに引渡しを要求することも出来るだろうと見られているが、人生の残りを国外逃亡犯のレッテルを貼られて生きるのが良いのか。 

ゴーン被告の国外逃亡を手助けしたとして米国人のマイケル・テーラーとピーター・テイラー親子が米国で逮捕され、日本に引き渡された。東京地検特捜部は2人を犯人隠避罪で起訴した。 

その取調べ経過がメデイアで報道されている。 

用意周到な計画、PJで関空から出国、トルコ経由でレバノンに入国と言うことになるらしい。レバノンへの入国は合法的だという。日本出国が違法でも。 

ゴーン被告は住んでいる住居から東京のホテルで2人に落ち合い、新幹線で大阪へ、そしてタクシーで関空に向かい、用意されていた楽器を入れるボックスに潜んだという。 

監視カメラにも映り、誰に会うかも申請する必要があったのではないか。でも自由に動き回っているし、直ぐに帰ってこないことに気づかなかったのか。責任を追及された弘中弁護士は「常に見張れるわけではない」と反論したらしい。他の弁護士が取り逃がした弘中弁護士を訴えているらしい。当然の話だ。 

東京のホテルから東京駅に行き、新幹線で大阪へ。新幹線で気づかなかったのは変装し、おかしな行動をしていなかったためか。 

関空では用意された黒いボックスに入った。良くこんな狭い場所に長時間我慢していたのかと感心するが、ゴーン被告自身も「恐かった」と白状していたが、鎮静剤を打っていたともいわれている。 

PJは出国検査が甘いことを調べていたし、関空が最適だったらしい。「X線検査は中にある楽器を壊す恐れがあるので検査しないように」とあらかじめ警告していた。だから検査はパスしたようだ。箱を運んだ4~5人男連中は「中に美人でも入っているのか」と冗談を言いながら運んだそうだ。 

この時点で担当者が「おかしい」と気づき箱を開けていたら、国外逃亡を未然に防いだと評価されただろうが、「当たり前なことをしない」という常識が優先したのか。 

PJはトルコの航空会社所有で会社の幹部が脅迫されていたようだ。イスタンプールからレバノンへ。トルコはこの幹部とパイロットを検挙したという。

この脱出劇にはゴーン被告の妻も関係しているらしい。米国人2人は、ゴーン被告の妻から「日本でひどい目にあっている」といわれ、手助けすることを決心したそうだが、「騙された」と反省しているらしい。訴状事実を認めたという。 

ゴーン被告は1.5億円を支払い、2人は逃亡の費用に使ったといっているらしい。 

ゴーン被告はカリスマ経営者として一時は評価されていた。2年で2兆円の借金を返済したが多くは主力工場の閉鎖や従業員のリストラだ。日本人経営者なら出来なかったことをゴーン被告は出来たという。でもそれは「コストカット」の範疇での成功物語だ。

平常時の経営手腕は未知数だったのだ。2年が過ぎた頃、ゴーン被告はアメリカのGMの立て直しに名乗りを上げたが、米国は経営手腕を疑っていた。望みが叶えられなかったゴーン被告はその後、日産を金づるに悪事、不正行為を繰り返し日産に多大な損害を与え会社法違反が問われている。 

あの時、リストラにあった旧日産社員はどう感じているか。情けないと思っているだろう。最低でも日本で出廷し実情をさらけ出してほしいと思っているはずだ。 

カリスマ経営者と一時は評価されたゴーン被告だが、平時の経営手腕は無いことが分かった。このままで国外逃亡犯、集り経営者として烙印を押され続けるのか。 

今は見直しが必要になったグローバリゼーションだが、日本企業も外人経営者の登用が目立つが、日本型経営が廃れようとしている。ポストコロナで必要になるのは日本的経営手法ではないか。

東京五輪・パラリンの組織委員会の女性理事が40%に:組織委員会の議論がどう変わったのか

国立競技場 
 

前会長の森さんの女性蔑視発言を機に組織委員会は理事定員を45人に増員、うち女性理事を11人増の18人にして女性理事のしめる割合が40%になったと胸を張った。 

女性理事が40%になったということで組織委員会の議論がどう変わってきたのか。メデイアによると女性理事になったマラソン金メダリストの高橋さんが「東京大会後の5年10年後にスポーツの社会がどう変わった」と言う議論が進んでいるという。 

何のことを言っているのかよく分からないが、新聞報道では「海外客なし」「入場者数は近いうちに決める」と言うが、コロナ対策などは決まっていないようだ。 

安倍前総理が開催に当たっては「完全な形で」と公約していたはずだが、前提が崩れている。我々国民の認識では前提が崩れれば中止ではなかったのか。 

後押しする菅政権も国力を世界に示し「政権浮揚」につなげル期待から新型コロナウィルス感染拡大阻止に「5本の柱」を強調する。しかし、手こずっていることは確かだ。 

今、世界の世論、国民の民意は70%が「中止または延期」だ。新聞通信調査会が20日に発表した米、仏、中、韓、タイの調査でも米仏は70%、他は80~90%が中止、日本でも20年度の調査で71%が中止か延期だったという。

この世論、民意を組織委員会はどう考えているのか。オリンピック誘致で当初はIOCは「盛り上がりに欠ける」と東京を低く見ていた。これじゃダメと政府挙げて盛り上がりに持っていった経緯がある。しかし今、日本は「盛り上がり」に欠けているのだ。

又、国民に寄り添う姿勢が見られないのだ。 

更に大会予算が2940億円増え、1兆6440億円になるらしい。負担の分配は開会後に組織委員会、政府、東京都が協議すると言うが組織委員会で負担できなければ東京都が負担するらしい。東京都民の一人として東京都にカネの余裕があるのか。財政調整基金も9000億円から2000億円台に激減した。小池知事が自分に利があるように新型コロナ対策で大盤振る舞いしたためだ。 

東京オリンピックの後、東京都には巨額の負担金を負わされ、アスリートの要望で新設した施設の維持管理費も残される。 

更に悪いことは、新型コロナウィルスの感染拡大を防止できなかった場合だ。感染者数増加、医療施設の逼迫、破綻の危機更には緊急事態宣言で再び経済は鈍化する。 

東京オリンピック終了後の数年を組織委員会はどう考えているのか。「中止か延期か」の世論にどう答えるのか。「アスリートファースト」という専門家もいるが、新型コロナ禍下、国民の「安全と健康」を誰が保証するのか。 

女性理事が増えても肝心な議論はされないのではないか。

 

2021年3月22日月曜日

今日の新聞を読んで(451):思い出そう第五福竜丸被ばくと汚染マグロ

第五福竜丸 展示場にて

 

67年前、ビキニ環礁で米国の水爆実験で被ばくした第五福竜丸の乗組員で当時20歳だった大石さんが亡くなったという。私も保存されている第五福竜丸を見るために2回、夢の島の第五福竜丸展示館を訪問した(うち1回は孫を連れて)。 

展示館の真ん中にドカッと展示されている木造船で、当初はカツオ漁船として建造されたが、のちにマグロはえ縄漁船改造された。ゴミの島かどこかに保存(放置)されていたのを見た高校生が朝日新聞に投書したことから保存運動が始まったという。 

第五福竜丸の航海日誌から 被ばく海域 展示場資料より


館内に展示されている資料から、当時の第五福竜丸の行動が読めるが不運続きだったようだ。航海日誌から1954年1月22日に焼津港を出港したが翌日エンジン部品がないのに気づき、取りに引き返した後、「南に行く」と南下、しかし2月9~12日にはえ縄の大半を失ったことから3日間、周辺を探す。17日にさらに南下、3月1日にビキニ環礁で米国の警戒区域から30km離れた海域で被ばく、アメリカの哨戒機を気にしながら日本へ急ぎ、14日に寄港したという。 

当時の第五福竜丸の漁獲は165匹(2700貫)と言う。 

しかし当時マグロはほとんど汚染され、その量は457トン、築地のどこかに埋葬されたらしいが場所の確認ができないという。「マグロ塚」の石碑も制作されたが展示館の端に仮設置されている。 

もし埋設したマグロが見つかれば汚染状況のその後もわかるが残念ながら無理か。 

通信長の久保山さんが「私を最後に」と言い残し亡くなられた。今もその時の状況を覚えている。新聞に大々的に報道された。 

死の灰 展示場にて

展示場には死の灰がサンプル瓶に入れ展示され、分析値も掲示されている。ストロンチウムだ。 

これを機にアインシュタイン、バートランドラッセル、湯川さんら著名な識者が立ち上がり、「水爆実験反対」運動が始まった。日本は終戦時の広島、長崎そして第五福竜丸被ばくと言うあってはならないが貴重な経験をした唯一の被爆国だ。だからこそ禁止運動に積極的に関与すべきだが、政府の腰は重い。 

関連記事

2016.9.29掲載

1945年忘れてはならない築地市場に放射能汚染マグロ457トン投棄

yamotojapan.blogspot.com/2016/09/blog-post_29.html

2011.9.18掲載

忘れてはならない第五福竜丸被ばく事件

yamotojapan.blogspot.com/2011/09/blog-post_18.html

 

菅総理の実像:他人の事だと何でもできるが、自分の事になるとダメ

 菅総理の実像は、他人のことだと何でもできるが、事が自分の事になると何もできないということか。相変わらずメデイアは官房長官時代の菅さんを評価する。辣腕官房長官として安倍長期政権を支えたというのだ。しかし、内実は民主政治の根幹を揺るがすような事態になっても安倍擁護だった。

一方で、総理になってからの菅さんの評価は芳しくない。その原因は総理として権力を振るうことに制約があるのだ。

官房長官時代は表に出ることがなかったために、敵味方の区別なく情報が入ってくる。政権に不利な要因は早めに芽を摘むことができる。政権を攻撃するような議員が出てくると内調を使って当事者の不祥事を洗い出し「口封じ」する。領収書のいらない官邸機密費は与野党問わず、潤滑材になる。

しかし、人間と言うものは、他人のためなら何でもできそうだが、事が自分の事になるとやりにくい。

今、国会で問題になっている、総務省と東北新社との接待疑惑、総務省人事は菅総理が総務大臣の時に築き上げた権力構造だ。

その目を付けた高級官僚も国会で追及を受け、省内調査で減給処分、職務停止、そして都合が悪くなると「口封じ」の退職となる。

矢面に立つ武田総務大臣も予算委員会で参考人に「口止め」をする始末で、これで第三者委員会による省内調査ができるのかと疑問が出る。武田さんは二階派だ。菅さんは何も言えない。

菅総理も自分と長男が直接関連する総務省関連の不祥事だ。長男を退職させ、自分も責任を取って辞任するのが一番いい方法だろうができない。

そういう菅総理が来月はバイデン大統領と首脳会談をする。インド太平洋構想で日米印豪と対中国けん制の外交を繰り広げているが、海外のメデイアは菅政権を「短命政権」と報じているらしい。

菅総理の日本での立場は海外の首脳はみんな知っている。それでも会談相手に選んでいるのか。菅さん本人は恥ずかしさがないのか。

勿論、恥ずかしがる人材では総理などやっていられないのだろう。


小さな記事の大きな課題(22):自民党内紛か 二階vs下村の政局発言

自民党二階幹事長と下村政調会長の政局論争は、二階派vs安倍さんの細田派、麻生派の主導権争い 。菅総理誕生の主導権を握り、二階派の勢力拡大にまい進する政治手法に安倍氏らの細田派、いい思いをしていない麻生派が反抗している構図ではないか。

下村政調会長が「補選に負ければ政局になる」と言えば二階幹事長は「ご心配なく、選挙は任せろ」と反論し、下村さんは後で釈明した。

今度は下村さんが「首相訪米はプラス、その時解散と言うのは考えられる」と発言すると二階さんは「軽々しく言うな、首相の決めること。自分の選挙は大丈夫か」と切り捨てたという。

幹事長と政調会長が犬猿に中では、自分の派閥を持たない菅総理は苦しい立場だ。

それも背後に二階vs安倍、麻生の構図が見え隠れする。

二階幹事長は菅総理の権力の弱さに付け込んで民主党時代の小沢さんを気取っているのか。

補選、都議会選、衆院選で二階さんに対して他の派閥がどう対応するか。注目だ。


2021年3月21日日曜日

菅総理の本音?:感染者数増加にもかかわらず21日宣言解除

 

「1984年」ジョージ・オーウェル
「二重思考」


21日の一都3県の緊急事態宣言解除については「これ以上宣言を続けても効果が薄い」と言う考えと「感染者数は増えている。第4波の危険もある」という解除反対の意見と「2つの考え」があるが、諮問委員会の専門家も全会一致(?)で菅総理が解除に踏み切った。 

丁度、ジョージ・オーウェルの「1984年」(早川書房 2021.2)を購入し読んでいた。20年ほど前に一度読んだことがあるが、今年度の「大学入学共通テスト」の世界史Bで出題されたというので、改めて購読した。 

その小説の中で重要な「二重思考」というアイデアが出てくる。私たちは伝えられることが真実でないと知りながらも、それが真実であってほしいと思う。信じると同時に疑っているのだ。多くの問題に対して簡単に態度を決めず2つの見解を持つのだ(同書 解説)。 

これが可能であれば永久にその地位にとどまりたいと思う権力者にとっては大きなメリットだという(同上)。 

これは丁度今、菅総理が総理の座を掛けて新型コロナウィルス感染拡大を抑制し、経済再生に軸足を移そうとする状況下にもいえるのだ。 

宣言解除にあたり菅総理は、感染者数はピーク時に比べ8割も減っている、病床利用率も改善、解除条件はクリアーしているという。そして心配されているリバウンドは、段階的に緩和し、5本の柱で対応する。専門家も解除に賛成している。 

更に本音としては「緊急事態宣言に慣れ」「長期間の自粛で気の緩み」も出てきたことだろう。このまま続けても効果は薄いのだ。 

一方、解除の反対の意見もある。 

感染者数が「下げ止まり」、増加傾向にある。解除条件をクリアーと言うが感染力が強く、死亡者も増える変異種の存在が考慮されていないときに作成した基準で見直しされていない。先行し解除した関西圏ではリバウンドの傾向が見られ実効再生産者数も1.1~1.3で第4波も目前だという。

ジョージ・オーウェルが言うように「二重思考」だ。国民も内心は専門家の指摘に賛成なのだ。テレビの情報番組での外出している人に対するインタビューも「こんな人出で大丈夫か」と懸念を示す。 

菅総理の本音は、聖火リレー、オリンピック開催で国力をアピールし、総務省接待疑惑もウヤムヤにし、バイデン大統領との首脳会談を成功し、内閣支持率を確保し、補選、都議選、衆院選に勝つことだろう。2年ぶりの自民党大会で「私が先頭に立って働く」と主張したそうだ。

一方で、このままの感染者数で解除することは一時的に減少しようが再び感染者数が増加、1日1000人ぐらい感染者数が出ることは専門家のシミュレーションで明白だ。

「二重思考」でどちらが正解だったか。もう直ぐ結果が分かる。

小さな記事の大きな課題(21):浅間山は大丈夫か 1783年の再来? アイスランド火山噴火

2009.4.9 噴煙を上げる浅間山

 最近新聞でアイスランドで火山が大噴火しているというニュースが流れる。朝日新聞(2021.3.21)にもアイスランドの首都レイキャビック近郊で800年振りに噴火、この1か月約4万回の地震もあったという。大きな亀裂に沿って噴火したという。

アイスランドでの火山大噴火は多量の噴煙を巻き上げ低温、多雨の異常気象を起こし、農業をはじめ生活に大きな影響を及ぼし、それが世界中に広がるのだ。

日本でも1783年6月に浅間山が大噴火し、周辺に大きな被害をもたらすととも二吾妻川、利根川に沿って首都圏まで被害が広がった。人間や牛が川を浮いたり沈んだりして流れたという。

その時の絵図が存在し、何時かテレビ東京の「なんでも鑑定団」で高額な値がついていたが、悲惨な状況を描いていた。

天明の大飢饉として日本では有名だが、世界的な気候変動を起こしたというのだが、その後の研究でアイスランドの火山噴火が大きく影響していることが分かった。

その1783年6月にアイスランドのラキ火山が大噴火していたのだ。

1783年に浅間山、アイスランドのラキ火山が同時に大噴火したのだ。浅間山はそれから240年、大きな噴火はない。現在の警戒レベルは2月に2から1に落とされている。

でもいつ大噴火するかわからない。2018年1月23日には何の訪れもなく草津白根山が噴火したのだ。

後記 3月22日 気象庁が浅間山の浅いところで火山性地震が多発していると警告 レベルは1のままか

関連記事

2010.4.17掲載

アイスランドで噴火:噴火時期が同じ浅間山にも噴火警報 yamatojapan.blogspot.com/2010/04/blog-post_3769.html


小さな記事の大きな課題(20):拝啓バイデン大統領殿、階段の上り方を教えます

 

産経新聞電子版より 2021.3.21
タラップを上がる時、つまずき手すりを握るバイデン大統領

バイデン大統領がエアーフォースワンに乗り込む階段(タラップ)でよろめき、つまずいたというロイターの写真が新聞に載った。バイデン大統領は78歳と言う高齢で、何かあると世界中に影響するので体力はニュースになるのだ。

報道官は「強風のためで大丈夫」と言うが、強風でよろめくとことこそ問題だ。

階段は「踏み面」(正味の奥行)と「蹴上げ」(段と段との高低差)からなっている。

つまずく原因の多くは、足を「踏み面」いっぱいに置くと、つぎに段を上がろうとするときに足が十分に上がらず、「蹴上げ」にひっかかる時がある。その時体は前のめりになっているので「つまずく」のだ。だから足は「踏み面」の半分程度の置くのだ。

一方、足が「踏み面」に十分にかかっていなかったら、今度は「滑る」のだ。

いずれにしろ階段昇降は急がず、「踏み面」に確実に足を置くことだが、置きすぎてはダメなのだ。

年齢には関係ないと思うが、足をしっかり上げることだ。



2021年3月20日土曜日

どうなる物価2%目標:未達でも政策は間違っていない、ただ目指すだけか

 

日銀本店

市場にカネを流せば物価は上がり、円高から円安へ、リフレ派経済の「異次元の量的緩和」金融政策を2013年、安倍総理(当時)は当時の白川日銀総裁に代わり黒田総裁を任命、政策委員も任期切れになるたびに新しい委員にはリフレ派を日銀に送り込んだ。 

黒田総裁は「2年で2%」のキャッチフレーズで市場に期待感を持たせ、円高から円安へ、輸出産業を中心に日本経済は復興した。長い沈滞の経済からの脱出だ。 

その間、金融政策委員は9人中分かっているだけでリフレ派は4人、今後も異次元の金融政策を進めるのだ。物価目標2%は未達、景気の下降局面になると「躊躇無く更なる量的緩和に踏み切る」と市場に安心感、期待感を持たせた。 

海外では1%を超える物価上昇でも日本は1%を切る結果が続く。それでも「2%目標」を目指すが、日銀の予測でも2022年でも0.7%だ。黒田総裁の人気は2023年、目標を果たせないままに任期切れだ。 

そして今、金融政策の手が少なくなりマイナス金利、長期金利はゼロ、企業は安い金利で投資できるチャンスだが需要不足だ。マイナス金利は副作用として銀行経営を悪化させている。 

今までも時々、政策の見直しの話を聞いたことはあるが、新聞報道によると2月18日に黒田総裁が菅総理と会談し金融緩和を相当長く続ける必要があるが、政策効果を出すために総合的点検をすることを約束した。 

政策の見直しは楽ではない。日銀の失敗と見られれは市場の信用を落とすのだ。 

その見直し結果は、ETFの買い入れを柔軟化し6兆円の加減を削除した。そして新たに「貸出促進付利制度を導入するという。日銀の追加金利緩和で銀行の収益悪化対策として一定の金利を金融機関に支払うというのだ。 

要はマイナス金利対策なのだが、だったらマイナス金利を見直すべきではないのか。 

でも海外の動きにも影響される。

FRBはバイデン政権が200兆円の経済対策とすれば景気は加速、大規模金融緩和は早期に縮小するのではないかと見られているし、ECBは大規模金融緩和を維持するという(読売新聞2021.3.12)。 

新型コロナウィルス禍で需要は落ちている。新感染者数増、変異種感染拡大の心配がありながら21日に1都3県の緊急事態宣言は解除され2ヵ月半の宣言は解除になる。

ワクチン接種などの効果が出てくれば2年もすれば「季節性インフルエンザ」並みと言うことにならないか。願っている。

 

米中外交トップ会談:香港、新疆、台湾が重大課題、日本も他人事ではなくなるか

 

新聞報道で18日アラスカで実施された米中外交トップ会談では重要課題が台湾問題で、そのうちに日本も他人事ではない状況に置かれる危険がある。バイデン政権は日米首脳会談前に早々と「尖閣は安保適用」の発言をしていたが、その背後には米国の対中戦略構想があるのだろう。 

驚いたのは冒頭から大荒れだ。新聞報道では双方冒頭2分の発言が記者を含む会場で認められていたというが、退場する記者を呼び止めての双方が批判合戦を繰り出した。 

思い出すのは先に王外相と茂木外相の日米外相会談の最後の記者会見で、茂木外相が恒例によって簡単に総括したのに対して、王外相は20分も自国の主張を繰り返し、日本の反論も出来ぬ間に日本を去っていった、「最後っ屁」を思い出す。 

日本は、後になって抗議したらしいが自民党から茂木外相に批判が集中した。 

そのことを米国側は知っていたのか、ブリンケン国務長官が記者の退場を制して対中批判を打ったのだ。中国も逆襲したらしい。 

米国側は、中国は台湾、香港、新疆ウィグル問題で、世界の国際ルールに基づく秩序を脅かしている。「争いは望まないが、競争は望む」と中国を競争相手としている。日米豪印、韓国などの同盟国との中国へのけん制体制だ。 

一方中国側というと、米国には米国の民主主義、中国には中国の民主主義がある。中国への内政干渉は放棄せよという。自らの民主主義を世界中に押し付けるなと言うのだ。

米国にもトランプ政権時の国を二分したり、黒人迫害の実態があると批判する。これに対して米国側は、「完璧ではないし間違いもあるが、問題を無視したり隠したりせず真正面から向き合っている」と反論、「米国は戻ってきた」と同盟国から満足する声を聞くと反論した。 

何時も気になるのだが、中国にも民主主義があるのか。中国は共産主義独裁政権だが、中央政権の考えが国民に支持され台湾問題、香港問題、新疆ウィグル問題に対応している。だから中国式の民主主義があるのだ。体制に反対する人間はいつの間にか消されるが、国民は誰も反対しない。反対するのはすべて海外のメデイアや政権なのだ。正確さは分からないが、中国には習政権のような共産勢力のほかに20ぐらいの政党があると聞いたことがある。そうだとすると民主主義の国なのか 

香港、台湾問題、更には尖閣問題は世界の注目点だが、米中が今後どう対応するか。米の対中戦略の重要課題だが、6年のうちに中国が台湾に進攻する予測も発表されている。 

その時、米国や同盟国がどう動くか。そして日本の対応が注目されるのだ。米国だって、「ただで尖閣を守る」ことはない。 

信じられないが、中国は「戦略的対話」のためにアラスカに来たという。 

中国は「国連中心の国際システムと国際法に基づく国際秩序を守る」という。世界の大部分の国は米国の言うことを国際世論だと認めていない」と言うのだ。台湾、香港新疆はいずれも中国の不可分の領土だというのだ。

そのうちに2022年までに尖閣諸島も中国固有の領土にしてしまうかもしれない。 

米国、イギリス、ドイツ、フランス、豪州の同盟国が南シナ海、東シナ海で艦船による対中国けん制行為を実施している。先には中止になったが米軍と自衛隊による物資供給訓練も予定されていた。 

南、東シナ海で風雲急を告げる事態が何時起こるかわからない。日本政府もその準備が出来ているのか。

 

2021年3月19日金曜日

小さな記事の大きな課題(19):「人出につながるメッセージを極力避けろ」と

 

菅総理も専門家も皆が認める緊急事態宣言解除後の「リバウンド」への警戒をコメントするが、すでにリバウンドは始まっている。先に緊急事態宣言を解除した大阪周辺は実効再生者数が1.1~1.3と言う。神戸では変異種の感染者が38%と言うと市中感染が広がっているようで、今後は主流になるという。 

宣言が解除されれば人出も増え、消費ものびGDP増、成長率もプラスが期待できる。コロナ禍による緊急事態宣言で消費が落ち込んでいたが、ワクチン普及も加わりマイナス成長からプラス成長に転じることが期待されるのだ。 

朝日新聞(2021.3.19)で日本経済研究センターが1~3月期は5.82%減から4~6月期の成長率は年換算で5.83%増を予想しているのだ。 

ところが経済の専門家である大和総研の神田さんは、「解除前でも感染者数は増えており、今の人出でも再び宣言に追い込まれるリスクはある。政府は人出につながるメッセージを極力控えるべきだ」と真っ当なことを指摘している。 

大事なことだ。今でも飲食業やホテル旅館は予約が増えているようだし、観光地のみやげ物店は人出増を期待している。一方で、再宣言の可能性も警戒している。観光バス会社はツアー客の増加を期待する。 

先日、孫の小学校の参観日があり行ってきた。4人グループで生活習慣のアンケート調査を実施、発表を聞いた。その中で「何がしたいか」との質問に「旅行」が圧倒的に多かった。「目的地」は、北海道、沖縄がダントツだった。家族で遠くへ旅行したいのだ。 

解除の仕方によってはドッと観光地へ繰り出す可能性がある。

政府は人出にかかわるメッセージを極力控えるにはどうしたら良いのか。

GOTOトラベルでも山梨県のように安全対策はしっかりしているから「どうぞ来てください」的PRをどう思うか。 

聖火リレーが始まると人出も増えるだろう。宣言中と宣言解除後では国民の対応が違う。テレビで映像が放映されると人出も増えるだろう。

ワクチン接種がドンドン進むともう安全だと誤解が増える。コロナ前の生活に戻ろうとする。 

メデイアの人出状況の放映も注意が必要だ。飲食業の午後9時以降の状況、違法営業、観光地での人出ニュースは要注意だ。 

感染者数の増加、実効再生産者数、病床利用率、検査件数、陽性率、変異種感染率などのニュースをしっかり流すことだ。県知事の安心させる発言は禁物だろう。その点、小池知事の発言は的を得ていないか。 

恐らくこのままでは第4波、感染者数が増加するだろう。数理統計や経済学の専門家によるシミュレーションを国民の自粛に大いに役立てられないか。 

どこの組織にも属していない若者など国民にどう情報を与え、協力させていくかが課題だろう。 

対コロナでの安全対策は出揃っている。後は国民一人一人がしっかり守ることだ。菅総理や小池知事、各県知事の責任ではない。我々一人ひとりの責任なのだ。 

一番よい方法は東京オリンピックを中止することだ。中止すれば「そこまで危険な状況なのか」と再認識させられる。オリンピックより、「私たちの安全、健康」をどう守るかだ。